集客を増やしたい、これは全ての企業の願いです。
そして、そのために何をやればいいのかわからない、これが全ての企業の悩みです。
買い手が商品を買う具体的な流れと、そのために売り手がやるべきことが分かっていれば、この悩みは解消されます。
今回は、集客導線となる5つの接点と、その接点で売り手が何をすべきかについてお話しします。
目次
集客導線とは
集客導線とは、集客のための道筋です。
爆弾の導火線をイメージしてください。
端に火がつけば、その火はジリジリともう片方の端へ近づいていきます。
導火線の無い場所へ火種が移ることはありません。
着火点から爆弾への道に沿って火種が進んでいきます。
これと同じで、ターゲットが商品の存在を知ったあと、購入までたどり着ける流れを「集客導線」と言います。
マーケティング道場の教えでは、この集客導線のことを「顧客化プロセス」と呼びます。
顧客化プロセスの解説はこちらの記事も参考にしてください⬇︎
商品を買うまでの5つの状態変化
人が商品を買うまでには、5つの状態の変化があります。
- 気づいている(認知)
- 気になっている(興味)
- 納得している(理解)
- 迷っている(検討)
- 買っている(購入)
1から5に状態が変化することで、見込み客は顧客になります。
爆弾なら、最初の接点(導火線の端)に火をつければ、次の接点(爆弾)に火が届いて爆発します。
これと同じように、ターゲットに1つずつ5つの接点を通って前に進んでもらうことで、顧客へと導いていきます。
この接点を進む過程をプロセスといい、商品を買ってもらうまでの5つの接点の流れを「顧客化プロセス」と呼びます。
プロセス…過程、工程、方法
顧客化の5つのプロセス
- 認知
- 興味
- 理解
- 検討
- 購入
商品のことを何も知らない状態の人が、商品の存在に気づき、商品が気になり、商品に納得し、買おうと決めて、買うことで、集客が完成します。
この5つのプロセスを進んでもらうことで、見込み客を顧客化していくのが、私たちマーケターの仕事です。
なぜこの5つなのか?
認知→商品のことを知らなければ、顧客にはならないから
興味→商品のことを気にならなければ、顧客にはならないから
理解→商品と売り手に納得しなければ、顧客にはならないから
検討→商品を買おうと思わなければ、顧客にはならないから
購入→決断して商品を買わなければ、顧客にはならないから
何も知らない人が商品を買うこともないですし、買おうと思って行動しなければ買うことはできないからです。
この意識と行動の変化を「態度変容」と言います。
難しい言葉なので覚える必要はありませんが、売り手の情報によって、買い手の意識が変わり、意識が変わることで行動が変わる、ということを覚えていおいてください。
5つの接点でマーケターがやること
マーケターの仕事は、「誰に・何を・どのように」を決めることから始まります。
詳しくはこちらの記事を参考にしてください⬇︎
顧客化プロセスは、「どのように」顧客になってもらうのかの手段を表しています。
5つの接点でターゲットとコミュニケーションをとることで、1つずつプロセスを前に進めてもらい、最終的に商品を買ってもらう、この導線を作るのが私たちマーケターの仕事です。
ポイントは、各プロセスが次のプロセスへの橋渡しになっていることです。
5つのプロセスでやることを、それぞれお伝えします。
①認知プロセスでやること
認知プロセスは買い手との最初の接点です。
目的は、何も知らない状態のターゲットに気づいてもらうことです。
「おや?」と思ってもらうということですね。
何かに気づくと「なんだろう?」と思って、次の情報に目を向けてくれます。
認知獲得のための接点の作り方
こちらの存在に気づいてもらうために、ターゲットが普段触れている情報や居る場所で、こちらから呼びかける必要があります。
主に広告を利用することで、メディアを通した情報を生活者へ伝えます。
例えば
- オンライン広告(検索広告/ディスプレイ広告/動画広告 etc)
- オフライン広告(TV/新聞/雑誌/ラジオ/看板/チラシ/DM etc)
- SNSアカウント(Instagram/Facebook/twitter/youtube/LINE/TikTok etc)
- BtoB企業の場合は、電話営業や訪問営業や紹介営業
など。
買い手が情報を目にする場所で、商品に関する情報を届けます。
なので、ターゲットが居そうな場所、見ていそうな情報を特定して、情報発信することが大切です。
例えば
- 女子中高生がターゲットなら、原宿の駅の看板
- 高齢者がターゲットなら、新聞紙面
- おすすめの美容液を探している人がターゲットなら、webの検索面
- 主婦がターゲットなら、お昼の情報番組
- 世の中の話題に敏感な人がターゲットなら、twitter
など。
ターゲットに合わせたメディアを選ぶことで、よりターゲットに気づいてもらいやすい状況を作れます。
メディア選びを間違えると、期待通りの反応を得られず、広告を出すためにかけたお金を無駄にしてしまいます。
②興味プロセスでやること
興味プロセスでは、こちらの存在に気づいたターゲットに、より前のめりになってもらいます。
目的は、「これは自分の悩みの解消、課題の解決に役に立つ商品かもしれない」と感じてもらうことです。
「気になる!」と思ってもらうということですね。
興味を持つと、もっと詳しく知りたいと思ってくれます。
興味喚起のための接点の作り方
ターゲットに興味を持ってもらうためには、相手の求める結果が手に入ることを伝えます。
自分に関係のない情報を知りたいと思う人はいないので。
思わず振り向いてしまうような広告表現によって、ターゲットの興味を引き出します。
例えば
- 悩んでいた年齢肌が、赤ちゃんのお肌みたいになる
- 年収300万円サラリーマンでも、3ヶ月で年収500万円のエンジニアになれた
- 面倒な掃除がボタン1つで完了
- 男を上げるワンポイントアイテムをご紹介
- 勉強嫌いの子供が勉強する秘密
など。
自分の悩んでいることが示されていれば、「そうなのよ。どうすれば教えてくれるの?」と興味を持ってくれます。
抱えている課題の解決策が示されていれば、「それをすればいいの?気になる!」と興味を持ってくれます。
ターゲットの興味を引くための情報によって、あなたが届ける情報に耳を傾けてくれる状態を作る必要があります。
興味を引く情報
- 悩んでいること
- 悩みの原因
- 解決の方法
- 解決できた状態
- 好きなものや人
など。
ターゲットに合わせた相手の求める情報を届けることで、次の理解プロセスへと繋げていきます。
③理解プロセスでやること
理解プロセスでは、商品に興味を持ったターゲットにより詳しい情報を届けます。
目的は、「これを使えば、自分の課題は解決できるだろう。」と納得してもらうことです。
「なるほど!」と思ってもらうということですね。
納得すれば、手に入れようと考えてくれます。
理解促進のための接点の作り方
ターゲットに納得してもらうためには、その商品がなぜ効果的なのかの証拠を示す必要があります。
なぜなら初めて見聞きする商品やその売り手のことを疑っているからです。
買い手に納得してもらう証拠には、特徴・実績・評価の3つがあります。
納得を引き出すための情報
- 特徴
- 実績
- 評価
特徴とは
- 機能
- 仕様
- 技術
- 成分
- 製法
- 立地
- 産地
- 作り手や担い手
- サービス
など
実績とは
- 販売数
- 売上
- 顧客数
- 事業暦
- 店舗数
- 社員数
など。
評価とは
- 顧客の声(口コミ)
- 専門家の声
- メディア取材
など。
広告で興味を持って売り場へ訪れた見込み客に、これらの商品を信用するための情報を伝えることが、理解促進のための接点づくりになります。
例えば
- 店舗ビジネスなら店員さんの説明や配布するパンフレットなど
- ネットビジネスならwebサイトやランディングページなど
これらの接点で、買い手が納得するための十分な情報を伝えます。
商品に興味を持った人は、自分が買うべき商品かどうかを見定めるために売り場へ訪れます。
そこで、見込み客の感じている「なぜ私がそれを買うべきなのか(Why me?)」「なぜあなたから買うべきなのか(Why you?)」に対する答えを示すことができれば、買うかどうかを検討してくれます。
④検討プロセスでやること
検討プロセスでは、商品に納得した見込み客の購入の後押しをします。
良い商品だと感じても、全ての商品を必ず買うわけではありません。
「もうちょっと考えよう」「また今度にしよう」「今のままでもいいか」と思って、買おうと思った商品を諦めたことはありませんか?
「手に入る価値>支払うコスト」にならなければ、人は買いません。
「良い商品だけど、期待外れだったらどうしよう…」「自分には使えなかったらどうしよう…」と考えて、失敗のリスクを恐れるあまり、買うこと自体をやめてしまうことがあります。
この見込み客の感じる「失敗のリスクへの不安」を解消してあげることが、検討プロセスの目的です。
意思決定のための接点の作り方
買うかどうかの迷いを断ち切るために、取引の条件を提案します。
これをオファーといいます。
購入を決めてもらうための情報
- 割引
- 特典
- 保証
例えば
- 通常価格より20%offで買える
- パソコンを買えばプリンターがついてくる
- 効果がなければ返金します
など。
買い手の損失のリスクを、売り手が肩代わりしてあげることで、「今買うことが最良の選択だ!」と感じて、買うことを意思決定してもらいます。
損失のリスクへの不安がなくなれば、買うための行動へと移っていきます。
⑤購入プロセスでやること
最後は商品を購入してもらうプロセスです。
目的は、商品の購入を完了してもらうことです。
気づいて、気になって、納得して、検討して、あとは買うだけなのですが、ここまで来て買わない選択をする人がいます。
例えば
- どこで買えるのかよくわからない
- 決済方法が振り込みしかない
- 申込に必要な情報が多すぎる(入力が面倒)
- 利用規約が細かすぎる(自分に不利)
など。
主に売り場や売り方の問題です。
買うために必要なもの
- リアル店舗(個店/ショッピングモールのテナント/移動店舗)
- webサイト(サービスサイト/ECサイト/ポータルサイト)
売り場を用意しないで集客する人はいないと思いますが、購入導線がわかりづらい場合がよくあります。
スーパーでカゴに商品をつめたけど、レジがどこにあるかわからないような感じです。
特にネットで商品を販売したり、申し込みを集めているなら要注意です。買う気満々の見込み客がちょっとしたことで、買うのをやめてしまうからです。
×を押せば画面は閉じられ、一瞬で買い物はなかったことになります。
ちょっとでも、「ん?」と思わせてはいけません。
購入完了のための接点の作り方
買いたいと思った人がスムーズに買える売り場にしておきましょう。
例えば
- 決済方法がたくさんある
- 入力項目が少ない
- (webの場合)フォームに自動入力の補助がある
- わかりやすい導線
など。
集客導線の作り方|5つの接点が顧客を呼び寄せる まとめ
集客導線とは、ターゲットが見込み客になり、顧客へとなる道筋のことです。
私たちマーケターはこの道筋を意図的に作り、顧客が生まれるプロセスを作ることが仕事です。
これを「顧客化プロセス」と呼びます。
認知・興味・理解・検討・購入の買い手の5つの状態を接点として、ターゲットの意識の変化と行動の変化を作り出していきます。
認知は広告によって、興味は広告表現によって、理解はコンテンツによって、検討はオファーによって作り、買いやすい売り場でスムーズに購入完了をしてもらうという流れです。
マーケティングの仕事をしていて、集客改善のために何をすれば良いのかわからなくなった時は、この顧客化プロセスについて見直してください。
対応できていない接点が必ずあるのでそこをテコ入れして、プロセスがスムーズに進むようにすれば、集客は改善されていきます。