私たちマーケターは、あなたの商品を必要だと思っていない人に対して、「欲しい!」と感じて「必要だ!」と思ってもらうことが仕事です。
欲しいと感じたり、必要だと思ってもらうために、そう感じるきっかけを与えることで、見込み客の意識と行動を変化させることができます。
そのきっかけを「動機」と言います。
動機…人が行動する理由となるもののこと
こちらから見込み客が行動する動機を作ることで、集客力はアップします。
今回は、集客力をアップさせるために知っておいていただきたい「3つの動機づけ」についてお伝えします。
目次
人が行動したくなる3つの動機
人が自分で「やりたい」「やらなきゃ」という気持ちになるきっかけには、「理由」「同情」「選択」の3つがあります。
これを証明した実験をご紹介します。
「理由」「同情」「選択」の3つが人の動機に繋がることを証明した実験
被験者にコンピューターの画面に小さな光の点が現れるのを、ただじっと見つめて待ってもらうという、退屈な課題に取り組んでもらいました。
Aチーム
「集中力を高めるための実験です。航空管制官の訓練とほぼ同じものです」と理由を説明した。
Bチーム
「こんなことやりたくないですよね。」と同情した。
Cチーム
「やっても、やらなくても結構です。もしよかったら。」と選択を示した。
Dチーム
ただ課題をやらせた。
結果
A・B・Cチームいずれも、Dチームよりも自発的に課題に取り組んだ。
ただやらせるのではなく、相手に寄り添ったアクションを取ることで、相手の行動のきっかけを作れたことがわかります。
3つの動機をマーケティングに活かす具体的な方法
では、これをマーケティングで活かすにはどんな方法があるのかについてお話しします。
人が行動したくなる3つの動機① 理由
多くの広告や、企業が発信する情報はスルーされます。
でもそれらを見る理由をきちんと与えることで、見込み客からの反応を得やすくなります。
例えば
- なぜ今買うとお得なのかを示す(期間限定・数量限定・初めての方限定)
- なぜその商品が役に立つのかを示す(機能・仕様・実績・評価)
- なぜその商品を販売しているのかを示す(開発ストーリー・技術・使命感)
など。
インフルエンサーの起用なども、そのPRコンテンツを見る理由になりますよね。
企業からの情報でもインフルエンサーに発信してもらうことで、見込み客の好きな人、情報源としている人が発信している有益な情報へと変わります。
企業が発信する情報(=見る必要のない情報)に見る理由・知る理由を加えることで、相手にとって見るべき情報・知るべき情報へと変えることができます。
すると、「欲しい!」と感じたり、「必要だ!」と思ってもらうきっかけを作ることに繋がります。
人が行動したくなる3つの動機② 同情
人は自分に関心があります。常に人のことだけ考えている人はほぼいません。
周りのことを考えていても、それは自分に影響を及ぼすから考えているにすぎません。
なので、「商品が欲しい!必要だ!」と思っていない人に、企業の情報を届けるのは難しいのです。
でも自分の気持ちを理解して、認めてくれる相手の話には耳を傾けようとします。
「同情」は広告のクリエイティブやランディングページの導入部分で活用できる動機づけです。
例えば
- 相手の悩みを示す(こんな悩みはありませんか?●●、●●、●●…)
- 相手の課題を示す(●●さえ解決できれば…と思いますよね)
- 相手の求める理想的な解決について示す(簡単に、すぐに、お金のかからない●●ってなかなか見つからないですよね)
など。
同情を示すことで、「そうなんだよ!」「よくわかっているな。」「どうすれば良いか知ってるのかな?」と、あなたの情報に興味を持ってくれます。
この時、意識の変化と行動の変化が生まれます。
人が行動したくなる3つの動機③ 選択
人は、誰かが決めたことをやりたくないと思う傾向があります。
仕事などは上司の言う通りに動くことで無難に事を済ませたいと思っている人もいると思いますが、そういう人でも自分の生活に関してはそうではありません。
1日の行動を、誰かの決めた通りに行動したい人なんていませんよね。
自分の時間は、好きなことを好きなようにしたいと思っているはずです。
なので、課題を解決する商品を手に入れたいと思っていても、売り手から「これがいいよ!ぜひ買ってね!」と言われると、距離を取りたくなります。
そこで使えるのが「選択」です。
選択を示すことで、自分で決めたことが行動に繋がります。
例えば
- 価格の松竹梅を作る(安い・高い・その中間)
- 機能の松竹梅を作る(簡易的・高機能・その中間)
- 仕様のパターンを作る(カラー・デザイン)
など。
1つのものだけを売られると、「買う」か「買わない」かの選択になります。
すると、多くの人が「買わない」を選びたくなります。
複数の選択肢をこちらから用意することで、買うか買わないかの2択ではなく、この中でどれを買うかの選択にスイッチすることができます。
営業マンのテクニックでも「選択」は使われています。
3つのプランを示して「この中で選ぶとしたらどれですか?」という問いかけをすると、見込み客は「買わない」という選択ではなく、「A」「B」「C」の中でどれが1番良いかを選択しようとします。
これは「質問をされたらそれに答えようとする人間の習性」がはたらいている状況です。
そして、一度選択すると、自分の決断を維持したいという感情がはたらくので、買いたい気持ちが生まれることに繋がります。
価格の選択を活用した集客アップの方法については、こちらの記事で詳しく解説しているのでチェックしてみてください⬇︎
集客力がアップする!人が行動したくなる3つの動機づけ まとめ
マーケターの仕事は、必要だと思っている人に商品を届けるだけではありません。
必要だと思っていない人に必要だと思ってもらったり、その手前の「欲しい!」という感情を作り出すのが大事な仕事です。
そのために使える3つの動機づけについてご紹介しました。
「理由」「同情」「選択」、この3つはどれも相手に寄り添ったアクションです。
相手が気になる理由を示したり、相手の関心を引き出す同情をしたり、自分で行動を決める選択を示したり、これらのきっかけ作りによって、見込み客の自発的な行動を促すことができます。
マーケティングは売り込みではありません。
見込み客が自分の意思と行動で、商品へと近づいてきてくれる道を作る活動です。
そのためのきっかけづくりに行動心理は活用できる知識なので、ぜひ覚えて活用してみてください。
行動心理については、こちらの記事で詳しく解説しているのでチェックしてみてください⬇︎