商品を買う理由は、課題を解決するためです。
理想的な状態を手に入れるために、その解決の手段として商品を手に入れようとします。
この商品によって手に入るプラスの結果を「ベネフィット」と言います。
ベネフィットのある商品は買われ、ベネフィットの無い商品は買われません。
ベネフィットについては、こちらの記事で詳しく解説しているのでチェックしてみてください⬇︎
ベネフィットはマーケターのあなたが決めます。
ターゲットが何を求めているのかは、あなたが誰よりも知っているからです。
「そんなこと言われても、ベネフィットってよくわからない…」
と思った方も安心してください!
この記事を読めば、ベネフィットの見つけ方がわかるようになります。
目次
多くの企業がやってしまっているベネフィットの間違い
多くの企業は、ベネフィットをターゲットに正しく伝えられていません。
自分たちの商品の良さをアピールするばかりで、顧客の求めている「プラスの結果」に注目させられていない企業が多いです。
例えば
- タウリン3000mg配合
- Core i9 10900K搭載
- 最新のトレーニングマシンを設置
など。
「だから何?」「それでどうなるの?」が伝わらない情報です。
もちろんその道のプロが見れば、「まじでー!それはヤバイ!すごい!」と感じるかもしれません。
ですが多くの顧客は、その道の素人です。
なので、「どんな結果が手に入るのか?」を具体的に伝える必要があります。
そうしなければ、自分に関係のない商品だと思って、立ち去ってしまうからです。
今回は、ターゲットに伝えるべき商品の「ベネフィットの見つけ方」についてお話しします。
ベネフィットを見つける2つのアプローチ
ベネフィットを決める方法には、2つのアプローチがあります。
- ターゲットの課題から考える方法
- 商品の持つ特徴から考える方法
前者は「商品を開発したり改良したりする時に活用できる方法」で、後者は「既にある商品を売る時に活用できる方法」です。
それぞれ詳しくお話ししていきます。
ターゲットの課題からベネフィットを見つける方法
ベネフィットの見つけ方の1つ目は、「悩みから課題を見つけて解決策を考える方法」です。
ターゲットの求めていることを探そうとすると、見つけられなかったり、自社に都合の良いことを考えたりしがちです。
なので、その人が何を解決したいと思っているのか、なぜ解決したいと感じているのかを知るところから始めます。
何に悩んでいるかわかれば、その状態や状況が無くなることが求められている結果です。
これは、人の悩みから考えるアプローチだと言えます。
ベネフィットの見つけ方①
●●で悩んでいる人は、○○が欲しい(○○になりたい)
例えば
- 太っていることを悩んでいる人は、痩せてスリムな身体になりたい
- 売り上げが上がらなくて悩んでいる経営者は、今よりも多くの売上が欲しい
- 自分に似合う洋服がないと悩んでいる人は、自分のイメージにぴったりの洋服を見つけたい
- 朝起きられない人は、決まった時間に起きられるようになりたい
- 子供が夜泣きして不眠の人は、赤ちゃんにすやすやと寝てほしい
など。
課題は、理想的な状態と現状とのギャップにあります。
そのギャップが解消された時、理想的な状態になれるので、それをなんとかしたいと感じます。
例えば
給料を増やしたいという理想的な状態があり、現状は安月給の企業で働いているなら、課題は「給料の高い企業への転職」となります。
そして、給料の高い企業への転職ができた時、給料が増えるという理想的な状態を手に入れられる、という感じです。
商品の特徴からベネフィットを考える方法
ベネフィットを決めるもう1つの方法は、「商品の特徴をベネフィット化する方法」です。
ベネフィットとは、商品を使うことで手に入る「プラスの結果」のことです。
商品が持っている機能や仕様などの特徴によって、顧客が手に入れる結果と言えます。
なので、商品がどんな特徴を持っているのかを調べて、その特徴によってどんなプラスの結果が提供できるのかを考える、というアプローチになります。
ベネフィットの見つけ方②
商品の●●という特徴によって、顧客は〇〇ができる(〇〇になれる)
例えば
- カラーバリエーションがあるので、自分好みのデザインを選べる
- 脂肪を燃焼させる成分が配合されているから、手軽に痩せられる
- 社員の生産性を2倍にできる仕組みがあるから、売上が2倍になる
- プロのコーディネーターが選んでくれるから、自分のイメージにぴったりの洋服を着られる
- 頭蓋骨に響くくらいの爆音が出るので、決まった時間に必ず起きられる
- 赤ちゃんの心地よいリズムで振動を与えるベッドだから、夜の間すやすやと寝てくれる
など。
このベネフィットの見つけ方は、すでに完成している商品を売れる商品にするために考える方法です。
多くのマーケターがこの方法を使えば、今よりも売れるようになります。
マーケターが選んではいけないベネフィットの選択
もしあなたがこれから事業を成長させていく段階の企業なら、間違えても他社と同じベネフィットを訴求しないでください。
なぜなら、同じ結果が手に入るなら、安い方を選ばれるからです。同じくらいの価格帯であれば、より知名度のある方が選ばれます。
つまり、どちらの場合も一部の大企業以外は不利な状況になります。
大企業は開発力や資本力、組織力などによって、より安い商品を大量に生産して、全国どこへでも届けることができます。
知名度もあり、商品の価値以外にも選ばれる理由をたくさん持っています。
これが他社と同じベネフィットを訴求してはいけない理由です。
競合商品と同じベネフィットを訴求しても良いケース
ですが、他社と同じベネフィットを訴求しても良い場合があります。
それは、同じベネフィットを訴求している企業が、あなたの企業よりも小さな規模の企業の時です。
なぜなら、逆にあなたが資本力や組織力の力勝負に持ち込めるからです。
その競合商品よりもより安い価格で販売するための改善ができたり、より多くのターゲットへ訴求するためのプロモーションができたりします。
弱者が強者に勝つためには、強者とは違う土俵で戦わなければいけません。
トップシェアを奪いにいくのではなく、その他大勢からシェアを奪うことで、有利な状況を作っていくことが大切です。
売れる商品にするベネフィットの見つけ方 まとめ
ベネフィットのある商品は買われ、ベネフィットのない商品は買われません。
顧客の求めるベネフィットがあれば、買ってもらえるという単純な話です。
2つのベネフィットの見つけ方
1つ目は、ターゲットの課題から見つける方法です。
ターゲットが抱えている悩みを見つけて、その解決方法をベネフィットにするものです。商品開発や商品改良の時に使えるアプローチです。
2つ目は、商品の持つ特徴から見つける方法です。
商品の特徴を洗い出して、それらをベネフィットに変換することで見つけるアプローチです。
どちらも、他の商品と同じベネフィットでは意味がないので、競合商品のベネフィットを調べて、それが持っていないベネフィットを自社の商品のベネフィットとします。
選ぶべきベネフィット
多くの企業が、大企業を追いかける中小企業です。なので、世の中に既に存在するベネフィットで戦ってはいけません。
世の中にある商品が満たせていない課題の解決を提供できる商品を、ターゲットに届けなければいけません。
ベネフィットは、ターゲットが商品を選ぶ時の最初の検討ポイントです。
知名度も資本力も組織力もある企業と比較されては、どうやっても勝てません。
なので、他社が訴求していないベネフィットを考えて、訴求するようにしてください。
そうすれば、売れない商品が売れる商品へと変わっていきます。
ベネフィットの見つけ方<実践編>はこちら⬇︎