売れる商品にはベネフィットがあります。
ベネフィットとは、顧客が手に入れるプラスの結果です。
課題の解決であり、現状からの変化のことです。
ベネフィットについて、こちらの記事で詳しく解説しているのでチェックしてみてください⬇︎
買い手の求めるベネフィットがあれば、商品は売れます。
マーケターは、売れる商品にするためのベネフィットを探すことや作ることが仕事だと言えます。
ベネフィットの見つけ方には2つのアプローチがあります。「ターゲットの課題から始める方法」と「商品の特徴から始める方法」です。
今回は、この2つのアプローチの具体的な手順についてお話しします。
目次
①ターゲットの課題からベネフィットを見つける5つのSTEP
ターゲットの課題からベネフィットを決めるための手順は、以下の5つです。
ベネフィットを決めるための手順
- ターゲットの理想的な状態を洗い出す
- ターゲットの現状を洗い出す
- 理想と現状との間にあるギャップを見つける
- ギャップが埋められていない理由を調べる
- 解決できていない課題の解決を考える
1.ターゲットの理想的な状態を洗い出す
まずターゲットの理想的な状態を洗い出します。
これが求めているものであり、お金を払ってでも手に入れたいものです。
例えば
- 細マッチョでモテモテの自分
- お金に困らない収入のある自分
- 年齢よりも若々しい見た目の自分
など。
2.ターゲットの現状を洗い出す
次に、ターゲットの現状を洗い出します。
これが不満を抱えている対象であり、お金を払ってでも脱出したい状況や状態です。
例えば
- ブヨブヨの体で全然モテない
- 働いても働いても給料が上がらない
- シミやシワが目立ってきている
など。
3.理想と現状との間にあるギャップを見つける
そして、理想と現実との間のギャップに目を向けます。
例えば
- シェイプアップされた体
- 高収入を得られる仕事
- シミやシワのない肌
など。
これらを手に入れることで、ターゲットは自分の理想へと近づけます。
この埋めるべきギャップが解決すべき課題で、顧客がお金を払ってでも手に入れたい結果です。
4.ギャップが埋められていない理由を調べる
そして、なぜそのギャップが存在したままなのかを考えます。
例えば、痩せてモテたいと思っている人は、フィットネスジムに通えばシェイプアップされた体が手に入るはずなのに、なぜまだ手に入れられていないのか?と考えてみます。
仮説としては
- 通える場所にジムがないのではないか?
- 自分の意思で続けることができなかったのではないか?
- トレーニングの仕方が悪く、痩せられなかったのではないか?
- 食事改善に取り組まず、トレーニングだけで痩せようとして失敗したのではないか?
- どこのジムが自分にとってベストなのかが決められないのではないか?
- 他のダイエット方法と迷っているのではないか?
など、解決法がすでにあるのに、まだ解決していない理由を洗い出すことができます。
5.解決できていない課題の解決を考える
ここからがマーケターの腕の見せどころです。
存在する他の商品で解決できていないということは、その解決策となる商品を作れば、買ってもらえるということです。
例えば
- どこに住んでる人でもできるオンラインジムを作る
- 専属トレーナーが正しい食事管理とトレーニングの管理をしてくれる
- 仲間と進捗を確認しながら取り組める
- 体型別のトレーニングプログラムを開発する(健康な体の作り方/モテる体の作り方)
- その人にあったダイエット方法を紹介する診断を受けられるようにする
など。
この5つの手順を踏むことで、売れる商品にするためのベネフィットが見つけられます。
あとはそれを実現させるための開発に取り組むだけです。
②商品の特徴からベネフィットを見つける5つのSTEP
商品特徴からベネフィットを見つける手順は、以下の5つです。
ベネフィットを見つける手順
- 商品の特徴を洗い出す
- 特徴をベネフィットに変換する
- 競合商品のベネフィットを調べる
- 他社には無いベネフィットを見つける
- 他社には無いベネフィットが無ければ、ベネフィットを作る
1.商品の特徴を洗い出す
まず、ベネフィットの理由となる商品の特徴を洗い出します。
例えば
- 機能
- 仕様
- 技術
- 成分
- 製法
- 立地
- 産地
- 作り手、担い手
- サービス
など。
ポイントは、商品が何を持っているか、どんな状態にあるのかを調べることです。
商品を主語にして、文章が成立すればOKです。
トレーニング
以下の商品の特徴を5個ずつ挙げてください。
お掃除ロボット→
スマートウォッチ→
オンライン英会話→
2.特徴をベネフィットに変換する
次に、洗い出した商品の特徴をベネフィットに変換します。
ここはセンスのいるところですが、簡単な枠組みも紹介するので安心してください!
特徴→ベネフィットのポイント
「●●という特徴があるから、○○になる」
これに当てはめるだけで特徴をベネフィットへ変換できます。
例えば
- 鉛筆には、黒煙を細い木の板で挟んでいるという特徴があるから、紙に字がかける。手が汚れない。
- このフィットネスジムには、専属でサポートしてくれるプロのトレーナーがいるから、正しいトレーニングができる。サボらずに続けられる。結果が出る。
- この化粧水には、保湿成分を配合しているから、乾燥した肌が潤う。潤うから肌にハリ・ツヤが戻る。
- このブランドバッグは、品質の良い素材を使っているから、長持ちする。高いものを身につけていて周りに羨ましがられる。
- この人材紹介会社は、エンジニアが多数登録しているから、理想のエンジニアを見つけられる
など。
顧客の手にしたい結果の理由となっているのが、商品の特徴です。
なので、商品の特徴から、顧客の求めている結果を導き出すことができます。
これを「特徴のベネフィットへの変換」と言います。
徴のベネフィットへの変換のポイント
特徴…商品が持っているもの、売り手が行うこと【特徴は主語が商品や売り手】
ベネフィット…顧客が手に入れるもの、顧客の変化【ベネフィットは主語が顧客】
トレーニング
以下の商品の特徴をベネフィットに変換してみてください。
糖質オフのビール→
駅近の立地の学習塾→
毎月おすすめの食材をお届けする八百屋→
3.競合商品のベネフィットを調べる
商品のベネフィットをそのままターゲットに伝えても、すぐに売れるわけではありません。
なぜなら今課題を抱えている人は、既にそのベネフィットを手にしていたり、手にしたことがある人たちだからです。
人の悩みは今この瞬間に生まれるものではありません。
悩んで、解決策を手に入れて、それでも解決できなかったから今も悩んでいるんです。
例えば
- 鉛筆で紙に字が書ける
- パーソナルトレーナーのいるジム
- 保湿してくれる化粧水
- 素材の良いブランドバッグ
- エンジニア特化の紹介会社
という商品に対して、「そんな商品があるなら是非使いたい!」と思う人はほぼいません。
当たり前のベネフィットではターゲットの注意を引くことはできません。
なので、他の企業と違うベネフィットを見つける必要があります。
同じような商品であれば、より価格が安い方か、多くの人が安心できる名の知れた企業かが選ばれます。
その勝負で勝てるのは、資本力のある大企業だけです。
あなたが誰もが知っている大企業のマーケターでなければ、他とは違うベネフィットを探すために、競合商品のベネフィットを調べなければいけません。
4.他社には無いベネフィットを見つける
自社の商品のベネフィット、他社の商品のベネフィットを並べて、自社にしか無いベネフィットを探してください。
それが、ターゲットに対して何よりもまず伝える情報です。
ターゲットは、今ある商品では解決できていない、もしくは解決できないと思っているから、その解決方法を探しています。
相手の求めているドンピシャの解決策を示すことができれば、その商品を手に入れたいと強く思います。
その時、あなたの商品は売れる商品へと変化します。
5.他社には無いベネフィットが無ければ、ベネフィットを新たに作る
もし、他社の商品には無いベネフィットが無かった場合は、新たにベネフィットを作ってください。
簡単なやり方としては、今あるベネフィットを組み合わせて、その複数を同時に満たせる商品にする方法です。
顧客の求めるいくつかの結果を同時に満たせる商品が他にないのであれば、それは他社にないベネフィットだと言えます。
例えば
牛丼の吉野家の「早い、うまい、安い」もベネフィットの組み合わせです。「早い」「うまい」「安い」それぞれはどの店でもあるけど、この3つを同時に提供できるのは吉野家だけという、他にないベネフィットにできています。
もし、組み合わせても他社と同じようなベネフィットしか提供できないようであれば、商品自体を改良するか開発し直すかした方が良いです。今の商品では、求めらる商品にはできないので。
特別なものである必要はありません。独自性のあるものであれば構いません。
【マーケターの仕事術】売れる商品にするベネフィットの見つけ方 <実践編> まとめ
ベネフィットの見つけ方には2つのアプローチがあります。
「ターゲットの課題から始める方法」と「商品の特徴から始める方法」です。
それぞれ5つのSTEPがあります。
ターゲットの課題から始める方法
- ターゲットの理想的な状態を洗い出す
- ターゲットの現状を洗い出す
- 理想と現状との間にあるギャップを見つける
- ギャップが埋められていない理由を調べる
- 解決できていない課題の解決を考える
商品の特徴から始める方法
- 商品の特徴を洗い出す
- 特徴をベネフィットに変換する
- 競合商品のベネフィットを調べる
- 他社には無いベネフィットを見つける
- 他社には無いベネフィットが無ければ、ベネフィットを作る
この手順でベネフィットを見つけて、それを商品の売りとして訴求していけば、ターゲットの注意を引きつけ、興味を引き出すことができます。
それが売れる商品作りの第一歩になります。
ベネフィットの見つけ方の考え方について詳しく知りたい人は、こちらもご覧ください⬇︎