マーケティングコンサルタントと聞くとどんな人を想像しますか?
調査をしてくれる人や集客をしてくれる人を想像する人が多いと思いますが、これらは偏った考え方です。
今回は謎に包まれたマーケティングコンサルタントの仕事についてお伝えします。
マーケテイングコンサルタントを雇おうか迷っているなら、まずこの記事を読んでいただき、どういう仕事なのか、何をしてくれるのか、どんな人を選べば良いのかの参考にしてください。
自身の知識と経験を使って、マーケティングコンサルタントで食ベていきたいと思っている方にも役に立つお話なので、是非最後まで読んでみてください。
目次
そもそもコンサルタントとは
コンサルタントとは、ある事柄について助言・指導を行う専門家、相談役のことです。
専門性がなく困っている人に対して、専門性を元にしたアドバイスする人ということです。
専門性を持っている分野に応じて、いろんなコンサルタントがいます。
例えば
- 経営コンサルタント
- 会計コンサルタント
- ITコンサルタント
など。
1つの分野はより小さな分野に分解できます。
経営コンサルタントは、会社経営の専門家ということですが、経営にはいろんな要素が含まれます。
事業運営もあれば、組織運営もあり、会計や採用などもあります。
課題が特定されていれば、その課題に特化したコンサルタントを雇う方が、より的確なアドバイスがもらえます。
なので、業務内容の数だけコンサルタントが世の中にはいます。
例えば
- 採用コンサルタント
- 社員教育コンサルタント
- 費用削減コンサルタント
など。
最近だとDXコンサルタントみたいな人も増えてますね。
専門性があり、それを人に教えられるのであれば、誰もがどんな分野でもコンサルタントになれます。
なので、有象無象も多く、適切な相手を選ばなければ、自社の課題を解決するための手助けにならない金食い虫を雇ってしまうことになるので気をつけてください。
間違ったマーケティングコンサルタント選び
マーケティングコンサルタントは、マーケティングにおける専門性を持ったコンサルタントです。
マーケティングは「売れる仕組みづくり」です。
売れる仕組みを作ることに関して専門性を持っているアドバイザーが、マーケティングコンサルタントということになります。
マーケティングの施策として、調査や商品開発、集客や顧客関係づくり、PRやSNS活用などいろいろあります。
それぞれの施策の専門家がいるので、マーケティングコンサルタントと言いつつも、調査に専門性を持った人、集客に専門性を持った人、PRに専門性を持った人などいろいろいます。
集客1つとってもさらに分解されます。
例えば
- 広告の運用
- サイトの制作
- 検索広告の運用
- Facebook広告の運用
- SNSアカウントの運用
- SEO対策
など。
施策の数だけ専門性があり、その数だけコンサルタントがいます。
企業の求めるマーケティングコンサルタントは、売れる仕組みを作って、それを実行して改善して、集客を拡大してくれる人です。
ですが、マーケティングコンサルタントを名乗りつつ、広告運用しかしてくれない人というのもいます。

自社の課題が広告運用を改善することであれば、広告運用に専門性のあるコンサルタントを雇うのは正解です。
でも、マーケティング全体の設計や実行や改善をするためのアドバイスが欲しいなら、間違った相手となります。
マーケティングコンサルタントが果たす役割とは
マーケティングは「売れる仕組みづくり」なので、それを実現するための専門性を持っている人でなければいけません。
売れる仕組みとは、見込み客が自動的に顧客になってくれる流れです。
マーケティングに必要な3つのアクション
- 解決したい課題を持った見込み客を決める
- 解決のための手段としての商品を用意する
- 購入できる場所への導線を作る
これらはズバリ、マーケターの仕事ですね。
マーケターのいない企業に対して、マーケティングのためにやるべきこの3つのアクションについてのアドバイスをするのが、マーケティングコンサルタントに求められることです。
見込み客を知るためのリサーチだったり、売れやすい商品にするための企画だったり、購入導線を作るためのプロモーションだったり、やることは幅広いです。
クライアント企業のどこに課題があり、どう解決すべきかをアドバイスすることになります。
具体的には
- 見込み客の設定を見直したり
- 商品のコンセプトを見直したり
- 施策を見直したり
- パートナーを見直したり
- 社内の業務フローを見直したり
など。
設計から実行まで、いろんな点の課題を解決するための知識が必要になります。
マーケティングコンサルタントの3つのタイプと業務内容&費用
コンサルタントは助言役、相談役という意味ですが、企業の求めることが実行までを含むことが多いので、実際には実行支援まで含めたコンサルタントというのも増えています。
マーケティングコンサルタントの3つのタイプ
- CMO型
- マネージャー型
- ディレクター型
対応できる範囲の広さと、実務面の有無で大きくタイプ分けできます。
それぞれ解説していきます。
1.CMO型マーケティングコンサルタント
CMOとは、Cheef Marketing Officerの略で、その組織におけるマーケティングの最高責任者のことです。
会社の経営状況に合わせて、マーケティングの方針や予算を決めたり、各部署との連携を図る旗振り役となる役割です。
マーケティングについてちんぷんかんぷんという経営者からしたら、喉から手が出るほど欲しい人材です。
ただ、役員クラスの待遇になるので、報酬面で条件が合わず雇えている企業は多くありません。
最近はCMO的な役割をしてくれるマーケティングコンサルタントを、比較的安い報酬で業務委託として紹介するサービスなども出てきているので、CMO型のコンサルタントを雇う企業も増えてきています。
安いと言っても、月に何回かのmtgで月150万~200万円以上の値付けがされているようなので、本当にその価値があるのかどうかは疑わしいところです。
事業も十分に成長していて、必要なリソースもある程度確保できているような安定企業が、より大きな舵切りをするために雇うイメージだと思います。
2.マネージャー型マーケティングコンサルタント
マネージャー型は、経営層が立てた目標に対してどういうマーケティング施策で達成させていくかを設計して、その実現に向けてメンバーを動かしていく旗振り役となる役割です。
主に集客領域の各施策の責任者を束ねて、各施策で起こっている状況を把握し、課題を特定し、改善のための策を検討して、指揮することが仕事です。
その中でも重要な役割は、メンバーのマネジメントです。
実際に業務に当たるのは各担当者なので、その人たちがモチベーション高く仕事できるような環境を整えたり、業務の生産性を高めるための仕組みづくりをしたりします。
チームとしてより大きな成果を出すためのアドバイスや業務フォローをするのが、マネージャー型のマーケティングコンサルタントです。
実務にあたるメンバーはいるけど、業務を仕組み化したり、より良いマーケティングプランにするための全体設計ができる人がいない企業は多いです。
中小企業ではこのポジションの人材を社内で抱えられていないことが多いので、最も需要が高いタイプのマーケティングコンサルタントと言えます。
マーケティングの知見があり組織づくりもできるような人材だと、報酬は月100万円以上は必要になります。
3.ディレクター型マーケティングコンサルタント
最も数が多いマーケティングコンサルタントのタイプがディレクター型です。
実行実務の旗振り役です。広告や制作などの施策を前に進める役割を担います。
中小企業の多くが今取り組んでいるマーケティング施策をうまくいくようにしたいと思っています。
その手助けをしてくれる相手として、このディレクター型マーケティングコンサルタントを求めています。
例えば
広告運用のディレクター型コンサルタントであれば、広告のプランニング・運用状況の確認・課題の設定・改善策の実施・広告運用メンバーやパートナーの管理などをすることになります。
なのでアドバイスだけではなく、分析や資料作成など実務の進行をサポートすることも必要になるため、CMO型やマネージャー型マーケティングコンサルタントと比べて、実務スキルも要求されます。
その分野においては自らがプレイヤーとして知識も経験も持っているような人が適任です。
目の前の広告や制作、SNSの運用など特定の集客施策の改善に取り組みたい企業は、ディレクター型のマーケティングコンサルタントを雇うのがおすすめです。
報酬は30万~50万円程度で雇うことができるので、事業が成長する過程で足りていないリソースを確保するために、実行フォローまでしてもらえるコンサルタントをうまく活用していくと良いです。
マーケティングコンサルタント選びに失敗しないためのポイント
マーケティングコンサルタントのタイプを知らずに、間違った選び方をしてしまうと、「高い金払ったのに何もしてくれない」「マーケティングコンサルタントなのに、広告のことしかわからない」「色々アドバイスはもらえるけどうまく行ってない」ということになってしまいます。

本来は、専門性を元に助言してくれるのがコンサルタントなので、口から発せられる知識に価値があるのですが、それを企業側が実行できないために、結果的に価値のないものになってしまっているのが実際のところだと思います。
自社に実行リソースがないのに、アドバイスだけもらっても実現されないので、何の意味もないということになってしまいます。
全体の設計が必要なのに、実行実務に長けたコンサルタントが実務面ばかり改善をしてくれても、全体最適にはなりません。
これらのミスマッチをなくすために、自社のマーケティングにおいて、どの役割が足りていないのかをまず見極めてください。
例えば
商品開発も含めた事業全体の設計が必要なら、CMO型のマーケティングコンサルタントが適任です。
マーケティング施策の全体最適や組織構築なら、マネージャー型のマーケティングコンサルタントが適任です。
特定の施策の最適化をしたいなら、ディレクション型のマーケティングコンサルタントが適任です。
企業のステージ別でお話しすると
「もっとマーケティングを実践して事業を拡大していきたい」と思っている成長期の企業の場合は、マネージャー型のマーケティングコンサルタントが最適な人材になります。
「まずは事業を成長させるための集客面を強化する必要がある」と思っている立ち上げ期の企業の場合は、ディレクター型のマーケティングコンサルタントが最適な人材になります。
「何をしたいかわからない!」という企業は、まずCMO型もしくはマネージャー型のマーケティングコンサルタントにスポットで相談を受けてもらい、大まかな課題点を指摘してもらってください。
その後、その課題解決に最適なマーケティングコンサルタントを探せば、間違う可能性は低くなります。

事業ステージ別のマーケティングについては、こちらの記事で詳しく解説しているのでチェックしてみてください⬇︎
マーケティングコンサルタントの仕事内容とは?雇う前に知っておくこと まとめ
マーケティングコンサルタントとは、売れる仕組みを作るための専門性を持っていて、そのアドバイスができる人です。
大きく3つのタイプがあり、対応範囲によって役割が違います。
マーケティングコンサルタントの3つのタイプ
- CMO型
- マネージャー型
- ディレクター型
CMO型のマーケティングコンサルタントは、経営層と同じ目線で会社の事業全体を見て、その中でどうマーケティングしていくべきかを考えて、実行に向けた調整を行う役割です。
マネージャー型のマーケティングコンサルタントは、経営層が決めた目標に対して、どうリソースを配分していくことで達成できるかと考えて、具体的な計画に落とし込み、現場のメンバーのパフォーマンスをアップさせることで、目標を達成へと近づけていく監督役です。
ディレクター型のマーケティングコンサルタントは、特定の施策の専門性を発揮して、その施策目標を達成へと導く進行役です。
それぞれできることできないこと、責任の範囲が違うので、自社の状況に合わせた選び方をすることが大切です。
どこに課題があるのかをはっきりさせて、その課題に対しての専門性を持っている人を選ばなければ、手に入れたい結果に導いてもらうことはできません。
間違った専門家を雇ってしまうことほど無駄なことはないので注意してください。
自社の課題にあった正しい専門家を選ぶことができれば、無駄をなくし、より収益に繋がりやすい施策に投資することができ、事業が成長していきます。