どの媒体で広告するのが良いのかは悩みどころですよね。
web広告をプランニングする時に、気をつけておいていただきたい考え方があります。
それが「直接効果」と「間接効果」です。
今回は、「直接効果」と「間接効果」の意味、どういう使い分けをすれば良いのか、中小企業におすすめのプランニングについてお伝えします。
こんな方に読んでいただきたい記事です。
- 「直接効果」と「間接効果」について知りたい
- アトリビューション分析という言葉を聞いたことがある
- アシスト効果という言葉を聞いたことがある
目次
web広告の「直接効果」と「間接効果」とは
広告の成果をコンバージョンと呼びます。注文完了、申込完了、問合せなどが主なコンバージョン地点です。
広告に反応してランディングページに訪れた人が、そのままコンバージョンした場合「直接効果」があったと言います。
広告に反応してランディングページに訪れた人が、そのままコンバージョンせずランディングページから出たものの、何らかのきっかけで再訪問してコンバージョンした場合、「間接効果」があったと言います。
何らかのきっかけ
- 別の広告を見て反応した
- 後から検索してたどり着いた
- あとで検討しようと思ってブックマークしていた
- メルマガを見て反応した
など。
1つの広告を見て、すぐ買うかどうかを決める人はほぼいません。
いろんな情報に触れた結果コンバージョンしているので、「直接効果」と「間接効果」を分けて考えることが大切になります。
web広告の「直接効果」と「間接効果」の役割
広告をするからにはコンバージョンに繋げたいというのが、私たちの願いです。
なので、「直接効果がある広告をたくさんすればいいじゃないか」と思いますよね。
それはある意味では正解で、ある意味では間違いです。
あなたの商品を必要としている人がいる時、その人に向けて直接効果の高い広告をすれば、コンバージョンしてもらいやすくなります。
でも、あなたの商品を必要としている人が、そもそもいなければどうすれば良いでしょうか?
多くの商品が見込み客の知らない商品です。
だから私たちマーケターは売るためにプロモーションをして、知ってもらって、興味を持ってもらって、買ってもらおうとしています。
なので、あなたの商品を必要だと感じる人を作るための広告が必要になります。
その時に必要なのが「間接効果」のある広告です。
例えば
サッカーを想像してください。
全員が一心不乱にボールを追いかけて、全員が自分がゴールを決めようとしているチームは勝てません。
ゴールを決める役割とゴール手前へパスを回す役割がいるので、ボールをゴールへとスムーズに運べますよね。
広告も同じで、コンバージョンを直接生み出すための広告と、その広告を見るきっかけを作る広告があります。
「直接効果のある広告」は、あなたの商品を知っていて興味を持っている段階の見込み客に対して見てもらう広告です。
「間接効果のある広告」は、あなたの商品を知らない見込み客に見てもらう広告です。
それぞれの役割を果たせた時、コンバージョンが生まれやすくなると言えます。
なので、直接効果のある広告だけでは、コンバージョンの最大化はしづらいので、間接効果のある広告にも投資する必要があります。
「直接効果のある広告」と「間接効果のある広告」
では、どの媒体が直接効果があって、どの媒体が間接効果のある広告媒体なのか気になりますよね。
広告の出し方やクリエイティブの表現の仕方によって変わるのですが、商品を知っているかどうか?という軸で大まかに分けることができます。
直接効果のある広告
コンバージョンに繋がりやすい広告には、検索広告の指名KW配信、ディスプレイ広告のリターゲティング配信があります。
検索広告は、GoogleやYahoo!などで検索した結果表示ページに掲載される広告です。
指名KW配信は、商品名や企業名などのキーワードが検索された時に、広告が出るような配信の方法です。
リターゲティング配信は、ランディングページやサイトに訪問したり、そこで何らかのアクションをした人に対して広告を出す方法です。
どちらもあなたの商品のことを知っている人でなければ、見ない広告ということになります。
商品に興味を持っていなければ、検索もしないし、知っている商品の広告に反応することもないからです。
なので、コンバージョンしやすい見込み客の反応を得やすい広告だと言えます。
間接効果のある広告
間接効果のある広告は、直接効果のある広告以外のもの全てになります。
あなたの商品のことを知らない、興味のない人に向けた広告なので、直接コンバージョンには繋がりにくい広告です。
ですが接点を持つことで、その後の見込み客への反応には何らかの影響を与えられると考えられます。
検索広告の場合は、一般KW配信と呼ばれる情報収集のためのキーワードが検索された時に、配信される広告が間接効果のある広告になります。
例えば
- 悩みの原因を調べるようなキーワード(シワ 原因)
- 課題の解決策を調べるようなキーワード(シワ 予防)
- 解決策となる商品を調べるようなキーワード(シワ おすすめアイテム)
など。
ディスプレイ広告の場合は、媒体の持っているユーザーデータを使ったターゲティング配信が間接効果のある広告になります。
例えば
- 20代男性
- スキンケアに興味のある人
- 子供のいる人
など。
まず知ってもらうための広告と、知ってもらってから買ってもらうまでの広告があることを覚えておいてください。
「間接効果」が大事だという話の本質
サッカーで考えてみてください。
パスを回すメンバーが多ければ多いほど、ゴールにボールを運びやすくなりますよね?
例えが良くないですが、見込み客を1つのボールだと考えれば、広告の場合はボールが1つではありません。
広告を出せば出すほど、ボールは増えます。あなたの商品のことを知って、興味を持つ人を増やせるということです。
そうすれば、コンバージョンする人は増やせて、集客が拡大していきます。
なので、間接効果のある広告が多ければ多いほど、コンバージョンを増やすことができるということです。
ですが、間接効果のある広告からはコンバージョンが生まれにくいので、顧客獲得に繋がらない広告が増えるということになります。
間接効果のある広告を増やせば増やすほど良いけど、増やすためには莫大な広告費が必要になるという話です。
大企業がTVCMなどでイメージ広告を出しているのは、完全な間接効果を狙った広告です。
TVCMを見て「よし!今すぐ買いに行こう!」と思って買い物をした人ってあまりいませんよね(笑)
なので、直接効果のある広告と間接効果のある広告を、どういう割合で実施すればいいのかに悩むマーケターは多いです。
そこで多くの中小企業が取り組むべきweb広告のプランニングについてお話しします。
中小企業におすすめのweb広告プランニング
これからweb集客を強化したい!と思っているあなたにおすすめなのが、「直接効果」のある広告を中心にプランニングすることです。
「え?間接効果が大事だって言ってたところじゃないの?!」と思いますよね。
まずはコンバージョンしやすい見込み客を、しっかりと受け止められる導線を作ってから広告を広げていかないと、ほとんどの広告が無駄になってしまうからです。
配分としては、直接効果のある広告:間接効果のある広告=8:2から始めてください。
あなたの商品を気になった人がコンバージョンまでたどり着く状態を作れて始めて、その導線にたくさんの見込み客に訪れてもらうようにしてください。
最初は広告する対象者の数が少ないので、ほぼ集客につながらないと思います。
なので、そこから徐々に配信対象を広げていきます。
例えば
- 検索広告なら、商品カテゴリ名の検索キーワードに配信する(スキンケア、エンジニア紹介、インスタグラム運用代行など)
- ディスプレイ広告なら、興味関心データを利用して配信する(美容関心、転職、デジタルマーケティングなど)
- アフィリエイト広告を利用して、比較サイトで紹介してもらう
など。
より購買に近い状態にある人と接触できる広告の出し方で、広げていきます。
間接効果目的のweb広告の売り込みがきたら注意!
間接効果がコンバージョンの最大化に大事だということはわかっていただけたと思います。
ですが、どれくらいの広告量が必要かは事業規模によって変わります。
なので、間接効果があるからと言って、コンバージョンに貢献しない広告を積極的に勧めてくる広告代理店が来たらご注意ください。
どれだけ広告を出しても、その後の流れが構築できていなければ、穴の空いたバケツに水を入れ続けているのと同じになるからです。
アトリビューション分析、アシスト効果分析など、間接効果を評価する方法もあるので、それを理由に成果に繋がりづらい広告を提案してこられる場合があります。
もちろん間接効果を正しく評価してプランニングしていくことは大事なのですが、広告予算が限られている場合、直接効果のある広告がほぼ間接効果もあるという結果になりがちです。
事業規模が小さければ、そこまで広告の規模を広げなくても、十分に集客ができます。
その時、集客規模を求めて露出だけを広げる広告は、そこまで必要ないと言えます。
例えば
10ゴール決めれば良いサッカーの試合で、100人も1000人もパスを回してくれるメンバーを増やすようなものです。
ほとんど受け止めきれず、パスを無駄にしてしまいますよね。
なので、事業規模に応じた集客のやり方をしていく必要があります。
まずは予算の掛け方として、直接効果のある広告:間接効果のある広告=8:2から始めてください。
その後、状況を見ながら徐々に間接効果のある広告の比率を高めていけば、集客規模が徐々に大きくなり、事業が安定的に拡大していきます。
直接効果と間接効果とは?web広告プランニングのコツ まとめ
広告には「直接効果」と「間接効果」という考え方があります。
直接効果のある広告とは、コンバージョンに直接繋がる広告のことです。
間接効果のある広告とは、直接効果のある広告を見るきっかけを作る広告のことです。
直接効果のある広告には、検索広告の指名KW配信やディスプレイ広告のリターゲティング配信があります。
どちらもあなたの商品を知って、興味を持っている人しか見ない広告です。
なので、これらの広告に反応した人はコンバージョンしやすくなります。
間接効果のある広告には、検索広告の一般KW配信やディスプレイ広告のターゲィング配信があります。
特定の商品のことを知ろうとしているわけではない人たちに、あなたの商品のことを知るきっかけを作る広告です。
なので、すぐにコンバージョンする人は少なく、直接的な成果貢献はしづらい広告になります。
間接効果のある広告を出すことで、コンバージョンに繋がる見込み客を増やすことができるので、集客規模を拡大したいなら積極的に取り組むべき広告と言えます。
ただ、コンバージョンに繋がらない見込み客の反応も増えるので、予算が多くなければ間接効果の恩恵を受ける間も無く予算消化されてしまい、結果的にコンバージョンが増えず、広告費だけ使ってしまったということも起こり得ます。
なので、まずは直接効果のある広告:間接効果のある広告=8:2の予算配分から始めてください。
集客状況に合わせて、徐々に間接効果のある広告の比率を高めていき、集客規模を広げていくのをおすすめします。