人は課題を解決するために、商品を買います。
今の状態をより良くするために、その手段として商品を手に入れます。
例えば
- 今より体重を落としたいから、パーソナルトレーニングジムに申し込んだり
- 仕事効率を高めたいから、最新のパソコンを買ったり
- 非日常を味わいたいから、旅行に出かけたり
顧客には理想の状態があり、それに近づくための方法を商品が提供していると言えます。
その顧客が手に入れる「プラスの結果」をベネフィットと言います。
詳しくはこちらの記事も参考にしてください。
求めるベネフィットがあれば、人は商品を買ってもらえるはずですが、実際には買ってもらえないことがほとんどです。
その理由と、解決策についてお話しします。
目次
結論:買ってもらうためには証拠が必要
得たい結果を手に入れられるとわかっても、それを買わないのは、その商品やそれを売っている売り手のことを、買い手は信じていないからです。
必ず、その結果が手に入るという証拠を示すことで、商品や売り手に対する信用を作る必要があります。
信用は、客観的な過去の事実によって作られます。
例えば
- いつも約束の時間を守る友人は、明日の予定にも遅れない
- マクドナルドのハンバーガーは、今日も同じ味
- 100年続いている老舗旅館の接客
など、過去そうだったから、次もそうだろうと信じれられますよね。
これが信用です。
過去の事実が無い相手に対して、信用は生まれません。
例えば
- 道端で突然「お金を貸して」と言ってくる相手
- いつも遅刻する人が、今日の予定に間に合うこと
- 何も開発したことが無い人に頼むシステム開発
など。
商品を買う時も同じです。人は買い物を失敗したくないと思っています。
失敗しないために、十分に相手を信用できるまでは買いません。
信じていい理由、つまり証拠を見せる必要があります。
そして、その証拠を示すために使うのが「コンテンツ」です。
マーケティングで活用するコンテンツについて詳しくお話しします。
コンテンツとは
まず、コンテンツとは何なのかについてお話しします。
一般的なコンテンツの意味は「情報の中身」です。本、CD、DVD、TV、映画などの媒体を使って届けられるので、これら自体をコンテンツと呼ぶ場合もあります。
マーケティングにおけるコンテンツとは「役に立つ情報の中身」だと覚えておいてください。
マーケティングは買い手から求められる状態を作る活動です。
買い手が商品を買うための役に立つ情報を届けることで、欲しいと感じて、必要だと思ってもらえます。
例えば
- 商品の情報
- 商品を使っている人の情報
- 商品を売っている企業の情報
- ターゲットが課題を解決するための情報
- ターゲットが悩みの原因を知るための情報
など。
これらの情報によって、ターゲットは買うかどうかを決めます。
商品を買ってもらうために、売り手がターゲットに伝える情報だと言えます。
商品の情報が不足していると、ターゲットはその商品を買うべきかどうかの判断ができません。
その結果、あなたの商品を買わないという選択をします。あなたの商品を買わず、他の商品を買ったり、何も買わなかったりします。
商品を買ってもらうために、買い手が購入を決めるために十分な情報を提供する必要があります。
マーケティングにコンテンツが必要な理由
買い手はあなたの商品も、その売り手であるあなたのことも信用していません。
例えば
- うちのパーソナルジムなら、確実に痩せられる
- この最新のパソコンなら、確実に仕事効率が高まる
- この旅行先なら、確実に非日常を味わえる
と言われても、
- 本当にそんな効果あるの?
- 聞いたことない企業だし不安…
- 自分にも使えるのかしら?
- 騙されたらどうしよう…
と思いますよね。
多くの商品が世の中に知られていない商品です。人は初めて買う商品に対しては、100%疑いを持ちます。
それは、なぜその商品を使えば期待した結果が手に入るのかが、納得する形で示されていないからです。
求めている「プラスの結果(ベネフィット)」が手に入ると言われても、それを信じられないので買おうとは思えないのです。
多くの商品がこの「買い手の感じる疑い」を晴らせていないので、買ってもらえていません。
ターゲットは「なんで私がそれを買うのか?」「なんであなたから買うのか?」と感じています。
このターゲットの感じている「Why it?」「Why you?」に対する答えを示して納得してもらうことができれば、あなたの商品は買ってもらえます。
これが「ベネフィットの証拠を示す」ということであり、それを証明するためにコンテンツが使われます。
マーケティングで使うコンテンツの構成要素
では、どんな情報でターゲットに、商品のベネフィットを信じてもらえれば良いのかについてお話しします。
コンテンツを構成する要素には大きく3つあります。
ポイント
- 特徴
- 実績
- 評価
これらによって、ターゲットの感じる商品への疑いを晴らします。
マーケティングコンテンツの要素① 特徴
特徴とは、ベネフィットの理由となる機能や仕様などのことです。
特徴とは
- 機能
- 仕様
- 技術
- 成分
- 製法
- デザイン
- 立地
- 産地
- 作り手、担い手
- サービス
など。商品が持つもの全てを表します。
特徴によって、ベネフィットは生まれます。
例えば
- 専属のパーソナルトレーナーがいるから、サボらずにトレーニングに励める、その結果、痩せられる
- オンラインで受講できるから、忙しい毎日でも学習ができて、その結果、英語力が身に付く
- 最新のCPUを搭載しているから、同時にいくつものアプリを起動していてもサクサク動くので、その結果、仕事がはかどる
- 肌に浸透する保湿成分を配合しているから、その結果、肌がぷるぷるもちもちになる
- 設定した時間に音が鳴る機能があるから、その結果、起きたい時間に起きられる
など。
特徴があるから、得たい結果(ベネフィット)が手に入る。という形になります。
なので、ターゲットが手に入れたいベネフィットがなぜあなたの商品で手に入るのかを証明するためには、その理由となっている特徴を示せば良いことになります。
この理由が具体的で、たくさんあればあるほど、ベネフィットが手に入る理由の説得力が増していきます。
マーケティングコンテンツの要素② 実績
実績とは、数字で示せる成果のことです。
例えば
- 販売数
- 売上
- 顧客数
- 店舗数
- 事業歴
- 社員数
など。
実績は、ターゲットの疑いを晴らすための客観的な情報になります。
例えば
誰も使っていない商品よりも、100万人が使っている商品の方が信用できます。
売上100万円の企業よりも、売上100億円の企業の方が信用できます。
他の人が既にその商品を買ったり、その売り手と取引をしていることが分かれば、安心します。
悪い商品、悪い売り手であれば、販売数も少ないし、売上も小さいということをみんな知っているからです。
なので、数字で示せる成果を示すようにしてください。
多くの人が自分が最初の客になりたくないと思っています。誰かに毒味をしてもらって、問題のない商品だと証明されてから買いたいと思っています。
過去にできたことなら、自分が使った時にも、同じようにできるだろうと感じます。
実績はターゲットにとっての安心材料です。
なので、できるだけたくさんの実績を集めて、示すようにしてください。
マーケティングコンテンツの要素③ 評価
評価とは、第三者からのお墨付きのことです。
例えば
- 顧客の声(口コミ)
- 専門家のコメント
- メディアの取材
など。
実際にその商品を買った人や、その商品に関することに詳しい人、社会的に認められた存在からの評価は、商品を疑っているターゲットの疑いを晴らすための強いコンテンツになります。
例えば
- 自分と同じ年齢で、肌の老化に悩みを抱えていた女性が、その商品ですべすべの肌を手に入れた
- プロのメイクアップアーティストの人が、その商品を勧めている
- テレビの美容特集で、その商品が紹介された
などのコンテンツがあれば、ターゲットの商品への信用はプラスされていきます。
特に
顧客の声の力は絶大です。
自分と同じように悩んでいる誰かが、その商品を使って悩みが解消したことを知れば、「自分も!」と思いますよね。
顧客の声をくれた人がターゲットと似ていれば似ているほど、ターゲットに対しての信用積み上げのインパクトは絶大になります。
専門家やメディアは権威性を高めるために活用できます。
権威性とは、ある分野において優れたものとして信頼されていることや人のことです。
その分野に詳しい人が言っているなら間違いないだろうと感じることがありますよね。
人が迷うのは、正解を選ぶための情報や知識が足りていないからです。なので、正解を選ぶ情報や知識を、自分よりも持っている専門家やメディアの評価を信じやすくなります。
良い商品でも買ってもらえない理由 まとめ
人が商品を買う理由は、自分の抱えている課題を解決するためです。
商品がもたらす課題の解決を「ベネフィット」と言います。
ベネフィットが無ければ商品は買われません。ですが、ベネフィットがあるだけでは商品は買われません。
その理由は、ターゲットは商品も売り手も信用していないからです。
商品も売り手も信用できた時、ターゲットは商品を買います。
その信用の積み上げのために必要なのが証拠で、それを示すためにコンテンツを利用します。
コンテンツは、「特徴」「実績」「評価」で構成されます。
ベネフィットが手に入る理由となる、商品の機能や仕様や製法などを示すことで、商品への信用を積み上げることができます。
商品や売り手の実績や評価を示すことで、商品や売り手への信用を積み上げることができます。
ターゲットの疑いを晴らすための、客観的な事実をたくさん用意することで、信用してもらうことができ、買おうという気持ちが生まれます。