実行

マーケティングオートメーションの導入に失敗する理由と3つの対策

マーケティングオートメーションを導入すれば、この煩雑な仕事も無くなる!楽になりたい!

そう思って導入したけど、いまいち活用できていないという企業は多いです。

でも事例を見れば、「リードの獲得が2倍になりました!」「成約率が300%upしました!」「残業が減りました!」などと、あたかも魔法の杖を手にれた人たちの喜びの声が散りばめられています。

なぜマーケティングオートメーションを活用できている企業と、メール配信ツールに毛が生えた程度の使い方しかできていない企業があるのか…

今回は、マーケティングオートメーションツールを導入しても失敗してしまう企業の特徴について、マーケティングオートメーションを成功させるために必要な準備についてお伝えします。

 

結論:マーケティングオートメーションを成功させるには、設計士と操縦士が必要

マーケティングオートメーションツールは、私たちマーケターが作った設計図をもとに動きます。

見込み客を顧客化するための流れを正しく把握できていなかったり、相手が反応するアプローチができていないと、期待したような成果は得られません。

なので

見込み客がどういう流れで顧客になるのかを具体的にして、そのためにどんなコンテンツを届ける必要があるのかを明らかにする必要があります。

そして、それが想定通りに動いているのか、仮説通りの結果を導けているのかをチェックして、改善を加えていく調整も必要です。

つまり、なんでも自動でやってくれて成果を出してくれる魔法の杖ではなく、描いたシナリオに対して忠実に実行してくれるロボットだということを覚えておいてください。

 

マーケティングオートメーションを導入してもうまくいかない企業の特徴

マーケティングオートメーションの導入率は年々増加しています。

https://mtame.jp/marketing_foundation/marketing_automation_research_2020/

企業のデジタル改革を進める動きの中、マーケティングオートメーションの導入はわかりやすい対策になっていると言えます。

導入企業や導入したことがある企業の81%は、改めて導入するとしたら専門家のサポートに費用をかけると回答しています。

つまり、ほとんどの企業がマーケティングオートメーションの導入に対して満足していないことが考えられます。

マーケティングオートメーションの導入に失敗しないために、失敗する企業の特徴をお伝えします。

MA導入に失敗する企業の特徴① マーケティングオートメーションツールをまず導入する

1番多い失敗がこれです。

「マーケティングオートメーションを入れればうまくいく」と思っている企業が陥る失敗です。

マーケティングオートメーションツールにはいろんな種類があります。

それぞれ機能やサポート、費用などが異なります。

なので、費用で選んでしまったり、とにかくいろいろできるツールを選んでしまったりしがちです。

そうすると、やりたいことがうまくできなかったり、宝の持ち腐れにしてしまったりします。

多いのは、後者です。

なんとなく顧客リストをMAツールに入れてメール配信をやったり、リード獲得用のフォームをwebサイトに設置したりするだけで終わってしまっている企業はたくさんいます。

何を自動化したいのか?が無いまま、マーケティングオートメーションツールを導入してしまっていると失敗します。

MA導入に失敗する企業の特徴② ターゲットの設計が粗い

マーケティングオートメーションツールは、私たちマーケターの描いた通りの動きをしてくれます。

なので、その指示書となる設計が粗いと、粗い結果しか導いてくれません。

マーケティングオートメーションが自動化できるのは、基本的にはリストの獲得→リストの分類→メール配信などのアプローチ→リストの反応に応じたアクションです。

なので、「誰に・何を・どのように」をどうするのかを決めなければいけません。

例えば

  • どんな方法でリストを獲得するのか
  • どんなリストに分類するのか
  • どのリストに対して、どのコンテンツを届けるのか
  • どの段階でクロージングへ向かわせるのか

など。

マーケティングオートメーションを使えば、webサイト上の行動やメールなどのアプローチへの反応を顧客データと結びつけることができます。

それによって、見込み客の状態を常に把握することができ、相手に合わせたアプローチができるようになります。

究極的には「誰に・何を・どのように」を、見込み客の数だけ存在させられます。

この状態や状況の分解と、それに対応するコンテンツの提供を細かくすればするほど、マーケティングオートメーションの精度は高まります

いろんなパターンを仮説立てて、それに対応するアプローチを決めて、それを具体的な指示書に落とせていなければ、失敗します

ざっくりとした相手に、ざっくりとした情報しか届けられないのであれば、マーケティングオートメーションツールでなく、メール配信ツールでも十分です。

実際には、メール配信ツールの機能も充実してきていて、リストに対するアプローチだけなら十分にマーケティングオートメーションツールと同じことができてしまいます。

MA導入に失敗する企業の特徴③ コンテンツの設計が甘い

多くの企業がマーケティングオートメーションに挫折してしまうのが、このコンテンツ設計です。

自動化してくれると言っても「届ける情報」を自動で作ってくれるわけではありません。

マーケティングオートメーションは運用開始してからが本番です。

設計して、初期設定して、あとはお任せ!とは行きません。

むしろ、コンテンツへの反応を見て、より良くするためのコンテンツに改善したり、リストを育成するためのコンテンツを届け続けなければ、せっかく集めた見込み客の心を掴めずに手放してしまうことになります。

なので、見込み客の役に立つ情報を作り続けなければ、マーケティングオートメーションを本当の意味で使いこなすことはできません。

もちろん、鉄板のシナリオと鉄板のコンテンツができてしまえば、それだけを自動的に運用することで成果を出し続けることはできます。

でも、その状態までには必ず検証と改善が必要です。

コンテンツを作り続ける仕組みを作れていないまま、マーケティングオートメーションツールを導入してしまうと、失敗してしまいます。

 

マーケティングオートメーションの導入に失敗しないための準備

マーケティングオートメーションの導入に失敗しないためにやるべき3つのアクションがあります。

  1. 顧客化プロセスを整理する
  2. コンテンツリストを整理する
  3. 実行計画を具体的にする
  4. Ω

それぞれ解説していきます。

顧客化プロセスを整理する

顧客化プロセスとは、ターゲットが顧客になるまでの流れのことです。

認知→興味→理解→検討→購入の5つのプロセスで作られます。

  • 見込み客は、どこで知るのか?
  • 見込み客は、どんな情報に興味を持つのか?
  • 見込み客は、どんな情報で納得するのか?
  • 見込み客は、どんな条件で検討するのか?
  • 見込み客は、どこから申し込むのか?

この顧客化プロセスに合わせて、マーケティングオートメーションのアクションの条件となるトリガーを決めます。

顧客化プロセスについては、こちらの記事で詳しく解説しているのでチェックしてみてください⬇︎

ターゲットを顧客に変える「顧客化プロセス」の作り方

コンテンツリストを整理する

次に、見込み客との接点でどんなコンテンツを届けることで、次のプロセスへと進んでくれるのかを決めます。

届けるコンテンツは、見込み客がどのプロセスにいるのかで変わります。

  • 興味を引く情報
  • 理解を促す情報
  • 検討を後押しする情報
  • 申込に必要な情報

しかもその内容は1つではありません。

見込み客によって必要としている情報が違いますし、判断のきっかけとなる情報が違います。

その仮説と検証を同時に自動でできるのが、マーケティングオートメーションを活用するメリットです。

なので、細分化したリストに合わせたコンテンツを作れるように、コンテンツをリスト化します

コンテンツは、見込み客リストごとに作成するようにすると作りやすくなります。

例えば

  • 見込み客のプロフィール別(役職/業界/業種/職種など)
  • 見込み客の興味関心別(集客/組織/採用/業務効率/事例/商品など)
  • 見込み客の状態別(セミナー参加/イベント来場/資料ダウンロードなど)

たくさんの「誰に」に対応する「何を」をリストアップしていってください。

実行計画を具体的にする

マーケティングオートメーションの運用に関わらず、多くの計画が失敗する理由は、正しく実行されていないからです。

プランニングって楽しいですよね。

その瞬間は、「これは、とてつもない偉業を成し遂げてしまうのではないか?」と自画自賛しながら、誰もが企画をしていると思います。

いざ走り出すと思ったような反応がなく、「あれ、おかしいな…」と思いながら、思いつきの対策をしてみるものの目立った変化はなく、そうこうしている内に、いろんな理由をつけて別の業務に追われているという人は少なくないと思います。

なので、うまく行かないことを前提に計画を立ててください

失敗する前提でいれば、結果が出る前に次の打ち手を準備しておけるようになります。

失敗する計画は、大きな計画しか立てられていません

作業単位に落とし込んだ小さな計画を作れていない仕事では、気がつけば放置みたいな状況になりがちです。

やり続けるための計画を作ってください。

タスク設計については、こちらの記事で詳しく解説しているのでチェックしてみてください⬇︎

こんな事業計画は失敗する!タスク設定のコツとは

 

マーケティングオートメーションの導入に失敗する理由と3つの対策 まとめ

マーケティングオートメーションは魔法の杖ではありません

私たちマーケターの作った計画を忠実に守り動いてくれるロボットです。

なので、マーケティングオートメーションツールを入れただけで満足してしまうような企業は、必ず失敗します。

マーケティングのための仕組みがないまま、自動化しようとしてもうまくいかないからです。

マーケティングオートメーションを導入する企業に必要なのは、「設計士」と「操縦士」です。

これを担えるマーケターがいないままツールを導入してしまうと、割高なメール配信ツールのような状態になってしまいます。

マーケティングオートメーションの導入に失敗しないためには、3つの準備をしてください。

マーケティングオートメーション導入の3つの準備

  1. 顧客化プロセスを整理する
  2. コンテンツリストを整理する
  3. 実行計画を具体的にする

「誰に・何を・どのように」が具体的になっていなければ、マーケティングは成功しません。

マーケティングオートメーションを導入する時には、誰に対して、どんなコンテンツを、どの方法で届けるのかを決めることになります。

マーケティングオートメーションツールを使えば、見込み客を細分化したリストを簡単に作ることができます。

そのたくさんの細分化された「見込み客」に対して、その人たちの役に立つ「コンテンツ」を用意してください

運用後は、その仮説がどんな結果になったのかを調べて、「見込み客」の分解の仕方を見直したり、「コンテンツ」の作り方を見直したりすることで、パフォーマンスの出せるシナリオを作り上げていきます。

そのための実行計画を作って運用すれば、必ずパフォーマンスを高めていけます。

この3つの準備をすることで、マーケティングオートメーションの導入に失敗しない企業になれるので、是非実践してみてください。

 

  • この記事を書いた人
はむ師匠

はむ師匠

マーケティングの力でハッピーになれる人を増やすために、マーケティングの知識を発信しているマーケティン熊。 「マーケティングを使える人が増えれば、今よりも世の中は良くなる!」と信じて、大企業からスタートアップ企業まで、今まで100社以上のマーケターにマーケティングの使い方を指導してきている。

-実行
-, ,

© 2024 マーケティング道場|初心者→プロへの道