マーケティングの仕事は、売れる仕組みを作ることです。
売れる仕組みを作るために必要なのは、設計・実行・改善です。
この記事では、マーケターに必要な3つの力「設計する力」「実行する力」「改善する力」についてご紹介します。
時間がある方は動画で解説もしているのでチェックしてみてください⬇︎
目次
マーケターに必要な「設計する力」
マーケターに必要な力の1つ目は「設計する力」です。
仕組みの設計図がなければ仕組みを作ることはできないので、設計する力がまず必要になります。
マーケティングで設計するのは、「誰に・何を・どのように」です。
誰に売るのか、何を売るのか、どのように売るのかが決まれば、売れる仕組みづくりに取り組めます。
具体的にはこの3つです。
- 課題を抱えた人
- 課題を解決する商品
- 商品が買える場所への導線
この3つを決めるスキルが「設計する力」です。
設計する力を身に付けるためには「マーケティングの理解」と「マーケティング施策の知識」が必要になります。
マーケティングとは何を目指す活動で、そのために何をしていくのかを知らなければ、設計図は作れないので、「マーケティングの理解」がそもそも必要になります。
マーケティングについてはこの記事で詳しくお話しているので、ぜひ読んでみてください。
マーケティングは買い手と売り手の間にある溝を、いろんな施策によって埋めていく作業です。
知っている施策が多ければ多いほど打ち手の選択肢が広がるので、「マーケティング施策の知識」が必要になります。
覚えておいてほしいポイント
自社の事業規模や事業段階に合った施策があります。
それを間違えれば、必要だけど今は優先すべきではないという施策に費用を使ってしまいます。
広告1つとっても適材適所はあるので、商材やターゲットに適した選び方をしてなければ、無駄な広告費を垂れ流すことになります。
マーケターに必要な「実行する力」
マーケターに必要な2つ目のスキル「実行する力」は、施策を前に進める力です。
マーケティングは仕組みづくりです。設計することがマーケターの仕事だと思われがちですが、実行できなければ絵に描いた餅です。
宝のありかを記した地図があっても、そこへ実際にいかなければ宝は手に入りません。
理想の家の設計図があっても、実際にそれを建築しなければ、本当に手に入れたい理想の家はどこにもありませんよね。
マーケティングコンサルタントと呼ばれる人たちが、よく役に立たないと感じられているのは、ただ絵を描いて終わりの人が多いからです。
必ず必要になる施策は、「リサーチ」「商品開発」「広告運用」「制作」です。
それぞれ説明していきます。
リサーチ
誰に売るのかを具体的にするために、ターゲットの情報を調べるのがリサーチです。
例えば
- ターゲットがどんな課題を抱えているのか
- なぜその課題を解決したいと願っているのか
- なぜまだ解決できていないのか
- どういう方法で解決したいと思っているのか
- どんな価値観を持っているのか
- どんな状態なのか
など。
具体的な方法は、ネットでの情報収集やアンケート調査、インタビューなどがあります。
商品開発
商品開発とは、ターゲットが求めている変化を提供できる商品を作ることです。
多くのビジネスの現場では、商品を実際に作る人とマーケターは別です。ただ、どんな商品にするかという企画はマーケターの仕事です。
製品やサービスを、顧客の求める「商品」にするのはマーケターの役割だからです。
例えば
- 解決のためにどんな機能や仕様が必要か
- より多くの人が買ってくれる価格をどうするのか
- ターゲットに刺さるデザインをどうするのか
- 商品の価値を一発で表すコンセプトをどうするのか
などを決めることが、具体的な行動になります。
広告運用
広告運用は、広告を使って集客することです。
今集客をするなら、web広告をしないという選択はありません。なぜなら私たち生活者の使っている時間の大半が、webに利用されているからです。
TVが広告の王様と言われていた理由は、多くの生活者がTVから情報を手に入れていたからです。
人の多いところで集客すれば、よりたくさんのお客さんを連れてこれます。
アイスを3人しかいない広場で売るより、300人いる広場で売った方がたくさん売れる可能性が高くなりますよね。
広告以外の集客施策がダメな理由
「広告以外の集客方法もあるよね?」と思う方もいると思います。
webを活用してできる集客施策で言えば、検索結果ページにサイトを掲載するためのSEOや、SNSアカウントを使った発信など、広告以外の集客方法があります。
もちろんこれらも効果的なので実施すべきですが、事業を成長させていく段階ではスピードとインパクトが重要なので、不向きな施策だと言えます。
SEOもSNSも、今日やって今日成果が出るような施策ではないですから。
広告はすぐに結果が得られるので、今月来月の顧客を集めたい立ち上げ期の段階の事業において、やるべき集客施策は広告一択となります。
具体的には、Google広告やFacebook広告などの媒体管理画面の操作、入稿作業、分析など、広告運用のPDCAサイクルを回す業務があります。
店舗ビジネスなどアプローチする相手がエリアで決まっているようなビジネスであれば、チラシや声かけなどオフラインのコミュニケーションの方が効果的な場合もあります。
制作
制作は、ターゲットに商品の情報を伝えるための伝達物を作ることです。
例えば
- 商品パッケージ
- 商品パンフ
- チラシ
- ポスター
- webサイト
- ランディングページ
- 広告クリエイティブ
- メールマガジン
など。
どんなデザインにするか、どんなメッセージにするか、どんな表現にするかなどを決めて作るスキルです。
一般的にはデザイナーの仕事ですが、簡単なポスターやチラシ、webページや広告クリエイティブなどであれば、専門的な知識がなくてもパワポ感覚で作れるツールがあるので、マーケター自身で制作を行うこともできます。
マーケターに必要な「改善する力」
マーケターに必要な力の3つ目は「改善する力」です。
完璧な設計図、完璧な実行ができたとしても、描いた通りの結果にはなりません。
設計はあくまで仮説を元にしたものだし、自社としての計画通りの完璧な実行も、他社のアプローチによって顧客の反応は変わるからです。
そこで必要になるのが「改善」です。
改善とは、うまくいっていない原因を特定してテコ入れすることです。
悪いところを良くし、良いところを伸ばすことで、どんどんと理想へと近づけます。
そのために何が想定と違ったのか、より良く行うためには何が足りていないのかを、まず知る必要があります。
その結果の確認と評価を「検証」と言います。
検証のポイント
あるべき状態ーやった結果=課題です。
結果だけをこねくり回していることがあるのですが、まず理想的な状態をきちんと持てていることが大切です。
結果だけをいろいろ見ても、そこで見えたものが本当に事業の改善にインパクトを与えるものかどうかがわからないからです。
前月と比較して良くなった悪くなったはわかりますが、それがあるべき状態に対してどう影響する結果なのかがわからなければ、意味のある改善はできません。
なので、マーケティングの検証に必要なのは、「あるべき状態」と「やった結果」です。
改善できない企業の特徴
改善できない企業は、検証のための「やった結果」の把握が不十分なことが挙げられます。
広告したけど、どれだけの人に見られて、どれだけの人の反応を得られて、どれだけの人が購入したのかがわからないようなやり方をしている企業はたくさんいます。
それでは、結果の確認ができないので評価ができません。評価ができないので、改善なんてできません。
改善のポイント
改善のポイントは、スピード×インパクトです。
事業規模が小さい内は、これにコストも掛け合わされてきます。
どれだけインパクトのある改善でも、実行に時間がかかったり、莫大なコストがかかったりするようなものは選べません。
例えば
- 集客のためにメディアサイトを1から構築する
- 有名人をイメージモデルに起用する
- SNSアカウントを10万フォロワーまで育てる
など。
検証すれば、いくつかの課題が浮き彫りにされます。
課題それぞれに対策があります。全て同時にできれば良いですが、多くの場合は限られたリソースを割くことになるので、実際には優先順位をつけて対応していくことになります。
課題から対策を導きだし、導き出された対策の優先順位を決めて、テコ入れに取り組めるのが改善する力です。
インパクトのある改善
テコ入れは購入導線のお尻の方にある施策からやってください。
webで販売しているなら広告ではなく、申し込みフォームをテコ入れするということです。
リアルなお店で販売しているなら、駅前に貼ってあるポスターではなく、店頭の看板や店内の商品棚などにテコ入れするということです。
なぜなら購入の手前まで来てくれている買い手の、買わない理由を無くすことで顧客が増やせるからです。
もし購入から遠い施策(広告)の改善ができたとしても、それ以降のランディングページや申し込みフォームで離脱される可能性もあります。
店舗の場合は、せっかく店内に入ってくれても、何も買わずに出て行ってしまうこともあります。
なので、購入手前まで来てくれた人を取り逃さないようにするためのテコ入れが、インパクトの大きなテコ入れになります。
マーケターに必要な3つの力 まとめ
マーケターに必要な3つの力は、「設計する力」「実行する力」「改善する力」です。
具体的な設計図がなければ、仕組みは作れません。
完璧な実行があっても、多くの場合、想定どおりには行きません。
なので、改善が必要になります。
準備としての設計があり、出発点となる実行があり、ゴールへと近づいていくために改善があると覚えておいてください。