人は3つの条件が揃った時に商品を買います。
- 課題を解決できる商品である
- 商品も売り手も信用できる
- お買い得である(価値>コスト)
課題が解決できる商品かどうかは、顧客が手に入れるプラスの結果(ベネフィット)によって決まります。
ベネフィットについてはこちらの記事で詳しく説明しているので、ご参考ください。
意外と見落とされているのが、2つ目の条件「商品も売り手も信用できる」です。
こらから買ってもらおうとする商品の多くが知られていない商品です。
人は初めて買う商品に対しては、100%疑いを持ちます。
聞いたことのない企業が売っている商品ならなおさらです。
顧客の疑いを晴らして信用を手に入れるために、「証拠」を示さなければいけません。
証拠とは、なぜその商品が効果的なのか、なぜ買い手にとってベストな選択なのかを示す物です。
これを「コンテンツ」と呼びます。
コンテンツについてはこちらの記事で詳しく説明しているので、参考にしてください⬇︎
「Why it?(なぜその商品を買うのか?)」
「Why you?(なぜあなたから商品を買うのか?」
ターゲットの感じている2つの疑問に対して、答えを示して納得してもらうことができれば、あなたの商品は買ってもらえます
今回は、コンテンツの見つけ方についてお話ししていきます。
コンテンツとなる3つの要素
コンテンツは次の3つで構成されます。
- 商品の特徴
- 商品の実績
- 商品の評価
これらの情報が買い手を納得させるための材料になります。
目次
コンテンツの見つけ方① 商品の特徴
商品が持っている特徴を洗い出します。
どんな機能があるのか、どんな素材でできているのか、どんな色なのか、どんな使い勝手なのかなど、商品をいろんな側面から見て、特徴を整理します。
特徴の種類
- 機能
- 仕様
- 技術
- 成分
- 製法
- 立地
- 産地
- 作り手、担い手
- サービス
- etc
事例:お掃除ロボット「ルンバ」のケース
お掃除ロボット「ルンバi3」のベネフィットは、「今までの掃除を手放して、新しいライフスタイルを(手に入れる)」です。
このベネフィットを信じるための証拠として、以下のような特徴があります。
機能
- 最大60日分のゴミを自動ゴミ収集機に収納可能でお掃除からゴミ捨てまで全自動
- パワーリフト吸引で大きなゴミからハウスダストまで取り除く
- フロアトラッキングセンサーで移動距離を把握しながら各部屋を移動
- バッテリー残量が少なくなると自動で充電し、充電後は中断したところから再開
- リアクティブセンサーテクノロジーで、狭い場所への進入を回避
- ダートディテクトテクノロジーによって、ゴミが特に多い場所を検知して集中的に掃除
- 独自のゴム製デュアルアクションブラシでゴミや汚れを取り除く
- スマートスピーカーに対応
- ダストカットフィルターがカビ、花粉、ダニなど99%捕捉
サービス
- 購入日より1年間は無償で修理
- 専門スタッフのサポート
- 修理返却後、90日以内に不具合が再発したら無償再修理
- 純正保守パーツの販売
- 製品情報を管理できるオーナーズサイトの利用
など。
細かくやれば、カラーバリエーションがどうだとか、形がどうだとか、も特徴を表す材料として使えます。
これらの特徴があるから、「今までの掃除を手放して、新しいライフスタイルを(手に入れる)」を実現できます。
商品の特徴は、買い手に「確かに、それなら得たい結果が手に入る」と感じてもらえる理由になっている必要があります。
https://www.irobot-jp.com/product/i3
コンテンツの見つけ方② 商品の実績
次に、商品の実績を洗い出します。売り手の実績も、商品への信用にプラスできます。
実績の種類
- 販売数
- 売上
- 顧客数
- 事業暦
- 店舗数
- 社員数
- etc
事例:お掃除ロボット「ルンバ」のケース
- 開発販売するアイロボット社は1990年に創設
- 2016年には6億6100万ドルの売上
- 2002年にロボット掃除機ルンバを発売
- 全世界で3,000万台以上を販売
- 600人以上の専門家が在籍
などが実績になります。
すごい会社が作ってる商品なんだなと感じますよね。
たくさん売れているのは、良い商品だからだという証明になります。
https://www.irobot-jp.com/press/pdf/20210217_2.pdf
https://www.irobot-jp.com/irobot/company/profile.html
コンテンツの見つけ方③ 商品の評価
3つ目は、商品への評価です。第三者によるお墨付きです。
評価の種類
- 顧客の声(口コミ)
- 専門家のコメント
- メディアの取材
などがあれば、その商品への信用の材料となります。
事例:お掃除ロボット「ルンバ」のケース
口コミ
- ファブリック調のグレーボディがインテリアによく馴染む
- 表面には硬化加工が施されていて、ホコリや指紋がつきにくいのもいいですね
- なんといってもうれしいのが、9万9800円という現実的な価格で「ルンバ i3」本体と自動ゴミ収集機「クリーンベース」のセット(ルンバ i3+)が手に入るということ
- クリーンベースのおかげで、我が家のゴミ捨ては一気にラクになりました
- 頻度は約60日に一度なので、ゴミ捨てがあることすらほとんど忘れてしまうイメージです
- ルンバ本体からクリーンベースへのゴミの流路は密閉されていて、細かいホコリでも外に漏れることはありません
- 花粉に悩ませられるこの季節、せっかくルンバで吸い取った花粉をまき散らさずに済むのは、本当にうれしいことです
利用者の生の感想は、自分が使ったときのイメージに直結する情報なので効果的です。
自分の状況にあった口コミがあったら、「自分も!」と思いますよね。
顧客の声は強力なコンテンツなので、必ず利用するようにしてください。
専門家のコメント
開発者自体が専門家なので、企業の発信している情報自体が専門家コメントだと言えます。
家電に詳しい人、掃除のプロなどに推薦するコメントをもらうことで、プロモ認める商品だという信用の積み上げになります。
メディアの取材
各種媒体に掲載されています。
https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/watch/00013/01343/
どんなメディアで取材されているか、どれだけの数取材されているかを整理して伝えることで、社会的に信用のある商品だと買い手に感じてもらえます。
【マーケターの仕事】売れる商品にするコンテンツの見つけ方 まとめ
人が商品を買うのは、課題が解決できるとわかり、そのことを信用でき、支払うコストよりも得られる価値が大きいと感じた時です。
「あなたの悩みが解消される、課題が解決する」と売り手に言われても、それを鵜呑みにする買い手はいません。
「本当に?」という疑いを晴らすために、「特徴」「実績」「評価」といった情報によって、納得してもらわなければいけません。
ポイント
なぜ、その商品を使えば課題が解決するのか?の理由になる「特徴」。
なぜ、その商品を安心して買えるのか?の理由になる「実績と「評価」。
これらの情報が多ければ多いほど、ターゲットの疑いは薄れていきます。
売り出した商品や商売を始めたばかりの人がなかなか売れないのは、信用が足りないためです。
買い手の信用を得るための実績と評価が少ないので、安心して買えないことが理由です。
売れる商品にするためにやること
- 知り合いに利用してもらって、小さな実績、小さな評価を作る
- 無料で利用してもらって、小さな実績、小さな評価を作る
最初は稼ぎを度外視してコンテンツという武器を買い集めて、より売れる商品へとパワーアップさせていくイメージです。