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チームを強化するアドバイス法|マーケティングマネージャーの仕事術

マーケターの実務は、事業規模が大きくなればマネジメント業務がメインになっていきます。

いろんな施策に担当をつけて、計画の実現に向けて実行できるように、進行管理や軌道修正を行うのが仕事になります。

メンバーがあなたの意図を汲み取って行動してくれたり、スキルアップしてパフォーマンスを高めてくれれば、チームの力は最大化されます。

メンバーが成長すればマネジメント業務に工数を割かれなくなるので、マーケティングをよりパワフルにするための企画設計に時間を使えるようになります。

今回は、メンバーが成長して、マーケティングチームが強化されるアドバイスの方法についてお伝えします。

 

結論:答えを出さない

結論からお話しします。

それはメンバーからの相談に対して、答えを出さないことです。

「どうしたらいいですか?」という相談をされた時、あなたは明確な答えを持っているはずです。

なぜなら、あなたが決めた計画に対してメンバーは実行して壁に当たってるからです。

その答えを示すことで、メンバーは判断を間違わず、正しいやり方ができるようになるので、状況を好転させるための答えを多くのマネージャーは伝えています。

でも、この行為がメンバーの成長を止めて、チームの力を高める機会を奪う行為になっています。

人には答えを与えられると思考停止するという性質があるからです。

このことを証明した実験があるので紹介します。

思考停止を招くアドバイスの仕方を証明した実験

ある実験に参加した被験者に、2つの選択を与えました。

Aグループ

「報酬を受け取るかどうかを自分で決めてください」と伝えます。

Bグループ

経済学者から「報酬を受け取って下さい」と伝えます。

結果、脳の意思決定に関係する部分の反応が、Aグループの方が強く起こりました。

これから、誰かに答えを示されると思考停止することが分かります。

思考停止しているということは、自分で考えて行動することができないということです。

マーケティングマネージャーとしては、各メンバーのマーケティング業務を自分の期待以上のものにしてほしいと思っているはずです。

でも、正確さとスピードを手に入れるためにした「答えを示す」というアドバイスが、メンバーに成長してもらって全体のパフォーマンスをアップさせると言う目的からは、逆走する結果に繋がってしまっています。

では、答えを出さずにどうやってあるべき状態に持っていけば良いのか?と思いますよね。

その方法についてお話しします。

 

答えを導くアドバイスのコツ

答えを示さずに答えに導くためにはコツがあります。

それはメンバー自身に、目的と現状とのギャップについて語らせて、そのギャップを解消するどんな方法が取れるかを問うことです。

選択できないということは、その選択では不十分だと感じているからです。

なので選択の判断基準を渡すことで、今取るべき選択をメンバー自身にしてもらえるように促せます。

全ての行動は結果を出すために行われています。

起こっている問題への対処や、より良くするためにどうすれば良いか迷っている時、目的から考えることでより良い選択肢を導くことができます。

例えばこんな感じです

メンバー
広告代理店からAという媒体の提案を受けたのですが、やった方が良いですか?
どう思う?
はむ師匠
メンバー
やったことがない媒体ですし、やってみた方が良いかな…と思ってます
どのあたりが迷っているポイントなの?
はむ師匠
メンバー
本当に成果が増えるのかわからなくて…
手に入れる成果を具体的に言うと何になる?
はむ師匠
メンバー
獲得単価1万円以内での顧客獲得です(キリッ)
その成果に対して、現状はどんな感じなの?
はむ師匠
メンバー
獲得単価の目標は達成できてるのですが、獲得数が増やせてないです…
その媒体で広告することで獲得数を増やせる可能性があるんだよね?
はむ師匠
メンバー
はい、今広告できていない人たちに広告できるので!
獲得できなかったとしても、全体の獲得単価が高くなるだけだよね?
はむ師匠
メンバー
はい、全く獲得できなかったら獲得単価が高くなります…
それは何がなんでも避けるべき状況だと思う?
はむ師匠
メンバー
歓迎することではないですが、獲得数を増やせる方が重要だと思います。
じゃあ、やってみたらいいんじゃない?
はむ師匠

という感じです。

実際にはさらにこんなやりとりになると思います。

ちなみに、獲得数を増やすためにできることは他に何があるの?
はむ師匠
メンバー
提案を受けた媒体以外は特に探せていません…
じゃあ、まず他の施策も含めて選択肢を増やしてみてもらえる?
はむ師匠
メンバー
はい、わかりました!

周りくどいな〜と思いますよね(笑)

この労力を惜しんですぐに答えを出してしまうのが多くのマネージャーです。

思考停止させることで、積極的に働こうとはしなくなっていきます。

その状態だと、あなたはいつまで経ってもメンバーのお守りから離れられません。

自分自身がボトルネックになり、チームで出せる最大パフォーマンスを発揮することもできません。

なので、初期投資だと思って、できるだけ丁寧にメンバーには接することをお勧めします。

例外もあるのでそれについては、こちらの記事で詳しく解説しているのでチェックしてみてください⬇︎

答えを導くアドバイスの手順

まず目的を改めて確認してください。

次に、目的を達成するためのあるべき状態について確認してください。

そして、現状について確認してください。

あるべき状態と現状との間にあるギャップについて確認してください。

選択肢がそのギャップを解消するための対策になっているかどうかを確認することで、今の選択肢が適切かどうかを考えることができるようになります。

そうすれば、選択肢が正しいのかどうか、選択肢が十分なのかどうかをメンバー自身で気づくことができます。

考えるポイントさえ気づければ、その後は違う視点で考えることができるようになるので、自ら答えに近づいて行けるようになります。

答えに導くアドバイスの流れ

  1. 目的を改めて確認する
  2. 目的を達成するためのあるべき状態について確認する
  3. 現状について確認する
  4. あるべき状態と現状との間にあるギャップについて確認する
  5. そのギャップを解消するための対策になっているかを確認する

とても周りくどいやりとりだと感じるかもしれません。

最初は時間も労力もかかります。でも、最初に手間をかけておくことが、後々の大きな力に繋がります。

メンバーが自発的に行動できるようになった時、あなたの仕事はより大きく、楽なものになっていきます。

はむ師匠
相手に発言させるのが大事だね〜

チームを強化するアドバイス|マーケティングマネージャーの仕事術 まとめ

マーケターの仕事は、マネジメントの比重が大きくなっていきます。

事業規模が大きくなれば、いろんな施策を同時進行していくことになるからです。

メンバーが成長してチームの力が高まれば、出せる成果もどんどん大きくなります。

メンバーの成長への貢献がマネージャーの仕事だと言えます。

多くのマネージャーはメンバーからの相談に対して、「答えを示す」という間違いをしてしまっています。

人は答えを示されると、思考停止します。

自分で考えずに、あなたの判断に従うだけの受身型の人間になってしまいます。

その時、あなたが出せる成果以上の成果を出すことはできなくなり、チームで取り組んでいるメリットが無くなります。

メンバーが成長するためのアドバイスのコツがあります。

それは、メンバーの相談に対しては、答えを示すのではなく、答えに導く質問を投げかけるようにすることです。

「どう思う?」「なぜそう言えるのか?」「他の方法でやるとしたら?」など。

答えに導くアドバイスの流れ

  1. 目的を改めて確認する
  2. 目的を達成するためのあるべき状態について確認する
  3. 現状について確認する
  4. あるべき状態と現状との間にあるギャップについて確認する
  5. そのギャップを解消するための対策になっているかを確認する

チームの力を最大化するのがマネージャーの大事な仕事です。

そのためには、1人1人のメンバーがやる気を出して、積極的に成果に貢献しようとする姿勢が必要になります。

そのためにあなたが今すぐできることは、相談された時に相手に質問をするようにすることです。

これだけで、状況はポジティブな方向へと進み、メンバーとの関係性も高まります。

はむ師匠
みんな自分で決めたことをやりたいと思ってるからね〜

こちらの記事もぜひ参考にしてみてください⬇︎

マーケティングチームを動かすコツ|メンバーが自ら動くマネージャーの仕事術

  • この記事を書いた人
はむ師匠

はむ師匠

マーケティングの力でハッピーになれる人を増やすために、マーケティングの知識を発信しているマーケティン熊。 「マーケティングを使える人が増えれば、今よりも世の中は良くなる!」と信じて、大企業からスタートアップ企業まで、今まで100社以上のマーケターにマーケティングの使い方を指導してきている。

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