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ポジショニング戦略とは|ここだけ押さえておけばOK

マーケティングとは「売れる仕組みづくり」です。

「こうすれば、売れる」状態を作ることと言えます。

売れる状態を作るためには、商品のポジショニングが欠かせません。

今回は、マーケティングの成功を左右する「ポジショニング」について、意味と活用方法についてお伝えします。

 

ポジショニングとは

ポジショニングとは、消費者の頭の中にある「その商品とは●●だ」というラベリングをしてもらうことです。

商品を売る時に、買い手に知られているかどうかは大事です。

まず知られていなければ、買ってもらうことはできません。

でも、ただ知られているだけでは不十分です。

「どう知られているか?」がより大事になります。

なぜなら、自分に必要な商品かどうかは、その人がその商品のことをどう見ているかによって決まるからです。

なので、売り手はターゲットに選んでもらえる「ポジショニング」を確立する必要があります。

有名で、かつ実戦でも使える「STP」という考え方があります。

「セグメンテーション」「ターゲティング」「ポジショニング」の3つを決めることで、マーケティングしていく市場を決めるというものです。

市場を細かく分けて、狙う市場を決めて、どういう立ち位置を獲得するかを決めるという方法が「STP」です。

今回は「STP」については詳しく解説しませんが、その中でも重要な「ポジショニング」の考え方についてまずお話しします。

STPについて詳しくは、こちらの記事で詳しく解説しているのでチェックしてみてください⬇︎

 

ポジショニングが必要な理由

なぜポジショニングがマーケティングに必要かというと、市場にはたくさんの似たような商品があるからです。

特に今の日本のように成熟した市場では、同じ機能を持った商品は山のようにあります。

基本的には買い手は課題を解決するために商品を買います。

わかりやすい課題は、不便を便利にしたいというものです。

例えば

  • 動かなくても部屋をきれいにしたい→お掃除ロボットを買う
  • 洗い仕事をなくしたい→食洗機を買う
  • 外回りの仕事で足が疲れる→軽くてクッション性の高い靴を買う

お掃除ロボットや食洗機や靴がこの世に1つしかなければ、ポジショニングは必要ありません。

でも、同じ不便を解消する機能を持った商品はたくさんありますよね。

その類似品の山からあなたの商品を選んでもらうためには、機能以外の理由が必要です。

それを実現するのが「ポジショニング」です。

例えば

  • 一人暮らし用お掃除ロボット
  • グラス洗いが得意な食洗機
  • アクティブに働く人の靴

など。

「その商品とは●●だ」というラベルが、買い手の望んでいるものや買い手の状況にマッチしていれば、その商品は類似品の山の中から見つけてもらえる商品になります。

ひとり暮らしをしていて掃除が面倒だと感じている人がいた時、広くない部屋でも使える小型のお掃除ロボットがあれば、「一人暮らし用お掃除ロボット」は特別な商品に映ります。

食洗機でグラスに水滴の跡が残るのが嫌だと感じている人がいた時、グラスがピカピカになる食洗機があれば、「グラス洗いが得意な食洗機」は特別な商品に映ります。

外回りの仕事をしていて足が疲れると感じている人がいた時、歩いても疲れない靴があれば、「アクティブに働く人の靴」は特別な商品に映ります。

そして、記憶に残り、選択肢の中の優位な場所に居座ることができます。

はむ師匠
買い手の求めている価値がポジションになるんだね〜

ポジショニングのために必要なこと

それは、「1番乗りである」ことです。

二番煎じでポジショニングすることはできません。

ポジショニングは「その商品とは●●だ」というラベルを見込み客の中に作ることなので、一度他の商品で「その商品とは●●だ」というラベルが貼られたら、あなたの商品がいくらポジショニングを取ろうとしても、そのポジションを奪うことは難しいです。

なので、今ないポジションを取りに行くことがポジショニングになります。

ポジションを取るための努力は最初にしなければ意味がないということです。

すでに確立されているポジションを奪いに行こうとするから、努力虚しく撤退に追い込まれるということを覚えておいてください。

そして、商品自体がそのジャンルを表すポジショニングにできたとき、絶大な力を発揮します。

例えば

  • コーラと言えば?→コカコーラ
  • ファーストフードと言えば?→マクドナルド
  • 牛丼と言えば?→吉野家

など。

目隠しをしてコカコーラとペプシコーラを飲み比べてもらうと、多くの人がペプシコーラを選んだのに、コカコーラとペプシコーラだと明かされて飲み比べたら、多くの人がコカコーラを選ぶそうです。

これがポジショニングの力です。

多くの企業がこれから事業を成長させようとしています。

周りを見渡せば、自分の商品よりも優れている、すでに何かしらのポジションに1番乗りをしている企業ばかりだと思います。

メンバー
手遅れってことですよね?

大丈夫です。

全てをカバーできている企業や商品はないので、必ずあなたの商品が取れるポジションは存在します

ポイントは「万人受けを目指さない」ことです。

特に後発の場合、どこを攻めようとしても、すでにそこでポジションをとっている企業が存在します。

なので、できるだけ誰もせめていないポジションを目指すようにしてください。

 

ポジショニングを決める方法

では、どうやってポジショニングを決めれば良いのかについてお話しします。

ポジショニングの基本戦略は「1番乗り」です。

なので、未開拓分野を探すことが必要になります。

「穴を探す」ことがポジショニングを決める第一ステップになります。

穴を探すためには、今あなたの商品が販売されている市場において、何が当たり前かを書き出してください。

その当たり前の反対側にあるのが、埋めるべき穴です。

例えば

  • 大きいサイズが主流なら、小さいサイズを販売する
  • 手ごろな価格が主流なら、高価格で販売する
  • 持ちやすい形状が主流なら、持ちにくいデザイン性を重視した形状にする
  • 女性モノが主流なら、男性モノを販売する
  • 大人向けのモノが主流なら、子供向けのモノを販売する
  • 日中使うモノが主流なら、夜使うモノを販売する
  • ネットで販売するのが主流なら、リアル店舗で販売する

など。

間違えてはいけないのは、自分たちを出発点に考えてはいけないということです。

例えば

低価格帯のコスメアイテムを販売しているとします。1,000円前後だと思ってください。

自社の商品ラインナップの主流は、低価格のアイテムです。

なので、ポジショニングのために高価格帯のアイテムを販売しようとして、3,000円の商品を作りました。

この商品はおそらく売れません。

なぜなら市場で見たときに、3,000円のコスメアイテムは高価格帯の商品ではないので、市場から「その商品とは高級品だ」というラベルを貼ってもらえないからです。

自社の商品だけで見ると判断を誤ってしまうので、必ず他社の商品や見込み客の感覚を調査するようにしてください。

 

ポジショニング戦略とは|ここだけ押さえておけばOK まとめ

ポジショニングとは、「その商品とは●●だ」というラベリングを消費者の頭の中に作ることです。

ポジショニング戦略はマーケターが押さえておかなければいけない基本戦略の1つです。

多くの商品の中から、あなたの商品を見つけてもらい、自分にとって特別なものだと買い手に感じてもらえなければ買ってもらえません。

ポジショニングは「1番乗り」によって達成されます。

誰かが確立したポジションを後から奪い返すことは至難の技だからです。

市場にある「穴」を見つけて、そこで独自のポジションを築くのが、これから事業を成長させていくマーケターの仕事です。

多くの企業がより多くの顧客を手に入れようと、たくさんの人に向けて商品を作り、コミュニケーションを取ろうとしています。

結果、誰にも刺さらない商品やプロモーションになってしまっています。

誰も打ち立てていないポジションでマーケティングをしていくことで、あなたの商品は発見され、記憶され、買うべき商品として認められます。

そのために、市場の当たり前を洗い出して、それとは逆のアプローチ、そこにはないアプローチを探してください。

そして、その独自のアプローチによって、あなただけのポジションを作ることができれば、マーケティングは成功へと大きく踏み出します。

ポジショニング戦略については、こちらの書籍がおすすめです⬇︎

アメリカの事例が多く共感しづらい部分もありますが、「ポジショニング」という概念を提唱した著者の考えが詰まっている良書です。

  • この記事を書いた人
はむ師匠

はむ師匠

マーケティングの力でハッピーになれる人を増やすために、マーケティングの知識を発信しているマーケティン熊。 「マーケティングを使える人が増えれば、今よりも世の中は良くなる!」と信じて、大企業からスタートアップ企業まで、今まで100社以上のマーケターにマーケティングの使い方を指導してきている。

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