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マーケティングチームを動かすコツ|メンバーが自ら動くマネージャーの仕事術

全ての仕事はチームで取り組みます。

マーケティングは、いろいろなことが重なり合ってできている「売れる仕組み」です。

なので、いろんな役割を持った人たちと作り上げていくことになります。

事業規模が小さいうちは自分自身が全てを担わなければいけませんが、規模が大きくなれば人に仕事を渡せるようになります。

その時あなたの仕事は、設計したことを前に進めるための全体の進行管理がメインになっていきます。

実行実務を担うオペレーター的役割から、企業の目的・目標を達成させるための、現場の旗振り役としてメンバーをマネジメントしていくマネージャー的役割に変わります。

今回は、マーケティングチームを期待通りに動かしていくための、マネージャーの仕事術についてお伝えします。

こんな方は是非読んでください

  • マネージャーとしてマーケティングに携わっている方
  • なかなか自分のやり方がうまくいかない方
  • マネージャーの仕事に憧れている方

なぜ、マネージャーの期待通りの仕事が行われないのか?

あなたが誰かに仕事を依頼する立場なら、一度はこう思ったことがあると思います。

「なんでこの人はもっと積極的に取り組んでくれないんだろう…?」

この原因は、あなたから仕事を依頼された相手が、その依頼に対して納得していないからです。

「なんで自分がそれをやらないといけないんだ…」

「もっと違うやり方の方がいいのにな…」

と思いながら、彼らはあなたからの仕事を受け取っています。

仕事なので渋々やっているけど、本人としては前のめりにやりたいと思っていない状態ですね。

人には自分の考えを尊重したいと思う傾向があります。

なので、自分にふさわしい仕事を決めていたり、自分のやり方が良いやり方だと思っていたりします。

そこに、あなたからのあなたのやってほしいことを、あなたのやってほしいやり方で依頼されたら、積極的にやろうという気持ちにはなりにくいですよね。

このギャップを埋めることで、あなたのやってほしいことを、メンバー自らが主体的にやってくれるようになります。

そのために、あなたがマネージャーとして何をすべきかについてお話しします。

 

メンバーが自分の考え方に固執する理由

目標達成のための道筋を考えて、実行しようとしているあなたからすれば、メンバーに対して「なんでそんなやり方をしてるんだろう?」「なんでそんなことになったの?」と感じることがあると思います。

マネージャーのあなたとしては、その原因を特定して、改善したいと思うはずです。

でも、「なぜそうなったのか?」をそのままメンバーにぶつけたとしても、状況はよくなりません

むしろ、あなたに対してより聞く耳を持たなくなります。

表面上は「わかりました。」といっても、心の中では「自分のやり方の方がいいのに」と思っています。

すると言われたことをやるだけで終わり、それ以上のパフォーマンスを出すことはありません。

「なんでそうなったの?」と聞かれると、相手はより自分の考え方を強くします

なぜなら、今の自分のやり方は、過去の自分が良いと判断してやっていることだからです。

自分が良いと考えてやっていることを間違っているとは誰も思いたくありません。

なので、「なぜ?」という理由を聞かれると、過去の自分が間違っていないと思いたいがために、より自分の考え方が強くなってしまうのです。

このことを証明した実験があるので紹介します。

質問の仕方で相手の考え方が変わったことを証明した実験

経営者が自社の従業員に「今の仕事について面白さを感じていますか?」という質問をしてもらいました。

「仕事は面白くないし、面白くできるものではない」

「自分たちの仕事はいくら工夫をしても意味がない」

と悲観的な回答をした従業員たちに、さらに2つの質問をしました。

質問1

なぜそのような仕事感を持っているのか?

質問2

そう考えることで、仕事にどう役立っているか?

結果

「なぜ?」と聞かれた従業員のほとんどが「仕事は面白くないものだ」という自分の考え方に固執した。

「どう役立っているか?」と聞かれた従業員のほとんどが、自分の考えにメリットがないことに気づき、一部の従業員は「どうすれば、仕事を面白くできるだろうか?」と考え始めた。

つまり、人の考えは「理由」を聞くと強化され、「目的」を聞くと軟化される傾向があると分かります。

「自分が間違ったことをするはずはない」という思いが強くなるので、過去の自分を守ろうとして、自分の考え方がより強く凝り固まってしまいます。

はむ師匠
みんな自分が大事だからね〜

メンバーの納得感を引き出すマネジメント術

私たちマーケターは、チームが1つの目的を達成するための塊になれるようにマネジメントする必要があります。

そのためには、1人1人のメンバーの考え方を自分に向けさせるのではなく、目的へと向かわせなければいけません

そのために、「目的に沿って考えれば何をすべきか」を問うように働きかけることが大切です。

メンバーの行動の理由を尋ねて改善させようとすると、より自分の考え方に固執するようになるので注意してください。

結果につながった行動は評価をし、結果に繋がらなかった行動は原因を特定するのではなく、目的に沿って再評価をするようにしてください。

私たちマーケターの悩みは、施策の良し悪しから、チームの動き方の良し悪しへと変わっていきます。

「まだチームなんて持ててないよ…」という方は、自分自身の中にマネージャーとメンバーの自分を作るようにしてください。

過去のやり方に固執している自分に対して、「今の行動は、目的に向かうために貢献できているのだろうか?」と問いただしてみると、今まで見えていなかったものが見えてくると思います。

今うまくいっていないということは、今までやってきていることが間違っているということです。

でも、その判断をした自分を否定したくない私たちは、なかなか自分の考えを捨てることができません。

なので、過去に目を向けるのではなく、常に未来に目を向けて、現時点から考えてベストな方法が何かを考えるようにしてください。

 

マーケティングチームを動かすコツ|メンバーが自ら動くマネージャーの仕事術 まとめ

マーケターの仕事は、設計・実行・改善です。

規模が小さいうちは自分が全ての実行役として活動しますが、規模が大きくなれば仕事を人に割り振り、同時にたくさんの仕事ができるようになります。

その時、あなたの仕事はメンバーをマネジメントすることになります。

多くのマーケティングマネージャーの悩みは、メンバーが期待通りの仕事をしてくれないことです。

そして、多くのメンバーが感じていることは、マネージャーが自分の仕事を理解できていないことです。

あなたの期待通りの動き方をメンバーにしてもらうためには、「過去」ではなく「未来」に目を向けさせることが大切です。

今の状況が起こった原因では無く、現時点から目的に向かって何をすべきかを考えるように働きかけることです。

人は自分の判断を間違ったものとしたくないと思っています。

なので、原因を追求すると、より自分の考えに固執するようになります

言い訳を考え、あなたの言うことが如何に間違っているのかを証明するために時間を使おうとします。

これはチームの力を最大化するためには何の貢献もしない、時間と労力の使い方です。

なので、そうならないようにマネージャーのあなたは、メンバーの見ている方向を目的へと向けさせなければいけません。

そうすることによって、自分の考え方に固執しにくくなり、目的に対して貢献できていない過去があれば、それを客観的に認められるようになります。

失敗の原因を突き止めることは大切ですが、人の判断にその原因があるような突き止め方になっていないか注意するようにしてください。

「原因」ではなく「目的」

「過去」ではなく「未来」

を見れるマネジメントを心がけましょう!

  • この記事を書いた人
はむ師匠

はむ師匠

マーケティングの力でハッピーになれる人を増やすために、マーケティングの知識を発信しているマーケティン熊。 「マーケティングを使える人が増えれば、今よりも世の中は良くなる!」と信じて、大企業からスタートアップ企業まで、今まで100社以上のマーケターにマーケティングの使い方を指導してきている。

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