マーケティングコンサルティングを求めている企業は増えてきています。
特に、「webを活用したマーケティングへの対応が追いついていない…」「やっているけど成果が出ない…」という課題を抱えている企業は多いです。
そこで、マーケティングの専門家である「マーケティングコンサルタント」に注目が集まっています。
フリーランスや副業人材の活用が広がってきていることもあり、プロを紹介するサービスも増えてきています。
今後より注目の集まるマーケティングコンサルタントが、企業のマーケティング課題の解決のためにどんな手順を踏んでいるのかについてお伝えします。
マーケティングコンサルタントに助けてもらいたい方も、マーケティングコンサルタントとして仕事をしていきたい方にも役に立つ情報なので、是非じっくりと読んでください。
目次
マーケティングコンサルティングとは
マーケティングコンサルティングには大きく2つの種類があります。
1つは、「戦略系マーケティングコンサルティング」。
もう1つは「業務支援系マーケティングコンサルティング」です。
一般的なコンサルティングのイメージでは、専門性のある人による課題の発見と解決策の提案だと思います。
ですが、解決策の実行までを請け負うパターンも実際には存在します。
今回は、一般的なコンサルティングのイメージ「戦略系マーケティングコンサルティング」の仕事についてご紹介します。
マーケティングコンサルタントの仕事は、課題を発見して、解決策を示すことです。
その手順がこちらです。
戦略系マーケティングコンサルタントの業務内容
- 顧客のリサーチ
- 商品のリサーチ
- 集客導線の設計
- コンテンツの設計
- キャンペーンの設計
- プロモーションの設計
- 実行結果の検証
- 改善の提案
この手順に沿って、あるべき状態を作り、うまくいっていない理由を探します。
本来やるべきことと今やっていることの間のギャップが、企業の解決すべき課題となります。
それぞれ解説していきます。
2つのマーケティングコンサルティングについては、こちらの記事で詳しく解説しているのでチェックしてみてください⬇︎
マーケティングコンサルタントの仕事① 顧客のリサーチ
マーケティングで大事なのは「誰が顧客なのか?」ということです。
なのでマーケティングコンサルタントはまず、誰に売るのかを決めます。
商品を買ってもらうべき相手が、どんな人なのかを知るところから始めるために、顧客リサーチをやります。
顧客リサーチの種類
- 顧客インタビュー
- アンケート調査
- 口コミ調査
- 自己調査
など。
買い手を知るための情報には色々ありますが、最も大事なのは「課題」です。
課題とは、本人が目指している理想的な状態と、今の自分とのギャップに存在する問題です。
解決することで理想的な状態になれることだと思ってください。
なので、ターゲットがどんな課題を抱えていて、どんな方法で解決したいと思っていて、なぜ今解決できていないのかなどを調べます。
そして、商品を売るべき相手、究極を言えば1人の人を決めます。
リサーチの詳しい方法については、こちらの記事で詳しく解説しているのでチェックしてみてください⬇︎
マーケティングコンサルタントの仕事② 商品のリサーチ
次に、商品の「何を顧客に買ってもらっているのか」を調べます。
顧客は商品そのものではなく、商品を使うことで手に入るベネフィットを買っています。
ベネフィット…メリット、利便性。商品を使うことで手に入るプラスの結果。
商品は価値を届けるための入れ物だと思ってください。
商品を売っていては買ってくれません。
顧客が求めている価値を売る必要があります。
なので、商品が持つベネフィット、つまり顧客に提供できる価値があるのかを調べます。
ベネフィットは、商品の持つ特徴から生まれます。
なので、どんな特徴があるのかを調べて、その特徴がどんなプラスの結果に繋がるのかを整理します。
また、顧客の求める変化を与えるために必要な特徴がなければ、それを商品の課題として設定します。
ベネフィットについては、こちらの記事で詳しく解説しているのでチェックしてみてください⬇︎
マーケティングコンサルタントの仕事③ 集客導線の設計
ここまでが「誰に」「何を」を知るためのアクションでした。
次は、売る相手に、提供できる価値を、「どのように届ければ良いか」を知る段階になります。
顧客になってもらうまでの流れを「集客導線」と呼びます。
マーケティング道場では、この見込み客が顧客になるまでの流れを「顧客化プロセス」と呼んでいます。
プロセス…過程、工程。
商品を買うまでには5つのプロセスがあります。
顧客化プロセス
- 認知
- 興味
- 理解
- 検討
- 購入
何も知らない状態で商品を買う人はいません。
興味を持っただけで買う人もいません。
なので、1つずつプロセスを進んでもらって、最終的に購入にたどり着いてもらう必要があります。
そのための道筋を計画します。
顧客化プロセスで決めること
- どこで知ってもらうか
- どんな表現で興味を持ってもらうか
- どんな情報で納得してもらうか
- どんな取引条件で買おうと思ってもらうか
- どこでどのように買ってもらうか
導線はいくらでも作れます。やった方が良いことは無限にあります。
ですが、それを全てできる企業はほぼいません。
どの企業も限られたリソースを最大活用するための方法を探しています。
なので、マーケティングコンサルタントは、企業のリソースや事業規模に応じた適切な導線を設計します。
顧客化プロセスについては、こちらの記事で詳しく解説しているのでチェックしてみてください⬇︎
マーケティングコンサルタントの仕事④ コンテンツの設計
コンテンツとは「役に立つ情報の中身」のことです。
見込み客は売り手から届けられる情報によって、その商品のことを理解して、自分にとって必要な商品かどうかを決めます。
なので、どんな情報を届けることで、見込み客に興味を持ってもらって、理解納得をしてもらうのかをマーケティングコンサルタントは考えます。
見込み客の買いたい気持ちの大きさによって、届けるコンテンツが変わります。
欲しいと思ってない人に「今なら安いよ!」とキャンペーン情報を届けても無視されますよね。
なので、見込み客の状態に合わせたコンテンツづくりが必要になります。
見込み客の5つの状態
- 何も知らない
- 問題は知っている
- 解決策を知っている
- 解決のための商品を知っている
- 商品も売り手も知っている
段階が進むにつれて、買いたい気持ちは高まります。
届ける相手と届ける情報が合っていなければ、反応は得られません。
なので、どの状態の見込み客に、どんなコンテンツを届けるのかを設計することが大事になります。
適切なコンテンツがない場合は、それを作ることが企業課題に加えられます。
コンテンツについては、こちらの記事で詳しく解説しているのでチェックしてみてください⬇︎
マーケティングコンサルタントの仕事⑤ キャンペーンの設計
見込み客が「これは自分の課題を解決する商品だ」と思っても、その人にとって購入の負担が大きいと感じたら、買ってはくれません。
顧客が商品を買うのは、「手に入る価値>支払うコスト」になった時です。
なので、お買い得にしたり、買いやすい状況を作ったりする必要があります。
そこで、マーケティングコンサルタントは、「手に入る価値>支払うコスト」になるような取引の条件を考えます。
例えば
- どれくらい割り引けば良いか
- どんな特典を付ければ良いか
- どんな保証があれば良いか
など。
見込み客が比較検討する他社商品がどんな売り方をしているのかを調べて、よりお買い得だと感じてもらえる販売条件を考えます。
この販売条件のことを「オファー」と呼びます。
オファーについては、こちらの記事で詳しく解説しているのでチェックしてみてください⬇︎
マーケティングコンサルタントの仕事⑥ プロモーションの設計
見込み客を顧客化するための導線が設計できたら、その導線に見込み客を呼び込むためのプロモーションの設計をします。
これは主に、集客施策を考える段階です。
例えば
- どの媒体に出稿するのか
- どんなターゲットに広告を出すのか
- どんなクリエイティブで広告するのか
- SNSをどう活用するのか
- 検索結果からの流入を活用するのか
など。
店舗集客なら店頭での声かけや周辺へのビラまきなどが効果的な施策になりますし、webサービスであればweb広告の出稿が効果的な施策になります。
集客施策は星の数ほどあります。
その中で、どの施策をどれくらいやれば良いのかを決めるのが、マーケティングコンサルタントの腕の見せ所です。
集客施策は、目標から逆算して選びます。
施策を選ぶための検討項目
目標の利益を達成するために、以下について検討します。
- 何人の顧客を集めなければいけないのか
- 1人あたりいくらで集客できてないければいけないのか
これらを満たせる施策を、企業のリソースや事業規模に応じて選びます。
施策選びのために必要な目標数字の作り方については、こちらの記事で詳しく解説しているのでチェックしてみてください⬇︎
マーケティングコンサルタントの仕事⑦ 実行結果の検証
計画ができたら実行あるのみです。
戦略系マーケティングコンサルタントは実行を担わないので、次にやることは実行した結果を検証することです。
検証するポイントは2つあります。
- 想定通りの結果になったのかなっていないのか
- 想定通りに実行されたかのかどうか
100人集客したら3人が買ってくれる想定で実施したものの、結果1人しか買ってくれなかったとすると、計画のどこかに見当違いの部分があったということになります。
例えば
- 広告の出し方が悪かったのか
- コンテンツが弱かったのか
- 売り場の作り方が悪かったのか
- キャンペーンの内容が弱かったのか
など。
webマーケティングの場合は、ほぼ数値化できるので、どこの数字が想定を満たしてなかったのかを調べることができます。
想定と実績との差がある箇所に課題があります。
そのポイントをデータを眺めて探すのが検証段階の業務です。
検証で見逃されがちなのが、想定通りに実行されたのかどうかということです。
戦略系マーケティングコンサルタントの場合、実行は企業内部のメンバーもしくはパートナーになります。
なので、計画通りに実行できていなかったことで、想定通りの結果を出せていなかったということも考えられます。
アクションレベルに計画を作り、その計画通りに実行できていたのかのチェックも重要になります。
計画の作り方については、こちらの記事で詳しく解説しているのでチェックしてみてください⬇︎
マーケティングコンサルタントの仕事⑧ 改善の提案
最後に最も重要な仕事が「改善の提案」です。
ここに対して企業はお金を払っていると言っても過言ではありません。
ここまでの①〜⑦の仕事は、この8つ目の仕事のための準備に過ぎません。
課題を発見した時点で、ほぼほぼ解決できているとは言え、正しいテコ入れができなければ、期待通りの結果を導くことはできません。
改善の提案については、マーケティングコンサルタントの経験がものを言うように思われがちです。
もちろんそういう側面もありますが、マーケティングにおける課題の多くは、やるべきことができていないことによって生まれています。
例えば
- 顧客の課題を具体的にできていない
- 顧客の価値観を具体的にできていない
- 顧客の状態を具体的にできていない
- 商品のベネフィットを具体的にできていない
- 商品の特徴を具体的にできていない
- 商品の実績や評価を作れていない
- 買い求めやすい条件を提案できていない
- 買いやすい売り場を作れていない
- 十分に集客できていない
- 計画を具体的にできていない
- 計画通りに実行できていない
- 実績の振り返りができていない
など。
当たり前のことを当たり前にやるだけで、成果は出せます。
課題がわかれば、解決策は自ずと導かれます。
全体像を常に見るようにすれば、今何をすべきかはわかるようになります。
マーケターの仕事について、こちらの記事で詳しく解説しているのでチェックしてみてください⬇︎
マーケティングコンサルタントの仕事8つのSTEP まとめ
マーケティングコンサルタントの仕事は、課題を発見して解決策を示すことです。
そのための8つのSTEPがあります。
戦略系マーケティングコンサルタントの業務内容
- 顧客のリサーチ
- 商品のリサーチ
- 集客導線の設計
- コンテンツの設計
- キャンペーンの設計
- プロモーションの設計
- 実行結果の検証
- 改善の提案
誰に、何を、どのように売るのかを設計します。
そして、「どのように」の中身となるコンテンツ・キャンペーン・プロモーションを設計して、見込み客を顧客化するための導線を作ります。
計画通りに実行した結果、想定と実績との間にあるギャップを見つけて、それを解決する方法を提案するのが、マーケティングコンサルタントが行う一連の流れです。
特別なことをしているわけではないですよね。
マーケティングの基礎に忠実に、地味で地道な活動を愚直にやり続けているだけです。
これができるだけで、マーケティングは成功へと近づき、事業は成長し続けていきます。
なので、マーケティングコンサルタントが客観的な立場で、企業の向かうべきマーケティングの形を示すことで、うまく行っていない状況を変えるきっかけづくりをします。
今回紹介した8つのSTEPを、企業が自分たちでできれば、マーケティングコンサルタントを雇う必要はありません。
もちろん客観的なアドバイスをもらうメリットもありますが、まずは自分たちでやってみて、うまくいかなかったところについてアドバイスをもらうようにすると、より意味のあるコンサルティングを受けることができると思います。
具体的なやり方は、この記事や他の記事を読んでいただければ分かると思うので、マーケティング道場の学びを実践する形で、まずは自分たちでやってみることをオススメします!