web集客ができている企業は必ずと言っていいほど「ABテスト」をやっています。
ABテスト…複数のパターンを同時に運用することで、より良い要素を見つけてパフォーマンスを高めていく方法。
ABテストにはいろんなものがあります。
例えば
- 商品
- 価格
- 訴求
- メディア
などの大きな要素のテストから
- 広告の配信方法
- 広告の配信面
- 広告のクリエイティブ
- ランディングページのデザイン
など、比較的小さなテストまで幅広くあります。
事業成長へのインパクトのあるテストは大きなABテストです。
ですが、商品を変えたり、価格を変えたりするのは気軽にできるものではありません。
なので私たちマーケターの多くは、訴求やメディア、広告運用方法、クリエイティブなどのテストをすることになります。
今回は、最も小さいけど今後より重要になる広告クリエイティブのテストのやり方についてお伝えします。
目次
広告クリエイティブが今後より重要になる理由
広告クリエイティブは今後より重要になっていきます。
web広告のターゲティング精度が今よりも悪くなっていくからです。
web広告はweb上のデータを活用することで拡大してきました。
検索したキーワードや見ているwebサイト、webサイト上での行動などから、広告主の商品を買ってくれそうな人に対して広告を出せるところがメリットでした。
ですが、近年の情報保護の流れから、個人の許可なく取れるデータが制限される方向へと変わってきています。
サイト訪問者を特定して広告を出すリターゲティング配信は、web広告のパフォーマンスを高める立役者でしたが、データの保存期間が短くなったり、そもそもデータ自体を取れなくなったりする状況になってきています。
web広告は膨大なデータをAIに解析させて、最適な運用を自動で行うことで拡大してきました。
データが少なくなることで、AIの解析精度も落ちてしまうことが考えられます。
つまり、web広告の持ち味であったweb上のあらゆるデータを活用して広告パフォーマンスを高めるというやり方が、これまでのようにはできなくなっていきます。
その時、ターゲットの反応を何によって高められるかというと、それが「広告クリエイティブ」によってになります。
広告の反応は、「誰に×何を×どのように」で決まります。
データ活用が制限されると「誰に」への精度が低くなります。
なので、「何を」「どのように」の精度を高めることで、これまで通りのパフォーマンスを維持することが求められます。
クリエイティブの力で、思わず見てしまう広告、興味を惹かれる広告、「欲しい!」と感じさせられる広告にできれば、ターゲティングの精度が低くても反応を得られる広告にできます。
これが、広告クリエイティブが今後より重要になる理由です。
広告クリエイティブのABテストでやること
では、広告のクリエイティブで何をテストすれば良いのかについてお話しします。
広告クリエイティブでテストする要素は、大きく3つです。
- 訴求
- コピー
- ビジュアル
訴求とは、ターゲットがあなたの商品を「欲しい!」「買おう!」と感じるための情報です。
効果なのか、デザインなのか、実績なのか、キャンペーンなのか、その人が買う理由に直結する情報が訴求です。
そしてその訴求を伝えるための要素が「コピー」と「ビジュアル」になります。
ターゲットの興味を引く訴求があっても、わかりにくい言葉や見た目では伝わりません。
広告クリエイティブのABテストにおいては、訴求が大きなテスト、コピーとビジュアルが小さなテストになります。
刺さる訴求、刺さるコピー、刺さるビジュアルを探していくのが、広告クリエイティブのABテストです。
広告クリエイティブのABテストの型
広告クリエイティブのABテストは以下の手順で進めます。
広告クリエイティブのABテストの型
- 訴求を洗い出す
- コピーを書き出す
- ビジュアルを探す
- 運用する
- 評価する
それぞれ解説していきます。
広告クリエイティブのABテストの型① 訴求を洗い出す
まず訴求を洗い出します。
まずは以下のカテゴリに合わせて、あなたの商品が持つ情報を整理していってください。
訴求カテゴリ
- ベネフィット(手に入る結果/効果)
- 機能
- 仕様
- 使い方、使用感
- サービス
- 実績
- 評価
- キャンペーン
- ターゲットの悩み
- 原因と対策
全てなくても構いませんが、できるだけ絞り出したりリサーチして埋めるようにしてください。
これが広告クリエイティブの切り口になるものなので、材料の幅が広ければ広いほど、意味のあるテストができるからです。
広告クリエイティブのABテストの型② コピーを書き出す
書き出した訴求に合わせてコピーを書き出します。
どんなコピーにすれば良いかは悩むところですよね。

安心してください。
集客のための広告でやるべきは、気の利いた言葉や人を感動させる言葉ではありません。
注意を引きつけ、興味を引き出し、広告をクリックしたくなるような言葉です。
営業マンのセールストークのようなものと思ってください。
これはすでにたくさん検証されて、効果的な言葉というのが存在します。
そして、それは専門家などの限られた人のものではなく、広く一般に共有されています。
マーケティング道場でもオススメのコピーの型を紹介しているので、これを参考にコピーを書き出してみてください。
広告コピーの作り方については、こちらの記事で詳しく解説しているのでチェックしてみてください⬇︎
広告クリエイティブのABテストの型③ ビジュアルを探す
次にビジュアルを探します。
広告は基本的にスルーされます。
どれほど秀逸なコピーが書かれていたとしても、それを読んでくれない人がほとんどです。
なので、ビジュアルで目を止めてもらう必要があります。

ビジュアルの選び方はいろいろありますが、まずはこの3つのパターンを用意すればOKです。
- 商品(パッケージ/使用シーン)
- 人
- その他
商品の印象を刷り込むためにも商品画像が広告に入っているのは重要です。
特に店頭販売している商品はパッケージを覚えてもらうことで買ってもらいやすくなります。
商品を覚えてもらうことで、愛着が湧き、興味へと繋がります。
人は人に関心を寄せるので、人の顔があれば注意を向けたくなります。
喜んでいる顔、不満そうな顔、大人、子供などバリエーションはありますが、それはコピーの内容に合わせて選んでみてください。

これはなんでも良いということです。
イラストでも、動物でも、意味のない抽象的なものでも、とにかく人の注意を引けそうなものを選んでください。
似たような画像ばかりだとクリエイティブ毎の違いが出にくいので、思いっきり違うテイストのビジュアルを試すことで、違った結果を出すために使います。
広告ビジュアルについては、こちらの記事で詳しく解説しているのでチェックしてみてください⬇︎
広告クリエイティブのABテストの型④ 運用する
パターンを洗い出せたら、コピーとビジュアルを組み合わせて作った広告クリエイティブを媒体へ入稿します。
媒体によって同時にテストできる数に違いがあるので、そこはそれぞれの媒体の仕様に合わせてください。
予算が少ないのに多く入れすぎると、配信されない広告クリエイティブが出てくるので、予算規模と媒体の推奨に合わせて入稿します。
よくわからない場合は、3つずつテストするようにしてください。
3つあれば、良いものと悪いものがだいたい見えてくるからです。
ポイントは、テスト結果が出る前に複数の広告クリエイティブを用意しておくことです。
待機させるクリエイティブをたくさん持っておくということですね。

テスト結果が出てから、次のクリエイティブを作っていると、新しい広告を出すまでに時間がかかってしまうからです。
広告のABテストはPDCAサイクルをどれだけ早く回せるかが大事なので、次々に新しい広告クリエイティブを送り出せる準備をしておいてください。
広告クリエイティブのABテストの型⑤ 評価する
広告した結果、どのクリエイティブのパフォーマンスが高かったのかを評価します。
集客目的の広告の場合は、コンバージョンの数やコンバージョン単価を目安にすると良いです。
コンバージョンが少ない場合は、広告のクリック率(CTR)を元に良し悪しを判断してください。
広告の目的は、ターゲットの注意をひき、興味を引き出せることなので、クリックされたということは反応を得られたということだからです。
クリック率は高いけど全然コンバージョンしない広告があったら、それは商品に関係のない興味の引き方をしているか、売れるランディングページになっていないかが原因です。
ランディングページで訴求している内容と広告クリエイティブで訴求している内容を見比べて、ズレがあるようなら直してください。

評価ができたら、パフォーマンスの悪い広告クリエイティブを新しいものと入れ替えます。
その内、勝ち続ける広告クリエイティブが出てくるので、その広告が持っている要素を元に、新しいクリエイティブを作っていき磨きをかけていきます。
この繰り返しで、どんどんと集客力の高いクリエイティブを作っていくのが、広告クリエイティブのABテストのやり方です。
より効果的な広告クリエイティブのABテストにする方法
ABテストをする時に覚えておいていただきたいポイントがあります。
それは複数の要素を同時にテストしないということです。
ABテストは当たりを見つけるギャンブルではなく、「良い要素と良くない要素を見極める科学的アプローチ」だからです。
何が良くて、何が悪かったのかを知るためには、テストパターンの違いは1つにしておかなければいけません。
キャンペーン内容もコピーもビジュアルもデザインもバラバラの広告クリエイティブをテストした時、Aパターンの結果がよかったとしてもコピーがよかったのかビジュアルがよかったのかわかりません。
なので、テストする要素以外の要素は固定しておくことが大切です。
予算規模が大きく、細かなPDCAを回せる体制があるなら良いですが、多くの企業ではそうではありません。
予算も大きくなく、リソースも不足気味だと思います。
なので、1つずつ着実に前に進めていきましょう。

集客改善の指南書|広告クリエイティブのABテストはこうやる!【完全保存版】 まとめ
広告クリエイティブでテストする要素は、大きく3つです。
- 訴求
- コピー
- ビジュアル
何を伝えるか、どのように伝えるか、これを1つ1つ変えてより良い結果を出せる広告を探していきます。
広告クリエイティブのABテストは以下の手順で進めます。
広告クリエイティブのABテストの型
- 訴求を洗い出す
- コピーを書き出す
- ビジュアルを探す
- 運用する
- 評価する
まずは以下のカテゴリに合わせて、あなたの商品が持つ情報を整理していってください。
訴求カテゴリ
- ベネフィット(手に入る結果/効果)
- 機能
- 仕様
- 使い方、使用感
- サービス
- 実績
- 評価
- キャンペーン
- ターゲットの悩み
- 原因と対策
次に、それぞれの訴求に合わせたコピーを書き出していきます。
コピーは生み出すものではなく、すでに実証済みの型にはめて作ります。
いろんな広告を見て、興味の引く広告があれば、そのコピーの型を参考にするのもありです。
ビジュアルは、商品・人・その他好きなものの3つのパターンで用意します。
テストを始める前に複数の広告クリエイティブを用意しておくことで、テスト結果が出たらすぐ次のテストに移れます。
集客のためにやる広告の結果はコンバージョンで評価します。
コンバージョンが少なければ、広告のクリック率で評価してください。
広告への反応を取れるかどうかがまず大切だからです。
この繰り返しで、パフォーマンスの高い広告クリエイティブが持っている要素を見つけて、それをどんどん磨いていくのが、広告クリエイティブのABテストです。
今後、web広告はより難しさが増していきます。
メリットだったweb上のユーザーデータの活用がしづらくなっていくからです。
でも、広告クリエイティブ次第で今まで通り、今まで以上の成果を出していくことはできます。
なので、是非広告クリエイティブのABテストをガンガン回していってください。