「これからはデジタルマーケティングの時代だ!」
「デジタルマーケティングをもっと積極的にしよう!」
などとよく耳にしますよね。
ですが、デジタルマーケティングとは何を意味しているのか、何をすることなのかをわかって「デジタルマーケティング」という言葉を使っている人は意外と少ないです。
上司から「デジタルマーケティングをもっと活用しろ」と言われた時に、こう聞いてみてください。
「具体的に何をすれば良いのでしょうか?」
すると、「webサイトにもっと流入を集めたりとか、SNSでエンゲージメントを高めたりとか、あるだろ色々!」なんて返答があると思います。
これらはデジタルマーケティングでもなんでもありません。
今回は、デジタルマーケティングとはなんなのか?企業がどう活用していくのかについてお話しします。
目次
そもそもマーケティングとは
デジタルマーケティングについて話す前に、まずマーケティングについて知る必要があります。
マーケティングとは「売れる仕組みづくり」のことです。
商品のことを知る→商品を買う
この流れを作ることだと言えます。
マーケティングを成功させるためには揃えなければいけない3つの要素があります。
マーケティング成功の3つの要素
- 課題を抱えた人
- 課題を解決する商品
- 商品が買える場所への導線
人が商品を買うのは、抱えている課題を解決するためです。
自分の課題を解決できる商品でなければ買いません。
商品を買うためには、それが買える場所とそこへの道が必要です。
詳しくはこちらの記事で解説しているのでチェックしてみてください⬇︎
●●マーケティングの意味とは
世の中には「マーケティング」とつくいろんな言葉があります。
例えば
- デジタルマーケティング
- webマーケティング
- SNSマーケティング
- SEMマーケティング
- 動画マーケティング
- 採用マーケティング
- BtoBマーケティング
など。
これはいろんなマーケティングがあることを表してはいません。
マーケティングとは「売れる仕組みづくり」です。
では、これらの「⚫︎⚫︎マーケティング」は何を表しているのでしょうか?
これは、「⚫︎⚫︎」を使った売れる仕組みづくりや、「⚫︎⚫︎」においての売れる仕組みづくりを表しています。
例えば
- デジタルマーケティング→デジタルを使った売れる仕組みづくり
- webマーケティング→webを使った売れる仕組みづくり
- SNSマーケティング→SNSを使った売れる仕組みづくり
- SEMマーケティング→SEMを使った売れる仕組みづくり
- 動画マーケティング→動画を使った売れる仕組みづくり
例えば
- 採用マーケティング→採用においての売れる仕組みづくり
- BtoBマーケティング→BtoB企業においての売れる仕組みづくり
となります。
採用の場合は、採用側に立てば「企業を売る」意味になりますし、応募者側に立てば「自分を売る」意味になります。
デジタルマーケティングも、デジタルマーケティングというマーケティングが存在するのではなく、「デジタルを活用したマーケティング」を意味しています。
なので、「デジタルマーケティングが企業には必要だ!」という話は、「活用できる技術やデータをもっとマーケティングに活かさないとダメだよね」という意味になります。
デジタルマーケティングとイコールの意味でよく使われている「webマーケティング」という言葉もあります。
一般的に「web=デジタル」と捉えて使っていることが多いので、同じものだと思われていますが厳密には違います。
デジタルマーケティングとwebマーケティングの違いについてお話しします。
デジタルマーケティングとwebマーケティングの違い
webマーケティングは、「webを使った売れる仕組みづくり」だと言えます。
デジタルマーケティングもwebマーケティングも同じだと思っている人は多く、どちらも「web広告を使って集客する」という間違った意味で使われていることが多いです。
間違いが一般的になっているため、「デジタルマーケティング人材」と呼ばれる人がweb広告の運用者を挿してしまっていたりします。
「デジタルマーケティングスクール」で教わるのが、web広告の運用技術だったりするので、もはやそれが正しいという考え方になっている状況です。
でも、マーケティングについて正しく学び、マーケティングの使い手になろうとしているあなたは、きちんと意味を知っておいてください。
デジタルマーケティングとwebマーケティングの範囲
デジタルマーケティングは、webサイトに限らず、アプリ、サイネージ、MAP、ARやVR、Iotで繋がる機器など、デジタル技術が活用されている全てを活用するマーケティングを表しています。
webマーケティングは、主にwebサイトを中心としたマーケティングを表しています。
なので、デジタルマーケティングの内側にwebマーケティングがあるというイメージです。
企業が取り組むべきはデジタルマーケティング
今後、企業がより注力していくべきはデジタルマーケティングです。
なぜなら、全てのモノやコトやヒトがデジタル情報で繋がる世界が訪れるからです。
マーケティングに使える材料が増えることになるので、その技術とデータを活用して「売れる仕組み」を作るのが、次世代のマーケターの役割になります。
ですが、
「そんな未来の話はいいから、目の前の事業をどうにかしたい!」と思っていますよね(笑)
なので、現段階で売上に直結しやすいデジタルマーケティングの活用法についてお話しします!
デジタルマーケティングの活用方法
デジタルマーケティングに取り組むためにやることは、大きく3つです。
- 情報のデータ化
- データ化された情報の施策利用
- 施策の簡略化・自動化
マーケティングの施策は多岐に渡ります。
それを人間が全て担うことはできない状況です。
なので、デジタル技術を活用して、簡略化したり自動化したりすることで、より効果的に効率的にマーケティングしていけるようにするのが目的です。
デジタルマーケティング活用法① 情報のデータ化
未だに顧客リストや帳簿をアナログに手作業で管理している企業はいます。
情報がデータ化されていないデメリット
- 情報の集計がしづらい
- 共有がしづらい
- 更新もしづらい
- 他の施策へ活用できない
情報のデータ化に活用できるデジタル施策はいろいろあります。
例えば
- 物販なら、ECを利用
- BtoB企業なら、名刺管理アプリを利用。
- 来店型ビジネスなら、webで申し込みを受付。LINEを会員カードとして利用。
など。
情報をデータ化することで、管理がしやすくなるだけではなく、他の施策への利用ができるようになります。
そうなれば、ただの情報がビジネスの資産となり、マーケティングのための重要な材料になります。
デジタルマーケティング活用法② データを利用した施策の実行
データ化された情報があれば、アナログ対応できないマーケティング施策ができます。
例えば
- 顧客情報を元にメールやLINEメッセージを配信したり
- どんな人が主な購買層で、どういう購買行動をとっているのかを分析したり
- webサイトの訪問者の動きを元に、webページの課題を見つけたり
など。
デジタルマーケティングやwebマーケティングが「web広告で集客すること」だと思われている理由は、マーケティングにおける集客施策の重要性が高いからです。
広告もデータを活用することでその精度を高めることができます。
例えば
- 商品を買った人と似たようなweb行動をとっている人に広告する
- webサイトに訪れたことがある人に広告する
- 他社の商品に興味を持っている人に広告する
- 商品を買った人に広告しない
- 顧客が多いエリアだけに広告する
など。データの使い方次第で、広告のパフォーマンスは高まります。
媒体が持っているデータを活用するのが基本ですが、自社が持っているデータを活用することで、より高いパフォーマンスが期待できるので、情報のデータ化がより大切になってきています。
デジタルマーケティング活用法③ システムによる施策の簡略化・自動化
システムによる施策の簡略化
デジタル技術の発達によって、昔は特別なシステムや技術がないとできなかったようなことが、簡単にできるようになっています。
例えば
- WordPressなどのCMSによるwebサイトの制作(パワポ感覚でwebサイトがサクッと作れます)
- Google Analyticsなどのアクセス解析ツールによるwebデータの集計
- メール配信システムによるメールの自動配信
- テンプレートやエフェクトが用意されている簡単編集ツールによる画像作成や動画編集
- フリー素材購入サービスによる高品質な画像の入手
- チャットボットによるwebサイト上での自動接客
など。売れる仕組みづくりのための施策を、とてもやりやすくなっています。
これらを活用できているかどうかで、マーケティングの成果は大きく変わります。
マーケティングは自動化の時代へ
マーケティングオートメーションを導入する企業は増えています。
マーケティングオートメーションとは、マーケティング施策を自動化するという画期的なシステムです。
企業向けにビジネスをしている企業では相性が良く、BtoB企業のマーケターには必須のツールとなってきています。
マーケティングオートメーションを活用することで、効果的に効率的に施策運用ができます。
例えば
1000人の見込み客がいて、1000人に対してメールを配信するとします。
1つのメールを配信するために1分かかるとすると、1000分かかる計算になります。約17時間です。
メール配信システムを使って、1つのリストとして1000人分のメールを登録すれば、1分で済みます。
送る相手に合わせたメールを送ろうとすると、1000人のリストを分けて、新しいリストを作り、リストごとにメールを設定することになります。
メール配信システムを使ってリストを1つ増やすために1分かかる時、リストを10個作ると10分かかります。
10通分のメールを設定するためには、10分かかります。
合計20分かかりますが、これくらいならやれなくはないですよね。
では、リストをより細かく分けて100個にした場合はどうでしょうか?
200分かかるので約3時間かかることになります。これはちょっとしんどいですよね。
マーケティングオートメーションを使うことで、自動でリストを作成したり、自動でメールを配信したりできます。
さらにはweb上の行動データなどを利用することで、より見込み度の高い相手に対して特別なアプローチをしたりもできます。
人間が1つ1つチェックして、設定していてはできない芸当です。
しかも、24時間365日動き続けてくれます。
文句も言わず、へこたれないので、余計なメンタルケアも必要ありません(笑)
設定時間が3時間かかったとしても、その先ずっと自動的にアプローチし続けてくれるので、使えば使うほどコスパが良くなっていきます。
より相手に合わせたコミュニケーションを自動でできるようになれば、マーケティングは精度が高く、スピーディなものになります。
そのため、マーケティングオートメーションの活用は、これからのマーケターにとって必須となっています。
マーケティングオートメーションについては、こちらの記事で詳しく解説しているのでチェックしてみてください⬇︎
デジタルマーケティングとは?実はみんな間違っている意味 まとめ
デジタルマーケティングとは、デジタルデータやデジタル技術を活用した売れる仕組みづくりのことです。
webマーケティングと同じ意味で使われることが多いのですが、これは間違いです。
デジタルマーケティングは、web以外の全てのデータや技術も活用してマーケティングすることです。
webマーケティングは、あくまでwebを活用してマーケティングすることです。
現状、企業が取り組んでいるデジタルマーケティングが、実際にはwebマーケティングなのは間違いないので、それがこの2つの言葉をややこしくしてしまっています。
多くの企業が今取り組むべきマーケティングへのデジタル活用には3つあります。
- 情報のデータ化
- データ化された情報の施策利用
- 施策の簡略化・自動化
デジタルデータを活用することで、状況把握と施策実行の精度が高まります。
デジタル技術を活用することで、効果的に効率的に施策に取り組めて生産性が高まります。
デジタル活用できている企業ではすでに取り組まれていることですが、今からでも遅くありません。
デジタル活用は、すでに大きな投資ができる企業だけのものではなくなっています。
小さな企業や個人ですら取り組めるくらい、コスパの良いツールやサービスが登場しています。
一気にやろうとしても大変なので、まずはできるところからデジタルマーケティングに取り組んでください。
この先、webだけでなくモノとモノがオンラインで繋がり、web以外の場所でのデジタル活用がどんどん進みます。
その時代において、私たちマーケターはよりデジタル活用が求められます。
デジタル活用が当たり前なので、「デジタルマーケティング」という言葉自体が消えていくはずです。