あなたはマーケターとして、自分の考えたプランを実行して、成功させて認められたいと思っているはずです。
それを実現するためには、決定権を持っている上司の説得が必要になります。
「これをやればうまくいく!」「これは話題を集められる!」「これで売れる!」と思って上司に提案をしても、
「うまくいくイメージができない」「今はこれ関係ないから」「あれどうなった?まずそっちやって」と、軽くあしらわれた経験がある人は少なくないと思います。
今回は、企業で自社のマーケティングに取り組むメンバー社員の方が、自分のアイデアを実現して評価を得るための方法についてお伝えします。
目次
世の中の組織で起きている矛盾
上司は「もっとみんな積極的にアイデアを出して、自分で仕事を作ってほしい」と思っています。
それを公の場で発信したりして、メンバー社員に意識づけをしようとします。
メンバー社員は「もっと自分のアイデアを採用してほしい」と思っています。
そして、上司に対して提案をしたり、意見をしたりしようとします。
お互いが求めているものが合致しているので、普通に考えればメンバーの提案が採用されて、実行されるはずです。
でも、多くの組織でそうなっていません。
上司としては、「提案のクオリティが低い」「頼んでる仕事をまずやってほしい」と思っています。
メンバーとしては、「提案させてもらえる機会がない」「本気でアイデアを採用する気がない」と思っています。
上司があなたのアイデアを採用しない理由
上司は、自分の仕事を部下にサポートしてほしいと思っています。
自分より良い仕事をしてほしいとは思っていません。
なので、あなたが上司がやろうとしていることに積極的に意見をしたり、提案をしたりしても、それを受け取ろうとはしません。
なぜなら、自分のやろうとしていることをストップさせたり、足並みを揃わなくさせることに繋がるからです。
上司が求めている積極性は、自分の決めたことをよりスムーズに進めたり、自分が指示をしなくても自発的に前に進めてくれる積極性です。
決して、あなたの考えたアイデアやあなた自身が感じた現状への対抗策を出す積極性ではありません。
上司は、ゴールまでの道のりで自分の脚を持ち上げる動作を手伝ったり、進む道を先回りして平にして、歩きやすくしたりしてほしいと思っています。
決して、「あっちの道の方が良さそうです」「なんで歩いてるんですか?車使いましょうよ!」などという提案は求めていないのです。
自分の進み方に従って、「こっちへこいよ!」と言わなくても、自分で前に進んでくれる人を求めています。
でも、このことを上司本人は自覚してないことが多いです。
本気でみんなにアイデアを求めたいと思っている上司がほとんどです。
でも根底には「自分の仕事をサポートしてほしい」という気持ちがあるので、実際にはどんなに良いアイデアも素直に採用できない上司が多いです。
組織の中でアイデアを実現する段取り
もし、あなたが出したアイデアを上司が自分の手柄のように採用したとしても、甘んじて受け入れてください。
上司としては、自分の方針を進めるためのサポートとして、あなたからのアイデアをもらったという認識だからです。
「そんなのズルいじゃないか!」「もっと対等な関係であるべきだ!」という意見ももっともですが、これが現実です。
企業は経営者が、事業部は事業責任者の実現したいことを実現するために存在します。
なので組織の中で役職が下だったり、歴の浅い人が自分のアイデアを実現するためには、まず権力者から認められる必要があります。
自分の役に立つと認めている相手の話は、聞く耳を持ってくれるからです。
相手に認められていない段階で、上司のやろうとしていることに反論したり、足並みを崩すような発言をすると嫌がられます。
実際、とある転職支援企業の調査では、組織に積極的に意見している人ほど退職率が高いという結果もあるそうです。
より良くしようとして積極的にアクションをとっている人なら、組織にとって必要な人材になるはずです。
プラスに働いているなら退職させないようにすると思いますが、そうなっていないということは、組織に対して積極的に意見をすることがマイナスに働いていると言えます。
では、上司から認められてプラスの積極性にしていくためには、どうすれば良いのかについてお話しします。
あなたのアイデアを通すための1つのアクション
それは、上司のサポート役として自分が存在するという自覚を持つことです。
あなたもマーケターとして働く以上、自分のアイデアを形にしたいと思っていると思います。
ですが、その想いに一度ふたをして、上司の考えを実現するためのサポートに徹してください。
なぜなら、上司がメンバーに期待しているのは「自分のアイデアを形にするサポート」だからです。
口では何を言ったとしても、根本的な願いは「サポート」です。
自分の手柄を考えずに、チームとして成功を掴むために、上司が求めているサポートをすると意識づけしてください。
ですが、全て言いなりになるということではありません。
上司の描いている地図に沿ってゴールを目指す前提を崩さず、チームが前に進みやすくなるように道をきれいにしたり、障害物を取り払ったりするサポートに対しては、自分の意見やアイデアを積極的に出すようにしてください。
そして上司に伺いを立てて、OKをもらえればそれをやる。
これを繰り返していくことで、あなたは上司から認められるようになります。
上司としては、自分のやってほしいことをやってくれる貢献力の高いメンバーだとあなたを見るようになります。
「あなたがいないとチームが前に進まない」「あなたがいないと自分の仕事が増える」と思ってもらえる状態を作れれば、いよいよあなたが本来実現したいアイデアを実現できる段階に入ります。
自分のアイデアを実現するために必要なメンバーとして、あなたのことを見るようになっている上司は、あなたに相談を持ちかけるようになります。
より現場のことが見えているあなたに、現場の意見をもらおうとしてきます。
「この考え方をどう思うか?」「現場ではどういう課題があるか?」「あなたならどうしますか?」など。
その時、やっとあなたのアイデアを上司にぶつけることができます。
もちろん、アイデアの質が高くなければ、それが採用されることはありません。
でも、あなたの意見に聞く耳を持っているので、提案したことへの評価はしてくれるはずです。
内容の悪さに対しては、より良くするためのフィードバックをもらえるはずです。
この時、あなたの望んでいる対等な関係がそこに生まれると思ってください。
上司があなたの意見に耳を傾ける状況を作るために、まずは上司のアイデアを実現するためのサポートを徹底的にやることが解決策です。
これがあなたが自分のアイデアを通すためにやるべき、1つのアクションです。
【企業マーケター必見】自分のアイデアを通すためにやる1つのアクション まとめ
マーケティングの仕事をする人ならみんな、自分の考えを実現して、成功させて認められたいと思っています。
でも、組織で働く人は必ず決済者のOKを貰わなければ、実行はできません。
なので、あなたのアイデアを通すための段取りを踏む必要があります。
それが、まず権力者に認められることです。
そのためには、「上司が求めている『自分のアイデアを実現するためのサポート』」に取り組んでください。
上司の求める仕事への積極性とは、事業全体の課題に対する解決策を示すのではなく、上司が描いたゴールにスムーズに進めるようにするための積極的なサポートのことです。
それを自覚して、自分自身の想いは一旦伏せて、上司のサポート役に徹してください。
そうすることで、あなたは認められ、頼りにされるようになります。
上司から信頼される状況を作れた時、初めて対等な関係で議論ができるようになります。
とても回り道なやり方ですが、組織で働くメンバーとしては踏まなければいけない段取りです。
逆を言えば、徹底的にサポートするだけで、上司から認められるようになり、自分の実現したい状況を手に入れられるということです。
簡単ですよね。
最初から正論や意見を出さない。
上司のやりたいことを実現してあげる。
これを覚えておいてください。
そうすれば、あなたのアイデアを通すことができ、マーケターとしてのやりがいを感じる仕事に取り組めるようになります。