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買わない人に売る方法|損失回避の行動心理

「マーケティングは顧客から始めよ」ということはあなたも知っていると思います。

そのため、多くのマーケターが商品を必要としている人を探すことや、他の商品との違いを伝えることに一生懸命になっています。

これはこれで間違いではありませんが、買わない人に売れるようになった時、事業はより大きく成長していきます。

今回は、あなたの商品を欲しいと思っていない相手にも売る方法をお伝えします。

もしあなたが比較的高額な商品を販売しているなら活用できる方法なので、是非ご覧ください。

 

高い商品を買わない理由

高い商品って気になっていてもなかなか買わなかったりしますよね。

コンビニで売っている新作スイーツであれば、そこまで気にせず「物は試しに」という気持ちで買えると思いますが、高い買い物になるとありとあらゆることを考えて買うかどうかを悩み続けると思います。

これは、買って期待したほどの価値がなかった時、払ったたくさんのお金が無駄になってしまうことを避けたいと感じるからです。

人は損失を回避したいと感じます。

高い商品であればあるほど、損失のリスクを大きく感じます。

なので私たちマーケターは、お金を失うリスクよりも価値を手に入れる期待を高めなければいけません

そのため、割引をしてお得に買える状況を作ったり、特典をつけて付加価値をつけたりして、「価値>コスト」の状態を目指します。

今回は、損失を回避したいという気持ちを利用した、商品を買ってもらう方法についてお話しします。

 

損失回避の行動心理

人は一度所有すると、それを取り上げられることを避けたいと感じます。

これを「損失回避の行動心理」と呼びます。

このことを証明した実験があるので紹介します。

損失回避の行動心理を証明した実験

被験者の学生の半分に大学のロゴマークの入ったマグカップをプレゼントしました。

マグカップをもらえなかった学生

「このマグカップを手に入れるために、いくらなら払っても良いか?」と尋ねると、

被験者が答えた平均価格は約260円でした。

マグカップをもらえた学生

「このマグカップをいくらなら売っても良いか?」と尋ねると、

被験者が答えた平均価格は約720円でした。

別に欲しいわけでもなかったマグカップを数分所有しただけで、手放す痛みを感じていることがわかります。

電車で路線図を見ようとして少し立った間に、他の人が自分の座っていた席に座っていたら、「私の席が…」て思いますよね。

自分の席ではないのに、少し所有しただけで自分のモノと感じて、それを失う時に痛みを感じます。

この損失回避の行動心理をマーケティングに利用することで、高額な商品でも顧客に手に入れてもらうことができます。

その方法についてお話しします。

 

損失回避をマーケティングに活かす方法

見込み客があなたの商品を「手放したくない」と感じれば良いので、まず商品を使ってもらうようにしてください。

例えば

  • 無料で1ヶ月レンタルする
  • 気に入ったら支払ってもらう
  • ダメなら返金する

などの売り方をします。

すると、一度所有した見込み客は、その商品を手元から無くすという損失を回避したい気持ちが高まります

一つ事例を紹介します。

損失回避を利用した売り方の事例「コアラマットレス」

「コアラマットレス」は120日間の全額返金保証をつけています。

シングルサイズで72,000円と普通のマットレスを使っている人からすれば高級品です。

でも、4ヶ月使っても返品することができるので、4ヶ月間は無料で使えるのと同じになります。

「無料なら試してみようかな?」という気持ちになりますよね。

その軽い気持ちで注文して、毎日コアラマットレスで寝ているうちに、そこにコアラマットレスがあるのが当たり前になり、完全に自分のものに感じます。

実際にはお金を払って手に入れてますが、購入動機が「実質無料で4ヶ月試せるなら買ってみよう」なので、無料お試し期間ですでに自分のものだという感覚になっていると言えます。

そして、手放したくなくなります。

もちろんマットレスの快適さが気に入って納得して返品をしないという人が大半だとは思いますが、高いから買うかどうかを迷っている人やそこまで欲しいと思っていなかった人にも、商品を買ってもらえる仕組みができています。

僕も先日購入して実質無料体験中ですが、届いて寝た瞬間に損失回避の力が働いているので、返金保証の力は絶大だなと実感しています(笑)

気になった人は是非チェックしてみてください⬇︎

はむ師匠
まさにマーケティングだね〜

これは生活レベルを上げると下げることが難しいのと同じだと言えます。

一度、物質的にも精神的にも手に入れてしまったものを手放すのは難しいです。

なので、臨時収入があったからと言って、高いものを買うと後々苦労すると言われていたりしますよね。

私たちマーケターは損失回避の性質を利用して、まず所有してもらうことを考えて、プロモーションやオファーを設計する必要があります。

まず利用してもらう方法には、無料で提供する方法と返金する方法があります。

どちらも顧客の購入を促すオファーのアプローチになるのですが、顧客に買ってもらいやすくするオファーについては、こちらの記事で詳しく解説しているのでチェックしてみてください⬇︎

買うかどうかを決める1つの条件|買わない理由を消すオファーの力

買わない人に売る方法|損失回避の行動心理 まとめ

人が買わないのは、買い物を失敗したくないからです。

期待していた価値が手に入らなかった時、支払ったお金を失ったと感じるので、それを避けたいと思います。

この損失を避けたい気持ちを逆に利用した売る方法があります。

それが「まず所有をしてもらう」という方法です。

人は一時的でも所有したものを手放すことに痛みを感じます。

自分のものがなくなるという損失を避けたいと思うので、まず所有してもらうことができれば、あなたの商品を手放したくないと感じて、そのまま顧客として商品を使い続けてくれるようになります。

そのために、「無料で1ヶ月レンタルする」「気に入ったら支払ってもらう」「ダメなら返金する」などのオファーを活用できます。

どうすればあなたの商品を所有してもらえるかを考えて、プロモーションを作ってみてください。

  • この記事を書いた人
はむ師匠

はむ師匠

マーケティングの力でハッピーになれる人を増やすために、マーケティングの知識を発信しているマーケティン熊。 「マーケティングを使える人が増えれば、今よりも世の中は良くなる!」と信じて、大企業からスタートアップ企業まで、今まで100社以上のマーケターにマーケティングの使い方を指導してきている。

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