マーケティングのゴールは、セールスしなくても顧客が集まる状況を作ることです。
マーケターはその究極のゴールを目指しつつ、事業運営上立てられた1年、四半期、1ヶ月、1週間、1日の目標を達成させるべく、日々活動をしていると思います。
その目標を達成するために必要な指標が「KPI」です。
指標とは「めじるし」のことで、事業の目標達成のために必要な「めじるし」となる数字がKPIです。
今回は、KPIとは何なのか、それをどう活用すれば良いのか、正しくKPIを設定する方法についてお伝えします。
目次
目標達成の鍵を握るKPI設定とは
KPIは「Key Performance Indicator」の略で日本語に訳すと「重要業績評価指標」という意味になります。
わかりにくいですよね。。
わかりやすく言うと「目標達成のために必要な目標」がKPIです。


例えば
1個1万円の商品を販売していて、目標売上が1億円だとします。
売上1億円を達成するために、何を達成しないといけないかと言うと、1個1万円の商品を1万個売ることになります。
1万人の人に1万円の商品を売れば目標達成できるので、1億円の売上目標を達成するための目標は、1万人の顧客を集めることになります。
この1万人の顧客が、1億円の売上目標に対するKPIとなります。
どんな条件が揃っていれば目標が達成できるのかを考えると、何がKPIなのかが見えてきます。
でも、このKPIで事業運営をしていてはうまくいきません。
その理由についてお話しします。
間違ったKPI設定
マーケテイングの仕事をしていると、KPIという言葉はよく耳にするようになりました。
でも、実際には間違ったKPIもよく見かけます。
間違ったKPI設定には2つあります。
1つは、目標達成に直接関係のないアクションをKPIに設定している場合です。
売上を増やす目標に対して、SNSのフォロワーを増やすなど。
もう1つがありがちな間違いなのですが、目標達成のためのめじるしにならない数字をKPIに設定してしまっていることです。
例えば
先ほどの例の、1万円の商品を販売していて、1億円の売上目標がある時のKPIを、1万人の顧客獲得としている場合で考えてみます。
1万人の顧客獲得をすれば、1億円の売上目標を達成できるので、KPIとしては正しいと言えます。
ですが、KPIが具体的なアクションと結びついていないので、達成可能性が低いKPI設定になります。
1万人の顧客を獲得すると言っても、どうやればいいかわからないですよね?
どうやればいいかわからないものは、どうすることもできないので、達成されることはありません。
なので、より具体的なアクションに結びつくKPIを設定する必要があります。
例えば
1万人の顧客は、「集客数」と「成約率」とに分解できます。
集客数…売り場に連れてくる見込み客の数
成約率…売り場にきた見込み客のうち、購入や申込などの成果アクションをとった人の割合
成約率が10%の時、1万人の顧客を集めるためには10万人の見込み客を集める必要があります。
もし5万人の集客が限界であれば、成約率を20%に引き上げるアクションが必要になります。
「集客を増やす」「成約率を高める」はそれぞれ具体的なアクションに繋がっていますよね。
なので、「1万人を顧客にする」よりも、「10万人を集客する」「成約率を20%にする」の方が、より具体的なKPIと言えます。
大きなKPIはより小さなKPIに分解できて、より小さなKPIを設定していれば、それを達成するための具体的なアクションが取れるようになり、達成可能性が高くなると覚えておいてください。

マーケターが押さえておくべきKPI設定とは
多くのマーケターが押さえておくべきKPI設定は、「見込み客の集客数」と「成約率」です。
継続課金モデルのビジネスをしている場合は、「解約率」も重要なKPIとなります。
売上を最大化するためには3つの方法があります。
売上を最大化する方法
- 顧客の数を最大化する
- 購入価格を上げる
- 購入回数を増やす
購入単価を上げるのと購入回数を増やすのは、商品の提供価値に依存する部分が大きいので、多くのマーケターが目指すのは、自分の力で影響を与えやすい「顧客の数を最大化」になります。
その顧客の数を最大化するために必要なのが「見込み客を増やす」ことと「成約率を高める」ことです。
なので、この2つがマーケターが押さえておくべきKPI設定だと言えます。
そして、これらをさらに具体的なKPIへと設定することで、達成可能性を高めていけるので、それぞれ解説します。
見込み客を増やすためのKPI設定
売り場へ連れてくる見込み客の数を増やす目標に対して、KPIを設定します。
KPIを設定するときは、目標が何によって達成できるのかを考えるとわかりやすいです。
見込み客はどうやって売り場へ来るのかを考えてみてください。
見込み客は何かしらの情報に触れて、興味を持ち、より詳しい情報を知るために売り場へきます。
つまり、顧客化プロセスにおける「認知→興味」のプロセスを経て、売り場へやってきます。
広告に接触して、広告に反応して、お店やランディングページへ訪れるので、広告への反応数がKPIになります。
広告への反応はweb広告の場合は「クリック数」で判断できます。
クリック数を分解すると「広告の表示回数(インプレッション)」と「広告のクリック率(CTR)」になります。
web集客における具体的なアクションは「広告を出すこと」「広告への反応を高めること」なので、目標のクリック数を達成するためのKPIとして「広告の表示回数(インプレッション)」と「広告のクリック率(CTR)」を設定することができます。
店舗集客の場合は、広告した量と実際の「来店者数」を数えることでざっくり判断できます。
成約率を高めるためのKPI設定
売り場に来た見込み客の成約率を高める目標に対して、KPIを設定します。
まず、売り場に来てから買うまでの流れを考えます。
見込み客は店頭で様子を伺って、商品を見て、情報を集めて、納得して、買います。
つまり顧客化プロセスにおける「(興味)→理解→検討→購入」のプロセスを経て、顧客になります。
なので、店頭で足を止める人、商品を見るだけの人、商品を手に取った人の数がKPIになります。
ランディングページの場合だと、ファーストビュー以下の部分を見てる人、商品の紹介部分を見てる人、申込フォームに入力した人の数がKPIになります。
ファーストビュー…ページを開いて最初に見える部分。そのページを見るか見ないかは最初の1-2秒で判断されるのでとても重要。
顧客化プロセスについては、こちらの記事で詳しく解説しているのでチェックしてみてください⬇︎
意味のあるKPI設定の方法とは|マーケティングをゴールへと導く指標 まとめ
KPIとは、目標を達成するために必要なアクションの目標です。
よくあるKPI設定の間違いは、目標自体をKPIとしてしまっている場合です。
KPI設定をする時は、アクションに紐づいた数値目標にしなければいけません。
そのアクションが目標達成できている時、最終的な目標が達成されるというものにします。
私たちマーケターが追い求めるKPIは、「見込み客の数」と「成約率」です。
見込み客を増やすためには、「広告の露出を増やす」か「広告への反応を高める」かになります。
web広告の場合は、「広告のインプレッション数を増やす」か「広告のクリック率を高める」かになります。
今、設定しているKPIが具体的なアクションに繋がっているか、是非チェックしてみてください。