顧客が商品を買うのは、
- 自分の課題が解決される
- その商品も売り手も信用できる
- 支払うコストが得られる価値よりも小さい
この3つの条件が揃った時です。
まず重要なのが「これを買えば、自分の課題が解決される」と思ってもらうことです。
これをベネフィットと言います。詳しくはこちらの記事をご覧ください⬇︎
ただし、あなたの商品がターゲットの課題を解決できる商品だったとしても、それだけでは売れません。
売り手のあなたと買い手の誰かしかいない世界なら、単純に課題を解決できる商品であれば買ってもらえます。
買い手にそれ以外の選択肢が無いからです。
でも、あなたがビジネスしてるこの世界には、多くの売り手が存在しています。
ターゲットから見た時、同じ課題を解決するための商品は山のようにあります。
「どれが自分にとってベストな商品なのか?」ターゲットは常にこう感じています。
そこで必要になるのが「USP」です。
USPとはなんなのか、どうやって活用すれば良いのかについてお話しします。
目次
USPとは
USPとは、Unique Selling Propotisionの略で、「独自の売り」という意味です。
マーケティングを学んでいると必ず出てくる用語ですが、正しく理解できている人は多くありません。単純な商品の特徴のように思っている人が多い印象です。
USPは、その商品しか持っていないベネフィットであり、そのベネフィットの理由となる特徴です。
つまり、他の商品では解決できない課題解決ができること、これが選ばれる商品の必須要素ということです。
例えば
- 特許技術を使ったブレンド製法
- 独自ルートで入手した希少成分
- 熟練の業で作られる独自工法
など。自社にしかない機能や仕様などがUSPになります。
USPの間違い
これらは一見、USPのように思われがちです。
- コラーゲン3000mg配合(他社製品よりも多く成分を配合)
- 業界最軽量(他社製品よりも軽い)
- 8時間連続使用OK(他社製品よりバッテリーの持ちが良い)
など。
このように、他社より優れた点をUSPと考えてしまっていることがよくあります。
それは優位性であり、独自性ではありません。
優位性がダメな理由
「他より優れてるなら、買う理由になるんじゃないの?」と思われると思います。
それは正しい考え方です。
あっちのリンゴより、こっちのリンゴの方が甘ければ、こっちのリンゴの方が売れます。
でも、多くの商品が提供する価値は複雑になっています。
その優位さにどれくらいの価値の違いがあるのかがわからないことが多いので、優位差だけが売りにはなりづらいのです。
例えば
コラーゲン1000mgと3000mgの違いが、どう結果に関係するのかってわかりませんよね。
仮に3倍の効果の違いがあると言われたとしても、それを体感できるのかどうかはまた別の話です。
例えば
今まで2.5kgのパソコンを使っていた人からすれば、1kgと0.9kgの差は大きな差ではなかったりします。
電源をさせない場所で連続使用するとしても、せいぜい3時間程度だとすれば、7時間連続で使えるパソコンと、8時間連続で使えるパソコンとに差はありません。
競合商品を見て「より良く」開発をしようとすると、どうしてもUSPではなく優位性に走りがちです。
「自分たちの技術力を見せてやろう!」的な考え方で、顧客の必要としない機能の精度を高め続けてきたのが、多くのメーカーが辿ってきた道です。
機能が必要だった時代は、より機能が増えることで便利になる状況がありました。
でも、機能が十分になっている時代には、機能追加はぜい肉のような存在になりがちです。
何よりも、その差を1番の購入理由にする人がどれだけいるんでしょうか。
その商品しか持っていない、他が着目していない、他が作ることができない、独自性が必要なのです。
USPのポイント
USPのポイントは「独自性がある」ということです。
独自性とは「他とは違う」という意味です。
例えば
英会話を学ぶには駅前の教室に通うしかない時、オンラインで受講できるサービスを提供すれば、それはUSPだと言えます。
ですが、オンラインで受講できるという英会話スクールが1つでもできれば、それはUSPではなくなります。
他と同じだからです。
USPがマーケティングを完成へと導く
USPは「独自の売り」です。他の商品が持っていない特徴や、提供できないベネフィットです。
つまり、その特徴やベネフィットに対して「私にはこれが必要だ」と感じてもらえれば、あなたの商品を選ぶ以外の選択肢がなくなるということです。
私たちマーケターは、「私たちの商品が持つUSPが無ければ、あなたのその課題は解決できない」ということを、ターゲットに信じてもらうことが仕事だと言えます。
それを信じてもらえた時、ターゲットは「買いたい!」と思って、自分の足で買いに来てくれます。
これがマーケティングの目指すゴール「セールスが不要な状態」です。
USPの見つけ方
では、USPはどうやって見つければ良いのか?と思いますよね。
「そんな独自性なんてないよ。。」と思う人がほとんどだと思います。
USPを見つける、作るのが、マーケティング活動の大きな課題とも言えるので、正直簡単ではありません。
ですが、どんなUSPが必要かを知ることは誰にでもできるので、まずはそこから始めてみましょう。
USPの見つけ方① ターゲットの課題を調べる
まずはターゲットの求めているものを調べます。ターゲットの求めていない独自性があっても、購入には繋がらないからです。
どんな悩みを抱えているのか、どんな状態を目指しているのかを調べます。
調べる方法
- ターゲットに直接ヒアリングする
- 自分ならどうだろうと自問する
- ネットの口コミを参考にする(Yahoo!知恵袋やAmazonや楽天のレビュー)
USPの見つけ方② 市場にある商品を調べる
すでに世の中にある商品で、あなたのターゲットの課題が解決できていれば、あなたの商品は必要ありません。
でも、多くの人が課題を解決できずに悩み続けています。
つまり、今世の中にある商品では、解決に不十分だということです。
なので、世の中の商品がどんな価値提供をしているのかを調べます。
調べる方法
- 自社の商品カテゴリ名でwebやSNSで検索
- 出てきた商品のwebサイトを見る
- ベネフィットと特徴を整理する
USPの見つけ方③ 他の商品では満たせていない課題を見つける
今ある商品がターゲットにとって、ベストな商品ではない理由にはいろいろあります。
例えば
- 価格が高い
- 見た目が悪い
- 信用がない
- 効果がない
- 知られていない
など。
これらの不足をあなたの商品ならどう満たせるか?を考えて、その解決となるベネフィットや特徴が無いかを探します。
これがあれば売れる!USPとは? まとめ
USPとは「独自の売り」です。
他と比べられて、選ばれる商品になるのはとても難しいです。
何故なら、先行する他の企業の方が、実績も知名度も資本力もあり、顧客もいるからです。
なので、他と比べられない「独自の売り」が必要になります。
他の商品よりも良いのではなく、他の商品とは違う。
この状態で無ければ、選ばれる商品にはできません。
なので、他社がどんなベネフィットを提供していて、どんな特徴を持った商品を売っているのかを調べることで、その商品との違いを探すことができます。
マーケターが取り組むUSPづくり
ですがほとんどの場合、他の商品では提供できていないベネフィットや持っていない特徴を持っている商品は少ないです。
成熟した市場では、商品の品質は高まり続けていくからです。
基本的な機能の違いは、よっぽど先進的な技術を用いた商品とかで無ければ出せません。
多くの商品はそんな特別なものではありませんよね。
なので、私たちマーケターは、顧客の感情的な側面に注目して、今ある商品では満たせていない顧客の感情を満たせるアプローチをする必要があります。
それ自体がUSPとなるようなコミュニケーションによって、「この商品、この企業は他と違う」と感じてもらうことが大切です。