マーケティング全般

iOS14?クッキー規制?ITPの影響を受けない広告運用のやり方

web広告で積極的に集客をしている人なら、「ITP」という言葉を目にしたことがあるかもしれません。

2021年現在、web広告のメリットだったデータ活用に、制限がかけられるという大きな潮目に来ています。

今回は、ITPとはなんなのか?どんな影響があり、どう乗り越えていけば良いのかについてお伝えします。

 

ITPとは?

ITPはIntelligent Tracking Preventionの略で、Apple社が進めているユーザーの行動データの収集を制限する取り組みです。

Apple社の提供するiOSとMacに搭載されたブラウザ「Safari」内で、サードパーティーCookie(3rd Party Cookie)を利用したユーザーの行動データを使えなくするというものになります。

メンバー
サードパーティ…?クッキーは好きですけど。

あまり詳しいことは知らなくても良いので、スマホやパソコンでユーザーがどんな行動をとっていたかを知るために、利用されていたデータの収集を制限されるようになったと覚えておいてください。

はむ師匠
少し詳しく知りたい人のために説明しておくね〜

Cookie(クッキー)とは

クッキーとは、ウェブブラウザでサイトへ訪れた時に作成されて、ブラウザにくっつけられる貯金箱のようなものと考えてください。

その貯金箱にweb上の行動履歴が貯まっていきます。

クッキーの情報からユーザーがどんなページを見たか、どんな入力をしたか、どこで利用してるかなどを把握できる仕組みです。

メンバー
え、僕の行動が…怖い。

自分の生活を丸裸にされているようで怖いなと感じるかもしれませんが、あくまでweb上での行動履歴がわかるだけなので、個人情報が特定されるわけではないので安心してください。

ログインIDやパスワードを記録させておいたり、おすすめの商品やコンテンツを教えもらえたり、ネット利用を便利にする機能にもこのクッキーは使われています。

近年、行動履歴データ自体が個人情報にあたるという考え方が広まっていることで、クッキー制限の流れが生まれています。

サードパーティクッキーとは

クッキーには「ファーストパーティクッキー」と「サードパーティクッキー」があります。

ファーストパーティクッキーとは、ユーザーが訪問しているサイト自体(そのサイトのドメイン)から発行されたクッキーのことです。

サードパーティクッキーとは、ユーザーが訪問しているサイトとは別のドメインから発行されたクッキーのことです。

メンバー
ちんぷんかんぷんです…

例えば

マーケティング道場のサイトで記事を読んでいるとします。

この時、マーケティング道場のサイトから付けられるクッキーと、マーケティング道場に掲載されている広告から付けられるクッキーがあります。

前者がファーストパーティクッキーで、後者がサードパーティクッキーとなります。

ファーストパーティクッキーはそのドメインでのみ利用されるクッキーです。

つまり、マーケティング道場のサイト内の行動データのみが蓄積されていくということです。

検索窓に検索履歴が残っていたり、問い合わせフォームに入力した情報が残っていたりするのは、ファーストパーティクッキーのお陰です。

サードパーティクッキーは、クッキーをつけたサイト以外の行動データも蓄積できるので、より個人のweb行動を把握するために活用できるクッキーです。

マーケティング道場ではないサイトで、マーケティング道場の広告が表示されたとしたら、それはサードパーティクッキーに溜まっているデータを元に配信されているということになります。

Apple社だけでなく、世界で最も使われているブラウザ「Chrome」を提供しているGoogleも2022年3月以降、クッキー制限をかけると発表しています。

web上の行動データが個人情報として扱われていく流れは止められません。ポイントは、サードパーティクッキーへの制限が強化されるということです。

では、広告にはどのような影響があるのでしょうか?

 

ITP・クッキー制限による広告への影響

広告への影響は主に3つです。

ITP・クッキー制限による広告への影響

  1. オーディエンスデータの精度が落ちる
  2. リターゲティングができなくなる
  3. 機械学習が進まなくなる

それぞれ解説していきます。

1.オーディエンスデータの精度が落ちる

まず1つ目に、媒体が持っているオーディエンスデータの精度が落ちます。

オーディエンスデータとは、web上のユーザーの行動履歴を元にして、どういう人かを特定するためのデータです。

例えば

  • 年齢(その年齢の人がよく閲覧しているサイトから推定)
  • 性別(その性別の人がよく閲覧しているサイトから推定)
  • 家族構成(家庭のある人がよく閲覧しているサイトから推定)
  • 職業(閲覧している業界関連のサイトから推定)
  • 興味のあること(よく閲覧しているサイトの内容から推定)
  • 調べていること(検索したキーワードから推定)

など。サイト上の膨大な情報を元に、「このブラウザを使っている人はこういう人」とラベリングしたデータを広告媒体の配信プラットフォームは持っています。

そのデータを元に、効果的なターゲティング配信ができています。

ですが、このデータがクッキー制限によって減ることで「このブラウザを使っている人はこういう人」とラベリングするための情報が不足します。

すると、部分的な情報で判断することになり、「こういう人」の判定に誤りが出る可能性があります。

2.リターゲティング広告ができなくなる

多くの広告運用者が恐れているのが、リターゲティング広告ができなくなることです。

リターゲティング広告とは、一度サイトに訪れた人を特定して広告を出すという方法です。

例えば

今この記事を見ているあなたが別のサイトを見ている時に、マーケティング道場の広告を見たとすると、それはリターゲティング広告です。

一度広告を見て、すぐコンバージョンする人は多くありません。何度か広告を見ているうちに徐々に興味づけされたり、購入や申込を検討しようと思ったタイミングでリターゲティング広告に遭遇してコンバージョンすることがほとんどです。

web広告を運用されているなら、ターゲティング配信とリターゲティング配信の獲得数の違いを見ていただければ、リターゲティング広告の獲得貢献度の高さがわかると思います。

あなたのサイトに訪れた人が、別のサイトにいるという情報はサードパーティクッキーが持てる情報なので、その情報に制限がかけられると、どのサイトに来たことがある人なのかという情報が手に入らなくなり、リターゲティングができなくなります。

3.機械学習が進まなくなる

3つ目の機械学習が進まなくなることが、web広告の運用への影響が1番大きいと思っています。

GoogleやFacebookを筆頭に、近年のweb広告はAIによる自動最適化が成果を左右してきました。

膨大なデータから広告に反応しそうな人、コンバージョンしそうな人を予測して、その人に対して広告をすることで、パフォーマンスを高めてきました。

どんなプロフィールの人やどんな行動をとっている人がコンバージョンしたのかというデータを元に、よりコンバージョンしやすい人を探して広告をすることで、より広告のパフォーマンスは高まります。

なので、広告運用者にとって、如何にコンバージョンデータを集めて、最適化を進めていくかが広告運用成功の鍵となっています。

ですが、1つ目の影響で紹介した広告する相手を特定するための元となるweb行動データがクッキー制限によって減ることに加えて、どの広告でコンバージョンしたかというデータも取れなくなっていくことで、コンバージョンしやすい人を見つけるための学習データが不足し、精度が落ちてしまいます。

媒体側のテクノロジーによってパフォーマンスアップをしてきたweb広告の良さが、失われる方向へとこれから進んでいきます。

 

ITPを乗り越える方法

では、一見web広告はもう使い物にならないのではないか?と頭を抱えてしまっている人のために、ITPやクッキー制限への対処法についてお話しします。

今までのやり方は通用しなくなりますが、webで集客できなくなるわけではありません。

やり方次第では、今まで通り、今まで以上のパフォーマンスを出すことも可能です。

そのための3つの方法があります。

ITPを乗り越える3つの方法

  1. リストを構築する
  2. ユーザーデータを保有しているメディアで広告する
  3. クリエイティブをとにかく磨く

それぞれ解説していきます。

1.リスト構築をする

1つ目は自社独自のリストを構築する方法です。

ここで言うリストとは見込み客リストのことで、メールアドレスやSNSアカウントなど直接アプローチするための情報を取得できている見込み客のことを指します。

広告でリテンションすることが難しくなっていくので、それ以外の方法でリテンションをしていくという考え方です。

広告の目的を購入や契約などハードルの高いコンバージョンの達成にするのではなく、メールアドレス・住所・電話番号・SNSアカウントなど、比較的ハードルの低いコンバージョンの達成にすることで、何度も広告を見せなくてもコンバージョンは集めやすくなります

無料商品や無料体験、コンテンツ提供などを提供する代わりに個人情報を手に入れるというやり方です。

その後、手に入れた個人情報に対して直接アプローチをすれば、商品の販売やサービスの申し込みなどをしてもらうことはできます。

今までは広告で初期接触、リターゲティングでリテンションしてクロージングという集客の流れでしたが、それを広告で初期接触からの情報取得、直接アプローチでリテンションしてクロージングという流れを作るということです。

2.ユーザーデータを保有しているメディアで広告する

次の方法は、ユーザーデータを持っているメディアで広告する方法です。

サードパーティクッキーが使えなくなるということは、サイトを横断したデータの利用ができなくなるということです。

なので、そのサイト自身が持っているファーストパーティクッキーに溜まっているデータを、そのサイトで使うことは問題がないということになります。

メディア自信が持っているデータを利用して、そのメディア内で広告することで、反応しやすいユーザーへ広告することができます。

ただ、規模感のあるメディアでないとそのサイト単体で十分な露出量を担保することは難しいので、今のところはYoutubeやFacebookくらいでしか活用できないやり方だと思います。

国内だとSmartNewsやLINEなどは活用できそうですね。

3.クリエイティブをとにかく磨く

3つ目が本質的な解決策なので、是非これに積極的に取り組んでいただければと思います。

広告は「誰に出すか」と「何を出すか」の掛け算で成果が決まります。

どれだけコンバージョンしそうな人に対して広告を見せられたとしても、その広告が興味の引かれないものだったら無視されてしまいます。

コンバージョンしそうかどうか分からなくても、その広告が注目を集め、興味を引き出すものだったら反応してもらえます。

つまり、何を見せるかが広告ではより重要です。

媒体のターゲティング精度が落ちようとも、ターゲットが反応してしまう広告を作れていれば問題ありません。

もちろん広告のクリエイティブだけでは不十分です。その後のランディングページや、そもそも買い求めやすい商品にできているかなど、プロセスの設計も重要です。

でも、サードパーティクッキーのデータが使えなくなったからと言って、webで集客ができなくなるわけではありません。

人が反応したくなるビジュアルやメッセージ、納得してしまうコンテンツ、買わずにはいられないオファーを提供することで集客はできます

なので、データの活用制限に右往左往するのではなく、人の反応を得ることの本質に向き合って、クリエイティブを磨いていってください。

 

iOS14?クッキー規制?ITPの影響に振り回されない広告運用のやり方 まとめ

ITPとはApple社が提供しているブラウザ「Safari」に搭載されたデータ利用制限のことです。

制限されるのはサードパーティクッキーと呼ばれる、あらゆるサイトでデータを集められる類のクッキーで、広告媒体や解析ツールなどで使われています。

クッキーとは、ブラウザに付けられる貯金箱のようなもので、web上の行動履歴をどんどん貯め込んでいきます。

その情報を元に、広告に反応しそうな人やサイトに訪問したことのある人などを特定して、広告配信することができています。

それがweb広告が高いパフォーマンスを出せる理由でもあり、武器でもありました。

ですが、サードパーティクッキーが制限されることで、web広告の利点が失われようとしています。

業界を騒然とさせているITPをはじめとしたクッキー制限の波ですが、私たちマーケターには取れる方法があります。

ITPを乗り越える3つの方法

  1. リストを構築する
  2. ユーザーデータを保有しているメディアで広告する
  3. クリエイティブをとにかく磨く

メールアドレスや住所・電話番号、SNSアカウントなどの直接連絡できる情報を見込み客から集め、広告を使わず直接アプローチする方法が取れます。

個人情報を取得する目的のプロモーションであれば、何かを売ったり、契約してもらうよりもハードルは下がります。

リテンションをせずとも、初回接触で興味づけして、クロージングまで持っていくこともしやすくなります。

広告の目的をリスト集め、リストへのアプローチを商品の販売という二段構えのビジネスプロセスの設計が重要になります。

また、メディアサイト自身が持っているユーザーデータを元に、そのメディア内で広告する方法もあります。

ただ、そのメディア自体の規模が大きくなければ、集客力は小さいのであまり使い物にはなりません。

現状では、Youtube、Facebook/Instagram、LINE、SmartNewsなどが対象として想定されます。

最も取り組むべきがクリエイティブの開発です。

広告は誰に何を見せるかで成果が変わります。

「誰に見せるか」の精度が落ちたとしても、「何を見せるか」の精度が高められれば、成果は出せます。

人が反応したくなるビジュアルやメッセージ、納得してしまうコンテンツ、買わずにはいられないオファーを提供することで、ITPの影響をものともしないプロモーションを実現してください。

 

  • この記事を書いた人
はむ師匠

はむ師匠

マーケティングの力でハッピーになれる人を増やすために、マーケティングの知識を発信しているマーケティン熊。 「マーケティングを使える人が増えれば、今よりも世の中は良くなる!」と信じて、大企業からスタートアップ企業まで、今まで100社以上のマーケターにマーケティングの使い方を指導してきている。

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