私たちマーケターが見落としがちなターゲットが「休眠顧客」です。
休眠顧客とは、以前にあなたの商品を買っていたことがある人のことです。
改めて目覚めさせることができるので、休眠という言葉が使われています。
この目覚めさせるためのアプローチを「掘り起こし」と言います。

一度、買うのをやめてしまった人は、二度と買わないわけではありません。
休眠顧客はなんらかのきっかけで買うのをやめてしまった人たちです。
きっかけさえあれば、また買ってくれる人たちです。
ですが、多くのマーケターは新規獲得だけに集中しているので、離れていった顧客のことをすぐに忘れてしまいます。
これは大きな機械損失です。
今回は、顧客が買わなくなる理由と、休眠顧客に改めて商品を買ってもらう方法についてお伝えします。
目次
休眠顧客が生まれる理由
休眠顧客になってしまう理由には5つあります。
休眠顧客になる理由
- 商品が期待外れだった
- もっと良い商品を見つけた
- 求めていた価値を手に入れた
- 売り手の対応に不満を感じた
- タイミングを失っている
多くのマーケターが1.と2.が理由で、顧客は商品を買わなくなったと思っています。
でも実際にはその他の理由で買わなくなっている顧客がいます。
それぞれ解説していきます。
休眠顧客が生まれる理由① 商品が期待外れだった
良い商品ならまた買いたいと思ってもらえますが、期待外れの商品だったらもう買ってもらえません。
当たり前の話ですが、期待というのは人それぞれの感じ方なので、コントロールすることはできます。
買う前に期待をさせすぎると、実際の価値よりも期待の方が大きくなり、期待外れに感じさせてしまいます。
例えば
「日本一美味しいパン」という名前のパン屋さんがあったとして、ちょっと離れた場所だけどわざわざ買いに行ったとします。
近所のパン屋さんより美味しいのは美味しいけど、倍のお金を払って、時間も労力もかけて買いに行った「日本一の美味しさ」かと言われると、そうでもないなと感じてしまったら、もう二度と買いに行かないですよね。
期待してもらえないと買ってもらえないので、期待値を下げすぎるのも良くないですが、バランスが大事です。
休眠顧客が生まれる理由② もっと良い商品を見つけた
人はより良くなりたいと思っています。
なので、あなたの商品を気に入って使っていても、「もっと良い商品があるのでは?」とどこかで思っています。
多くの企業が、他社から顧客を奪おうと積極的にプロモーションをしています。
魅力的に見える他の商品に、心を奪われる可能性は至る所にあります。
他の商品の売り手は、どうにか自分の商品に乗り換えてもらおうと、今の商品よりも良い購入の条件を提案してきます。
そうなれば、顧客があなたの商品を買うのをやめることを誰も止められなくなります。
商品の改良をするなどして、他の商品よりも魅力的な状態を維持する必要があります。
休眠顧客が生まれる理由③ 求めていた価値を手に入れた
顧客は価値を手に入れるために商品を買います。
商品そのものではなく、商品を使うことで手に入るベネフィットを買っていると言えます。
ベネフィット…メリット、利便性。商品を使うことで手に入るプラスの結果。
自分の抱えている課題が解決したら、その商品は役目を終えたということになります。
課題解決が必要なくなったら、もうその商品は必要ありません。
例えば
- 高校受験が終わったら受験のために通っていた塾へは行かなくなります
- 結婚式が終わったら、結婚式場を利用することはなくなります
- 視力矯正のために眼鏡を買ったら、眼鏡屋へは行かなくなります
これは理想的な状態で、全ての企業が目指すべき結果です。
休眠顧客が生まれる理由④ 売り手の対応に不満を感じた
商品に不満はなくても、その他の状況で不満を感じたら買うのをやめてしまいます。
例えば
- 問い合わせの対応が悪かった
- 商品が壊れていた
- 適当な渡され方をした
- 気に食わない発言を発信していた
- 買ったら放置
など。
購入体験やアフターフォローなど、商品自体の価値とは別のところにも顧客は価値を感じます。
それが第一の理由で買っているわけではないで、プラスにはあまりならない要素ですが、マイナスにはなりやすい要素です。
なので、商品以外の接点で不満を感じたら、その商品自体にも不満を感じることになり、買うのをやめてしまいます。
休眠顧客が生まれる理由⑤ タイミングを失っている
見落とされがちな理由が、顧客が買うタイミングを失っているということです。
これには2つの原因があります。
1.売り手のことを覚えていない
どこで買ったか覚えていない商品ってありませんか?
ブランドにこだわらないタイプの商品で、気に入って使っていたものが壊れてまた同じものを買おうとした時、探せなくて結局似たような別の商品を買ったことがあるかもしれません。
この時、あなたの商品にまたたどり着いてもらえれば良いですが、他社の類似商品にたどり着いて、そちらを買われてしまっている可能性もあります。
Amazonなどで買い物をまとめていれば、購入履歴を見て再購入することはできますが、いろんなところで買い物をしていると、どこで何を買ったかをいちいち覚えて入られません。
せっかくあなたの商品に対して価値を感じてもらえていても、それっきりの付き合いになってしまっていることがよくあります。
2.再購入するきっかけを失っている
機会があればまた買おうと思ってても、腰が重く動けていない状況です。
例えば
- また食べに行きたいと思い続けている飲食店
- 時間ができたら行こうと思っているマッサージ店
- 新しい服が欲しいと思っていても同じ服を着ている
など。
行きたいお店や買いたいものがあっても、わざわざ無理に予定を空けてまで買いに行かないことってありますよね。
買わなくても良い状態が続くと、買うことが面倒に感じて、買わないままになってしまいます。
休眠顧客を掘り起こすメリット
休眠顧客を掘り起こすメリットは、集客コストがかからないということです。
誰が買ってくれたのか把握できていないのは論外なので、顧客の情報を持てていることを前提に話を進めます。
一度でもあなたの商品を買ってくれたということは、買い手に直接連絡するための情報を持っているということです。
なので、メールや電話、DMなどでダイレクトアプローチができます。
これらの手法はコストがそこまでかからないので、広告出稿して新規集客するよりもコスパ良く集客できます。
しかも、商品に不満があって買うのをやめた人でなければ、再購入のきっかけを失っているだけなので、詳しい商品の説明を改めてする必要なく、再購入してくれる可能性があります。
休眠顧客の掘り起こしをするための鉄板アプローチがあるので紹介します。
休眠顧客を掘り起こす鉄板アプローチ
休眠顧客が買うのをやめた理由には大きく5つありました。
休眠顧客になる理由
- 商品が期待外れだった
- もっと良い商品を見つけた
- 求めていた価値を手に入れた
- 売り手の対応に不満を感じた
- タイミングを失っている
買わなくなったのがどの理由でも、あなたの商品のことは知っている状態です。
どんな機能があり、どんな仕様で、どんな価格で、自分にとってどんな価値があるのか。
そんな相手に対して、改めて商品の魅力を伝えても響きません。
あなたの商品に対して、自分の中での結論を持っているからです。
なので、休眠顧客が思わず「え!?まじで!?」と思うような提案をして注意を引きつけてください。
具体的にいうと、大幅な値下げをしてください。
休眠顧客は、商品に対しての価値はすでに感じています。
でも買い続けていない根本的な理由は、価値よりも支払うコストが大きいと感じているからです。
休眠顧客になる理由に合わせて説明すると
商品が期待外れだった→価値が低いと感じた=支払うコストが高い
もっと良い商品を見つけた→他の商品の方が価値が高いと感じた=支払うコストが高い
求めていた価値を手に入れた→価値がなくなった=支払うコストが高い
売り手の対応に不満を感じた→価値が低くなった=支払うコストが高い
タイミングを失っている→動くまでの価値がないと感じている=支払うコストが高い
ということになります。
なので、支払うコストが高い状況を変えてあげれば、買いたいと思ってもらえます。
そこで、大幅な値下げをすることで、「価値>コスト」の関係を強引に作るということです。
単純な値下げはインパクトに欠けます。
なので、なぜその値引きをするのかの理由と合わせて提案をしてください。
休眠顧客を掘り起こすたった1つの方法 まとめ
休眠顧客とは、一度以上あなたの商品を買ったことがある顧客のことです。
買わなくなった理由には5つあります。
休眠顧客になる理由
- 商品が期待外れだった
- もっと良い商品を見つけた
- 求めていた価値を手に入れた
- 売り手の対応に不満を感じた
- タイミングを失っている
多くのマーケターが「他の商品に浮気された」と考えていますが、そうでない場合も多いということを覚えておいてください。
休眠顧客はあなたの商品の価値を知っている人です。
なので、改めて買ってもらうきっかけさえ作れば、また顧客になってくれます。
その再購入を促すためのアプローチを「掘り起こし」と呼びます。
休眠顧客があなたの商品を買わなくなった根本的な理由は、価値が支払うコストよりも低いと感じているからです。
なので、大幅な値引きを提案することで改めて「価値>コスト」の関係を作ることで、休眠顧客を掘り起こすことができます。
休眠顧客の掘り起こしは、集客コストが新規顧客を集めるよりもかからないので、その分のコストを商品の割引に当てていると考えれば、事業の採算は取れた状態で集客ができます。
なので、休眠顧客が「え!?本当に?!これは買わないと損だ!」と感じるくらい積極的な割引をしてください。