マーケティングは、買い手の意識と行動を変化させる仕組みづくりです。
私たちマーケターは、人がとる行動の元となる心理状態を理解することで、望む結果へと導くことができます。
人がとる行動の裏には、共通の心理状態が隠されています。
それを明らかにするのが「行動心理学」です。
今回は行動心理の中でも、買わない顧客が買わない理由となる「フォールスコンセンサス効果」についてお話しします。
行動心理学については、こちらの記事で詳しく解説しているのでチェックしてみてください⬇︎
フォールスコンセンサス効果とは
フォールスコンセンサス効果とは、他人の価値観は自分と同じだと感じるということです。
この心理を証明した実験があるので紹介します。
被験者の学生に2つの質問をしました。
質問
Q1 あなたはいま携帯電話を持っていますか?
Q2 クラスの何%がいま携帯電話を持っていると思いますか?
結果
「携帯電話を持っている」と答えた学生は、平均してクラスの65%が持っていると予想した。
「携帯電話を持っていない」と答えた学生は、平均してクラスの40%が持っていると予想した。
実際、携帯電話の所有率はクラスの50%でした。
この結果から、携帯電話を持っている人はみんなも持っていると思っていて、携帯電話を持っていない人はみんなも持っていないと思う傾向があるということがわかります。

フォールスコンセンサス効果をマーケティングに活用する方法
私たちマーケターはより多くの顧客を作るために、その手の商品を使ったことがない人にも、あなたの商品を買ってもらえるように仕向けなければいけません。
例えば
最近、男性のスキンケア商品が増えだしていますが、スキンケアをしていない男性は「みんなスキンケアなんてしてないだろう(=自分にも必要ないよな)」と思っています。
この人にスキンケア商品を売るためには、「みんなも使ってない」という考えを変えてあげる必要があります。
そのためには「フォールスコンセンサス効果」の力を打ち砕かなくてはいけません。
そこで使えるのが、アンケート調査結果や顧客の声です。
自分と同じような人たちがみんなスキンケアをしているという事実を伝えられれば、自分の思い込みが正しくなかったという証明になります。
多くの人が周囲の人たちの意見を正しいものと感じます。
これを「社会的証明の原理」と言います。
詳しくは、こちらの記事で詳しく解説しているのでチェックしてみてください⬇︎
自分と周りが違う意見を持っていたり、行動をしていること、自分がマイノリティであることを信じてもらうことができれば、フォールスコンセンサス効果の力に打ち勝つことができます。
スキンケアをしていない男性に、スキンケア用品を手にとってもらうことができます。
「みんなやってるんだ、じゃぁ自分も使ってみようかな」
そう感じさせるところが最初の1歩です。
この状況を私たちマーケターは作り出さなければいけません。
フォールスコンセンサス効果とは|マーケティングで使える行動心理 まとめ
フォールスコンセンサス効果とは、「自分がそうだから他の人もそうだろう」と感じることです。
この思い込みがあるため、ある商品を使ったことがない人は、その商品に対する必要性を感じられず、ずっと買わない人のままでいます。
私たちマーケターは、その思い込みに打ち勝ち、「自分にも必要な商品だ」という考え方になってもらわなければいけません。
そのために活用できるのが、「アンケート調査」と「顧客の声」です。
自分以外の多くの人がその商品を使っていることを示して、「みんなも使っていない」は単なる思い込みだということを訴求します。
人は自分以外の多くの人の意見を正しいものだと感じる傾向があります。
「ただ自分が詳しく知らなかっただけ」ということがわかれば、正しい行動をとっている(と感じる)人たちの真似をしようとします。
人が何を感じてどう行動するのかを知ることで、買わない理由を無くすためのアプローチは取れます。
それによって、マーケティングはゴールへと1歩近づきます。
行動心理についてもっと知りたい!という方は、この本を是非チェックしてみてください!
たくさんの行動心理がわかりやすく紹介されているのでおすすめです⬇︎