私たちは常に考えています。
「どこに突破口があるのか?」
「この結果をどう評価すべきか?」
「なぜこの施策がうまくいっていないのか?
でも、考えがまとまらないことって多いですよね。
頭の中で連想ゲームが始まって、気づけば関係ないことをグルグルと考えてしまっていることがよくあると思います。
実行しなければ結果は出ないというのはわかっていても、どう実行しようか考えることに時間を使いすぎて、実行する時間がなくなっているマーケターは多いです。
考えているようで何も考えられていない、そんな状況から抜け出して、実行することに時間を使うための考え方のコツをお伝えします。
目次
考えがまとまらない理由
考えがまとまらない会議ってよくありますよね。
話し合っているうちに、「あれ、何の話をしてたんだっけ?」という状況になることは少なくありません。
結果、話し合ったけど結論がずれていたり、議論したことの満足感が得られただけで、何も解決していないということがありますよね。
この理由は
頭の中で自分の考えと相手の意見が入り乱れることで、デスクの上が資料でごちゃごちゃになっているのと同じ状況になるためです。
頭の中では、自分の考えに対して、自分が意見するようなやりとりがされています。
さらに相手の意見も入ってくると、その考え方に対して意見する自分がいて、さらにその意見に対してまた別の自分が意見するというようなやりとりが、頭の中で行われます。
「いや、待てよ。」
「こういう考え方もあるぞ。」
「その意見はこういう点でおかしい」
「それは違う、なぜなら…」
など、たくさんの意見が自分の頭の中で飛び交っている状況です。
これが考えがまとまらない状態です。
この頭の中の議論に筋が通っていないと、場当たり的なアイデアや決断をしてしまいます。
この状況が議論する相手の中でも同じように起こっているので、話し合いがどんどんとズレた方向へ行ってしまうのです。
自分一人で考え事をする時は、一人で会議をしているのと同じです。
頭の中でいろんな意見が飛び交い、まとまりのない状況を作り出しています。
では、とっ散らかった頭の中をスッキリとさせ、考えをスピーディにまとめるためには、どうすれば良いのかについてお話しします。
考えをまとめる簡単な方法
2つの方法があります。
- 書き出す
- 先延ばしにする
それぞれ解説します。
考えをまとめる簡単な方法① 書き出す
まずやってもらいたいのが、頭の中の言葉を「書き出す」ことです。
このこと自体を知っている方も、なぜ紙に書き出すことで頭の中が整理されて、答えを導き易くなるのかの理由を知ることで、より活用できるようになるので、是非聞いてください。
紙に書き出すことで、自分の考えや意見を客観的に見れるようになります。
頭の中で考えがまとまらない状況は、いろんな考えがこんがらがってしまっている状況です。
どの考えとどの考えが結びついているのかが把握できなくなることで、目の前の考え方に引っ張られて、本来の目的とはズレた方向へ考えが進んでいっている状態です。
書き出すことによって、改めて「自分の考えていること」を「考える」ことができるようになります。
考えと考えの結びつきや、どの考えを元にして生まれた考えなのか、どの考えを補足する考えなのかなどが、目で見える形になるので思考の迷子にならなくなります。
考えをまとめる簡単な方法② 先延ばしにする
次に使える方法が、結論を出すのを「先延ばしにする」ことです。
人間には自分の判断を先送りした方が、より良い結果を導き出せると考える傾向があるからです。
結論が出せないのは、自分の考えに自信が持てない時だと言えます。
自分の考えに自信が持てれば、迷わず結論を出して、すぐに行動に移せます。
この人間の性質を証明した実験があるので紹介します。
判断を先送りにした方が判断に満足することを証明した実験
被験者にクルマを買う場面を想像してもらいます。
Aチーム
どの車種のクルマを買うか、即座に決めないといけない。
Bチーム
考える時間が数分間与えられ、その後、どの車種の車を買うか決めさせられる。
Cチーム
クルマのことから頭が離れるような簡単なゲームを与えられ、決定を先延ばしするように指示される。
しばらく経ってからどの車種のクルマを買うか決める。
実験を終えて、改めて自分が選んだ車についてどう思うか?と質問すると、
BチームはAチームより、少しだけ満足度が高かった。
CチームはBチームより、ずっと満足度が高かった。
つまり、決定を先延ばしにすることによって、自分にとって最適な答えを見つけ易くなっていることがわかります。
考えていることと関係ないことをして、決断を先延ばしにした方が、自分の選択への満足度が高まるとも言い換えられます。
この理由は、自分の考えを客観的に見れるようになるからです。
関係ないことをすると一時的に頭の中がリセットされて、そしていざ考えることに戻ったときには、改めて自分の考えを見つめ直せるようになります。
その時、考えのズレを見つけ易くなり、本質を見抜き易くなります。
結果、良いアイデアや決断にたどり着き易くなるということです。
マーケターの思考法|答えを導くテクニック まとめ
マーケターの仕事時間の大部分は考えることに使われています。
でもその多くが「考えているようで考えていない時間」に使われています。
迷う時間を減らして、決断をスピーディに行えるようにするための思考法があります。
1つ目は、書き出すことです。
書き出すことによって、自分の考えを客観的に見れるようになります。
2つ目は、先延ばしにすることです。
別のことをして頭の中をリセットすることで、自分の考えを改めて見直すことになります。
その時、客観的に見ることができるので、思考のズレが見つけ易くなったり、本質にそった考えに修正し易くなります。
紙やホワイトボードに書き出せば、考えを図示化することもできます。
考えと考えのつながりをイメージで表現できるので、より状況の把握がし易くなり、答えへ導き易くなります。
綺麗なノートを書くのではなく、思考を吐き出す目的で、書いては捨て、書いては捨てをするくらいの気持ちで書き出すようにしてください。