良い商品があり、それを欲しいと思った人がいても、その人が商品のことを知らなかったり、それが買える場所へたどり着けなかったら、商品は売れません。
なので私たちマーケターは、商品を買う可能性のある人に対して、商品のことを知らせて、興味を持ってもらって、納得してもらって、買うと決断してもらう必要があります。
このターゲットが顧客になるまでの流れを「顧客化プロセス」と呼びます。
顧客化プロセスを進むに連れて、商品に興味を持っていなかった人が「欲しい!」「買いたい!」「買おう!」と思ってもらえなければ、商品は売れません。
このプロセス作りがマーケティング活動、売れる仕組みづくりそのものだと言えます。
今回は、マーケターの仕事「顧客化プロセス作り」を理解するために知っておいていただきたいお話をします。
目次
人が商品を買う理由
人は次の3つの条件が揃った時に、その商品を買います。
- 自分の課題を解決できると感じた
- 商品も売り手も信用できる
- お得に買える
なぜ、自分の課題を解決できると感じたら買うのか?
人は自分のマイナスをプラスにしたいと思っています。
例えば
- 今よりも収入を増やしたい
- 今よりもモテたい
- 今よりも綺麗な肌になりたい
など。
「自分のこのマイナスがゼロになりプラスになれば、求める理想の状態になれるので、幸せになれる。」
多くの人はそう感じているので、理想と現実とのギャップを埋めたいと常に感じています。
そのギャップを解消するための手段が、課題解決となる商品の購入です。
例えば
- スキルを身につければ収入を増やせるから、プログラミングスクールに申し込む
- 筋肉質な痩せた体になればモテるから、パーソナルトレーニングに申し込む
- シミシワを増やさないために、スキンケアアイテムを買う
など。
商品は顧客の課題を解決し、悩みを解消するために存在します。
「これなら自分の課題を解決できる」と感じれば、欲しいと感じます。
そこが購入の出発点です。
なぜ、商品も売り手も信用できると思ったら買うのか?
多くの人が自分の課題を解決するための商品だと感じても、すぐ買うわけではありません。
なぜなら、その商品もそれを売っている相手も信用していないからです。
例えば
知らない人から道で声をかけられて「この財布買いませんか?私が気持ちを込めて手作りしました。1万円です。」と言われても、100%買いませんよね。
財布が欲しい、そろそろ買い換えたいと思っていても、財布職人かどうかもわからない人が作った財布がちゃんと使えるものなのか不安ですよね。
そもそも、いきなり話しかけてきた知らない相手が売っている商品なんて、買いたいと思いません。
人は知らない商品、知らない売り手に対しては疑いを持ちます。
疑いのない状態、つまり信用されている状態であれば、その商品を買っても大丈夫だと感じて、買おうと思ってくれます。
例えば
もしあなたが、財布を買い換えようとしていて、よく知る友達が財布を作ってくれたとしたら、その財布の出来栄え次第ではそれを買おうと思いますよね。
ビジネスは信用できる相手でなければ成立しない活動です。
多くの企業が自分たちの商品は素晴らしいと思うあまり、信用のない相手に売りつける行為をしてしまっています。
買い手からすれば、道端でいきなり商品を買ってくれと言ってきている不審者と同じです。
なぜ、お得に買えるなら買うのか?
「当たり前じゃないか、お得じゃなければ買わないよ。」と思いますよね。
当たり前のことなのですが、その理由をきちんと理解しておくことで、どういう時にお得だと感じてもらえるのかがわかるようになるので説明しておきます。
人は良い商品、信用できる相手だと思っても、それを手に入れるためのコストが大きいと買うのをやめてしまいます。
例えば
- 1ヶ月でプログラミングスキルが身に付くカリキュラムが100万円
- 2週間で10kg痩せられるダイエットプログラムが50万円
- 3日でシミが消えるスキンケアアイテムが10万円
という感じなら、この商品が欲しいと思っても、買える人は少なくなります。
また、コストというのは金銭的なものだけではありません。
例えば
- 1ヶ月でプログラミングスキルを身に付けられるけど、1日15時間やらないといけない
- 2週間で10kg痩せられるけど、合宿所に缶詰めで他のことは何もできない
- 3日でシミが消えるけど、ブラジルのこの街でしか買えない。たまに副作用でただれる。
のような時間や労力、不安などもコストと考えます。
手に入る価値と、支払うコストを天秤にかけて、より手に入る価値が大きいと感じた時に、買おうと決断します。
なので、お買い得だと感じなければ、買ってもらえないのです。
どれだけ魅力的な商品でも、自分が買える範囲の商品でなければ、買うことを諦めてしまうということです。

人が商品を買うまでの5つの状態変化
人には、商品を買うまでの5つの状態の変化があります。
- 認知
- 興味
- 理解
- 検討
- 購入
何も知らない「無知」の状態から始まり、
商品の存在を知る「認知」状態になり、
商品が気になる「興味」状態になり、
商品に納得する「理解」状態になり、
買うかどうかを迷う「検討」状態になり、
買うと決めて行動に移した「購入」状態の5つです。
何も知らないのに商品は買えません。
商品があると知っただけで買う人もいません。
必ずこの5つの状態の変化をしながら、購入へと近づいていきます。

顧客化プロセスとは|お客さんが増える仕組みを手に入れよう まとめ
顧客化プロセスとは、見込み客が顧客になるまでの道のりのことです。
私たちマーケターは、この道のりを作ることが仕事です。
人は次の3つの条件が揃った時に、その商品を買います。
- 自分の課題を解決できると感じた
- 商品も売り手も信用できる
- お得に買える
なので、私たちマーケターは、買おうと思っていないターゲットに対して情報を届けることによって、買いたい気持ちを高めて買ってもらうように促さなければいけません。
例えば
- 知ってもらうために広告する
- 気になってもらうためにキャッチコピーやビジュアルを作る
- 納得してもらうために説明をする
- 買うかどうか迷わないためにお得な条件を提案する
- 買ってもらうために、買いやすい売り場を提供する
など。
それぞれの状態に合わせて、適切なコミュニケーションを取れるようにするのが「顧客化プロセス」を作るということです。
無知を認知に、認知を興味に、興味を理解に、理解を検討に、検討を購入へと導く道筋だと思ってください。
このターゲットを顧客へと導くプロセスを作ることが、私たちマーケターの仕事です。
