「マーケティングは人間理解だ」と言われたりします。
優れたマーケターは、人のことをよく知っています。
人がなぜ買うのか、なぜ買わないのかを知らないと商品は売れないからです。
今回は、人の感情をコントロールしている「自制心」の力を、マーケティングに活用する方法についてお伝えします。
目次
自制心とは
自制心は目の前の状況に合わせて態度を適応させる能力のことです。
自制心がある人は、感情的に行動しないので、誤った判断をしない傾向があります。
自制心のない人は、自分を抑えずに行動するので、誤った判断をする傾向があります。
つまり、自制心とは感情をコントロールする力と言えます。
自制心があれば、自分の理想に近づけるようになります。
例えば
ダイエットしたいなら摂取カロリーを抑えて、消費カロリーを増やせば痩せられます。
自制心のない人は感情をコントロールできず、食べてしまったり、運動をサボったりして失敗してしまいます。
ダイエットをしたい多くの人が、自分の感情をコントロールできずに太ったままです。
痩せたとしてもまた太ってしまいます。
なぜ、人はこんなにも感情に流されてしまうのか?
感情を優先する脳の性質
それには脳の性質が関係しています。
人間の脳は「楽をしたい」といつも思っています。
楽な状態というのは、自分ができることやりたいことをやっている状態です。
つまり、感情のままに行動している状態が「楽な状態」だと言えます。
自制心がはたらいていないと「楽な状態になりたい」という気持ちが強くなり、行動も楽な方を選んでしまいます。
自制心がはたらいていない時、人は感情的に行動することをを証明した実験があるので紹介します。
人が感情をコントロールできなくなる時
2チームに分かれて、かなり冷たい水の中に手をできるだけ長く入れてもらう実験をしました。
Aチーム
何もせず、手を入れてもらう。
Bチーム
好みのシャツ、大学の講義などいくつかの選択をしてもらってから、手を入れてもらう。
結果
Bチームの方が早く手を水から出した。
水に手を入れる代わりに、数学の問題を解いてもらったら、Bチームの方がミスが多く、諦めも早かった。
つまり、事前に考えごとをすると、感情に従って行動する傾向があるとわかります。
私たちは1日のうちに35,000回も判断をしているそうです。
「どの服にしよう」「何を食べよう」「何て返信しよう」など、意識できているもの以外にもたくさんの判断をしています。
なので、1日の終わりになればなるほど、判断疲れがでて自制心の力が弱まっています。
朝は自制心の力があるので合理的な判断をしやすく、夜は自制心の力が失われているので、感情的な判断をしやすいと言えます。
感情的な判断とは、楽な判断と言い換えられます。
例えば
- よく考えずに無難な判断をしたり
- 適当に判断をしたり
- 判断自体をしないと判断したり
プレゼンは朝早い時間が良いと言われています。
相手がきちんと提案を判断できるからです。
遅い時間になると判断疲れで、きちんと内容を見てくれなくなります。
遅い時間の裁判は無難な判決が多くなるという話もあります。
それくらい私たちは、脳の判断疲れに自分たちの行動を左右されています。

自制心の力を利用してマーケターが取れるアプローチ
人が買う理由とマーケターの役割
人は感情で買うと決めて、理屈でそれを正当化します。
「欲しい!」と感じた時、すでに買うことを決めているということです。
でも、欲しいと思ったものを次々に買うことが良い行動ではないと思っていたり、買うためにお金を失うことを避けたいと思っているので、その商品を買う正当な理由を探そうとします。
「この買い物は無駄な買い物ではないんだ。なぜなら、こんな理由があるから〜。だからこれを買うべきなんだ。」と、自分で自分を説得させる情報を集めて、最終的に賢い選択だと納得して商品を買います。
売り手が発信するいろんな情報は、この購入の正当性を裏付けする材料に過ぎません。
まず、買い手の「欲しい!」という感情がなければ、どれだけたくさんの買う理由を伝えても買い手には響かないからです。
なので、私たちマーケターは買い手の感情を動かすためのコミュニケーションを重要視しなければいけません。
そのために、自制心の力を使うことができます。
自制心の力を利用したアプローチの仕方
自制心の力が弱まり、感情を優先する状態になっている時に買い手にアプローチできれば、「欲しい気持ち」を引き出し、商品に興味を持ってもらうことができます。
なので、特に遅い時間に感情へ訴えかけるアプローチをしてください。
感情へ訴えかけるアプローチとは、相手の願望、逃れたい痛み、それが解決された時の感情を示すことです。
商品の特徴や実績などではなく、痛みや快楽について伝えるようにしてください。
そうすれば、感情が優先されている状態の見込み客は、あなたの提案に興味を示して、感情のままに商品を手に入れたいと感じてくれます。
感情に訴えかけるための情報
- 相手の抱えている悩み
- その悩みの簡単にできる解決方法
- 他の人も結果を手に入れているという事実
- 今買わないと損だと感じさせるオファー(取引の条件)
これが示されていれば、「欲しい!」と感じて、「買おう!」と判断してくれます。
逆にこれ以上の情報が詰め込まれていると、判断が面倒に感じて、判断をやめてしまいます。
判断疲れしている状態は、多くの情報を処理できないからです。
相手の感情に届く情報に絞って、シンプルだけどパワフルな情報を伝えるようにしてください。
感情をコントロールする「自制心」を活用する方法 まとめ
人は感情をコントロールしながら生きています。
その力を自制心と言います。
私たちは、1日のうちに「何をしようか」「どうしようか」「やるかやらないか」など、いろんな判断をしながら過ごしています。
見込み客があなたの商品を買うかどうかも、その判断の内の1つです。
多くの人が「欲しい」と思ってもすぐには買いません。
感情をコントロールして、買わない理由を持ち出して、買わない判断をしています。
人は感情で買うと決めて、理屈でそれを正当化しようとします。
なので私たちマーケターは、買い手の感情に訴えかけて「欲しい気持ち」を作り出さなければいけません。
そのために、買い手の感情をコントロールしている「自制心」に打ち勝つ必要があります。
自制心は脳の働きによって生まれている力です。
なので、脳が疲れている時は自制心は弱まります。
脳は1日に35,000回も判断をしていて、判断をすればするほど疲れていきます。
脳が疲れている1日の中で遅い時間に、買い手の感情に訴えかけるアプローチをすることで、「欲しい気持ち」を作り出して、商品を買ってもらえる機会を作ることができます。
感情に訴えかけるための情報
- 相手の抱えている悩み
- その悩みの簡単にできる解決方法
- 他の人も結果を手に入れているという事実
- 今買わないと損だと感じさせるオファー(取引の条件)
自制心が弱まり感情のコントロールができなくなっている状態の見込み客に、積極的にアプローチしていきましょう。