マーケターが抑えておくべきダイレクトレスポンスマーケティングについてお話しします。
デジタル社会において、企業のマーケティング活動は全て顧客からの直接的な反応によって評価することができます。
今回はダイレクトレスポンスマーケティングについてお話しします。
目次
いろんなマーケティングの正体
マーケティングという言葉はいろんな形で伝えられています。
例えば
- SNSマーケティング
- 動画マーケティング
- webマーケティング
- デジタルマーケティング
- サーチエンジンマーケティング
- コンテンツマーケティング
- イベントマーケティング、
など。これらはマーケティングの手法の話をしています。
SNSを活用したマーケティング、コンテンツを活用したマーケティングという具合に。
いろんなマーケティングが存在するのではなく、マーケティング=売れる仕組みをどんな手法で実現するかを表現しただけのものです。
webマーケティングやデジタルマーケティングは、webやデジタルを活用したマーケティングという意味になりますが、webやデジタルの活用が当たり前の現代において、もはや死語だと言えます。
ですが、まだまだwebやデジタルを活用できていない企業が多いため、webマーケティングやデジタルマーケティングという言葉がまだまだトレンドワードとして使われている状況があります。
その他にも
- BtoBマーケティング
- 採用マーケティング
- 恋愛マーケティング
などというマーケティングの使われ方もあります。
これはBtoB企業が行うマーケティングや、採用活動において活用するマーケティングという意味で使われています。
マーケティングの違いがあるわけではなく、活用の目的が違うためそれぞれ分けて表現されています。
例えば
- BtoBマーケティングの目的は、見込み度の高いクライアント企業を営業担当へ繋ぐこと
- 採用マーケティングの目的は、希望する人材を採用すること
- 恋愛マーケティングの目的は、好きな相手に自分を好きになってもらうこと
という感じです。
もちろんゴール設定はそれぞれですが、通常のマーケティングの目的「商品を売る」とは異なるゴールになります。
ダイレクトレスポンスマーケティングとは
Direct Response Marketing(DRM)は、顧客に直接販売する手法をとるマーケティングのことです。
顧客に直接販売するって普通じゃないの?と思うかもしれませんが、実際には私たちがしているのは間接的な販売が多いです。
例えば
- 食料品を買う時に行くスーパーやコンビニ
- 家電を買う時に行く家電量販店
- 日用品や薬を買う時に行くドラッグストア
- 車を買う時に行くディーラー
など。
最近は保険商品を取り扱う店舗などもありますよね。
いろんな会社の保険を取り扱って、相談者に合った保険商品を販売するという代理販売を行っています。(実際には販売代理店が売りたい商品を売っているだけなんですが…)
このように日常的に買われる商品の多くは、小売店と呼ばれる販売事業者によって売られています。
メーカーと買い手の間に、小売店が挟まる形です。
間接販売 メーカー→卸し→小売→顧客
直接販売は、小売店を挟まず、メーカー自身が販売も手掛けることです。
直接販売 メーカー→顧客
通販がわかりやすい例です。
買い手は売り手であるメーカーに直接購入を申し込み、メーカーは受けた注文に応じて直接、買い手へ商品を届けるという仕組みです。
この直接販売の仕組みを売れる仕組みにするのが、ダイレクトレスポンスマーケティング(DRM)です。
ダイレクトレスポンスマーケティングには3つの特徴があります。
DRMの3つの特徴
- 顧客のことがよく分かる
- 集客コストが抑えられる
- 改善がしやすい
この特徴によって、間接販売よりも有利にビジネスを進めることができます。
それぞれ解説していきます。
DRMの特徴① 顧客のことがよく分かる
顧客を知ることはマーケティングの第一歩です。
自分たちがターゲットにしている人に買ってもらえたのか、想定していなかった人に買ってもらえたのかを知ることで、次の打ち手が変わってきます。
顧客の情報を知らなければ、やっていることが正しいのか間違っているのかがわからないので、顧客を知ることはとても大切です。
例えば
あなたはポテトチップスを製造販売するメーカーだとします。
商品はスーパーに卸して販売しています。
1日に100袋の販売目標があり、今日売れたのが50袋だとします。
目標達成させるために、何をしたらいいと思いますか?
50袋売れただけでは、なぜ50袋売れたのか、なぜ50袋しか売れなかったのかはわかりませんよね。
どこの誰が買ったか、なぜ買ったのか、初めて買った人なのか、月に何度か買ってる人なのか、どれくらいの頻度で買われる商品なのかなど、売れた理由がわからなければ、何をどうすればより売れるのかはわかりません。
でも、販売を小売業者に任せているため顧客は見えなくなっています。
売り場では、全体の販売傾向を見て「金曜の夕方にポテチがよく売れる、だから買いやすい棚に並べよう」などと売り場の工夫をしたりできますが、メーカーとしてはより売れる商品にするための理由を掴むことができません。
そこでメーカーがよくやっているのは、顧客の情報を手に入れるために応募型のキャンペーンをしたりアンケート調査をしたりして、自社の製品の顧客がどういう人なのかというプロフィールを手に入れています。
でも、そのデータをどう活用できるのかというと、さほど使い道がありません。
なぜなら、アンケートなどで取れる情報は表面的なものしかなく、想像した顧客がそこにいることがわかるだけだからです。
例えば
- 子供のいる主婦が子供のおやつのために買う
- OLが週末の自宅動画鑑賞のお供に買う
- 学生が自分のおやつのために買う
など。
マーケティングにおいて重要なのは、1人の顧客がどれだけ買ってくれているかです。
LTVを高めることが、集客力を高めるための必須条件です。
LTVについてはこちらの記事をご覧ください⬇︎
なので、誰が、いつ、どの商品を、どれだけ買っているかを知ることがとても大切になります。
この情報をメーカーが知るためには、直接販売して購入者のデータを手に入れるしかありません。
小売業者へ販売を委託していては、顧客の情報を集められたとしても、それは小売業者の持ち物なので、メーカーが扱うことはできません。
直接販売をしていれば、顧客のプロフィールを細かく知ることもできますし、どういう頻度で買うのか、どんな商品と一緒に買うのか、いつ買うのか、どれだけ買うのかなどの購買傾向もよくわかります。
より詳しい顧客の購入状況や購入態度を知れることで、取れる打ち手も多くなります。
それによって、より顧客に求められる状況を作ることができ、マーケティングが成功へと近づいていきます。
DRMの特徴② 集客コストが抑えられる
もしあなたが小売店に商品を売ってもらっているとしたら、同じお客さんにもう一度買ってもらいたいと思った時に、何ができますか?
間接販売では、どこの誰が買ってくれたのかが分かりません。なので、同じお客さんにもう一度買ってもらうことはできません。
もう一度買ってもらおうとしたら、また広告をして集客をし直さなければいけません。
ダイレクトレスポンスマーケティングなら、誰が買ってくれたのかが分かります。
なので、同じ人にもう一度売ることができます。
しかも、最初に買ってもらう時に、住所や電話番号やメールアドレスなどの連絡先を取得できているので、DMを送るとか電話をかけるとかメールをするとか、費用のかからない方法で販売促進ができます。今ならLINEを活用するのも有効ですね。
ダイレクトレスポンスマーケティングでは商品を買ってもらって終わりではなく、顧客とコミュニケーションを取ることで、繋がり続け、友好的に商品を買ってもらえる状況を作ることができます。
顧客に直接売る方法は、広告媒体を使って集客するよりも、費用がかかりません。
DMなら100円程度で送れます。電話ならほぼオペレーターの人件費分です。メールならほぼ無料で送れます。
直接アプローチできることで、コストのかからない集客を増やすことができます。
ダイレクトレスポンスマーケティングの集客コストが抑えられるという特徴をより理解するために、限界CPOという考え方を知っておくと良いですよ⬇︎
DRMの特徴③ 改善がしやすい
マーケターの仕事は、設計・実行・改善です。
いきなりうまくいくことは、残念ながらほぼありません。
なので実行した結果を知り、何が良くて何が悪かったのかを考えて、よりうまくやるためには何をすれば良いのかを考えて実行していかなければいけません。
そのために、実行した結果が具体的にわかることが大切です。
100万円使って何人集客できたかわからなければ、その施策がうまくいったのかどうかは評価できないので。
直接販売をしていれば、誰にどの商品が何回買われたかが分かります。
1人の顧客がどれくらいの売上になるのかが予測できるので、1人の顧客獲得のために掛けられる集客コストを具体的に計算できるようになります。
そして、その適正な集客コストを元に、コスパの良い広告媒体や手法を選んでいくことで、改善が進みます。
ダイレクトレスポンスマーケティングとは?マーケティングの王道 まとめ
ダイレクトレスポンスマーケティングとは、顧客に直接商品を売る方法で使われるマーケティングのことです。
大きく3つの特徴があります。
DRMの3つの特徴
- 顧客のことがよく分かる
- 集客コストが抑えられる
- 改善がしやすい
直接販売することで、顧客のデータをメーカーが取得できます。
それによって、どれくらいの頻度で買われる商品なのか、最もよく買われる商品がどれなのか、どんな人が顧客なのかを具体的に知ることができます。
そのデータを利用して、より良い商品への改良や、より売りやすい売り方への注力ができるようになり、売れる仕組みが完成へと近づいていきます。
商品を卸して、小売販売をするビジネスモデルがまだまだシェアを占めてはいますが、ネットを利用した直接販売は拡大しています。
昔は卸しかしていなかったメーカーも、自社ECを作り直接販売するビジネスモデルを展開しています。
ネットの普及で中間事業者が排除される流れもできてきており、売り手が買い手と直接繋がりビジネスをすることが、より当たり前のビジネス環境になっていきます。
今の時代の全てのマーケターは、ダイレクトレスポンスマーケティングに取り組んでいると言っても過言ではありません。