マーケティング担当者の多くがやりとりするパートナーが「広告代理店」だと思います。
社内で広告運用できるメンバーを抱えている企業はまだまだ少なく、広告代理店に集客を頼っている企業が大半です。
ですが、多くの企業が間違った広告代理店選びをしてしまっています。
今回は、広告代理店選びを失敗しないための方法についてお伝えします!
目次
広告代理店選びに失敗する理由
広告代理店選びに失敗すると、効果的ではない施策にお金を使われてしまったり、なかなか成果が出ない状況が続きます。
イメージ広告を効果的に使えるのは大企業だけです。
なので多くの企業が広告をするのは、集客のためです。
集客してくれることを期待して広告代理店に、広告を作ったり、広告を出したりする仕事を依頼しています。
でも、なぜ集客できない広告代理店をパートナーにしてしまうのでしょうか?
それには2つの理由があります。
1つは、広告代理店の違いを知らないからです。
広告代理店とひとことで言っても、企画やディレクションをメインとしている会社、運用実務をメインとしている会社、オフライン媒体をメインとしている会社、オンライン媒体をメインとしている会社など、いろいろあります。
自社の課題を解決する適切なパートナー選びができていないことが、広告代理店えらびに失敗する理由の1つ目です。
もう1つは、適切な規模感の広告代理店をパートナーにしていないことです。
誰もが、有名な広告代理店なら結果を出してくれるだろうと思っています。でも、それは大きな間違いです。
広告代理店の担当者は複数のクライアントを受け持っています。なので、必ず優先順位が発生します。
それを決定づけるのが、予算規模と企業規模です。
広告代理店で優先されるのは、予算が大きな企業か、取引先として魅力的な有名な企業かです。
多くの中小企業はこのどちらも持ち合わせていません。
予算規模は小さく、企業としてのネームバリューもありません。
なので、大手企業が取引先広告主に名を連ねるような大手広告代理店に依頼しても、優先順位は下の下になります。
そうなれば、大した工数をかけてはもらえません。
しっかりとやってもらえなければ、広告の成果は出せません。
なので、高いお金を払っても、成果が出ない状況になってしまうのです。
広告代理店の2つのタイプ
広告代理店には、大きく2つのタイプがあります。
1つは自社で運用実務を行わず、媒体と広告主を繋ぐ中間業者としての広告代理店です。
もう1つは自社で運用実務を行う、広告代行業者としての広告代理店です。
それぞれ解説します。
中間業者としての広告代理店
一般的な広告代理店のイメージは、この中間業者としての広告代理店だと思います。
プランニングとディレクションが主な仕事です。媒体社や制作会社とチームを組み、提案したプランを実行する旗振り役です。
このタイプの広告代理店に依頼するメリット
全体設計や広告運用だけでなく、SNS運用やPR、キャンペーンの実施など幅広くプロモーションを展開する場合に、それらを一元管理してもらえるので、広告主側の負担が小さいことが挙げられます。
ですが、多くの企業が今月、来月、今週、来週の集客をどう伸ばすか?を考えていると思うので、このメリットがメリットになる企業は少ないです。
デメリット
web広告が集客のキモとなってきている今、このタイプの広告代理店に集客を依頼していては無駄が生まれるデメリットがあります。
オフラインの媒体であれば、どの媒体に出すのかを決めれば後は、どうなろうが知ったこっちゃないという感じでした。
媒体から提出される結果をそのまま提出すれば、広告代理店は業務完了という感じです。
ですが、web広告の場合は、入稿してからが本番です。
結果を見てクリエイティブを変えたり、運用方法を変えたりしながらチューニングしていかなければいけません。
web集客は常に動き続けていて、PDCAをどれだけ回せるかが成果に直結します。
なのでweb集客の場合は、どの媒体を選ぶかというプランニングより、どうその媒体を運用するかというオペレーションの方が重要になります。
この時、中間業者的な広告代理店に広告運用を依頼していると、情報のやりとりが遅くなります。
PDCAサイクルのスピードが遅くなるだけではなく、広告クリエイティブを作るのにいちいち制作費と彼らの手数料がかかるので、運用コストも余計にかかります。
広告代理店が手数料を手にするために、実際の広告運用者の報酬を少なく設定する場合もあります。
そうなれば、運用者としてもその案件の優先順位を下げざるを得なくなります。
結果、しっかりと運用してもらえなくなり、成果のでない広告になってしまいます。
運用代行業者としての広告代理店
web広告の代理店をしている企業の多くがこの業態です。
自社で広告の運用担当者を雇い、広告クリエイティブの制作者もいるような会社です。
このタイプの広告代理店に依頼するメリット
PDCAサイクルのスピードが速いことと、中間業者を挟まないため無駄な手数料がかからない点です。
規模の小さい会社だと、窓口担当者ではなく直接運用担当者とやりとりができるところもあります。
そうすれば、パートナーとしての結びつきも強くなり、報酬以外の案件の魅力を高めることもできます。
デメリット
限られた範囲の集客施策しか担えない点がデメリットになります。
例えば
- 検索広告が得意
- Facebook広告が得意
- 低予算が得意
など。
リソースも限られているので、多くのことを依頼すると運用が回らなくなりがちです。
仕事が欲しいので「なんでもやります!」という感じで仕事は受けてくれるのですが、それに割けるリソースがなかったり、それに対応するスキルがなかったりします。
失敗しない広告代理店の選び方
自社の状況に応じて、どちらのタイプの広告代理店に依頼すれば良いかが変わります。
大まかな規模感の違いで選ぶべき広告代理店のタイプについてお話しします。
月の広告予算が数千万円以上のケース
月に数千万円の広告予算があれば、中間業者的な広告代理店に依頼しても問題ありません。
全体キャンペーンの設計や、オフラインとオンラインとを組み合わせた施策展開などができるからです。
web中心の展開をしていく場合は、web広告の大手広告代理店に頼むのもありです。
広告以外のSNS運用やSEO対策、webサイトの改善などもまとめて対応してもらえるので、マーケティングの底上げができます。
月の広告予算が1千万円以下のケース
月の広告予算が1千万円以下なら、大手広告代理店に頼むのはやめてください。
月の広告予算が数百万円の案件は、彼らにとって優先順位の低い案件になってしまうからです。
中間業者的な広告代理店も避けた方が良いです。
なぜなら、web集客中心に展開した方が成果を出しやすい予算規模なので、彼らでは無駄な手数料がかかりスピードも遅くなるだけだからです。
なので、web広告専業の広告代理店で比較的規模の大きい会社に依頼するようにしてください。
そうすれば、複数の媒体を同時に運用してもらえたり、広告のパフォーマンスを高めるためのwebページの改善などにも対応してもらえます。
社員規模で100人以上いるような規模感の会社なら安心です。
この規模の広告代理店なら、月1千万円の広告費が出せるクライアントは優先順位が比較的高めになるので、一生懸命に運用してもらえます。
月の広告予算が500万円以下のケース
月の広告予算が500万円以下の場合は、web広告の専業広告代理店で比較的小さな規模感の会社に依頼してください。
社員規模で30人前後というくらいでしょうか。
特定の媒体に強みを持っているはずなので、その媒体をメインに集客を担ってもらいます。
この規模感の広告代理店なら、十分に優先順位の高い案件として一生懸命に運用してもらえます。
どの媒体が得意な会社を選ぶかは、あなたの商品によります。
例えば
- 情報収集をしっかりして注文されるものなら検索広告
- 潜在層へ向けて認知をとることから始めるならFacebook広告やInstagram広告
- 特定の商品をしっかりと売り込む場合は記事広告や長尺の動画広告(インフォマーシャル)
など。
インフルエンサーの活用など、広告媒体運用以外の集客施策もしていくなら、それに特化したパートナーを選んでいくことになります。
特定の媒体運用が得意な会社さんに、SEO対策やLP制作など他のことを頼まないようにしてください。
その分野においての専門性がないので、受けてもらえたとしても素人が対応するか、他の会社に丸投げされてしまうだけだからです。
月の広告予算が100万円以下のケース
理想的には自分で広告運用した方が良い規模感です。
広告代理店に運用してもらうと手数料の分だけ出稿量が減るからです。
少ない予算で集客を最大化しなければいけない状況で、10~20万円の手数料を広告代理店に持っていかれていてはいけません。
ですが、他にもやることがいっぱいあるというのがマーケターの実情だと思います。
なので、フリーランスの広告運用者を雇ってください。
月額数万円の固定報酬で受けてくれる人もたくさんいます。
予算規模が小さければ、できる施策も限られるので、個人でも十分に対応できます。
個人であれば、数万円でも大きな収入になりますし、クライアントを見つけるのに苦労するので、一生懸命やってくれます。
スキル面で不安はありますが、そもそも予算規模が小さければできることも限られるので問題ありません。
失敗しない広告代理店の選び方|多くの企業がボラれてる まとめ
集客を成功させるためには、集客の担い手「広告代理店」選びが大切になります。
多くの企業が広告代理店選びに失敗しています。
その理由は、
1つは、広告代理店の違いを知らないからです。
もう1つは、適切な規模感の広告代理店をパートナーにしていないことです。
広告代理店には、大きく2つのタイプがあります。
1つは自社で運用実務を行わず、媒体と広告主を繋ぐ中間業者としての広告代理店です。
もう1つは自社で運用実務を行う、広告代行業者としての広告代理店です。
事業の規模感や課題感によって、適切なパートナーも変わります。
ぜひ、自社の状況にあった広告代理店を選ぶようにしてください。
予算規模が小さいうちは、1社に特定の広告の運用を依頼して、必要に応じて別の得意を持った会社を少しずつ増やしていきます。
予算規模が大きくなり、全てをあなたがコントロールするのが難しくなってきた段階で、全体を取りまとめられる広告代理店に任せるようにすると、良いチームを作っていくことができます。