マーケティング全般

事業成長期の企業がマーケティングに失敗する理由

企業には3つのステージがあります。立ち上げ期・成長期・拡大期です。

マーケターは、事業ステージに応じたマーケティングのやり方をしなければいけません。

3つの事業ステージについては、こちらの記事を読んでみてください⬇︎

マーケターが知っておくべき3つの事業ステージ

この中でも、立ち上げ期と成長期のマーケティングがうまくいかなくなるのには理由があります。

それは、違うステージの正解を自分たちのステージに取り入れようとしてしまっていることです。

事業ステージが違えば、できること・やるべきことが違います。

身の丈にあった施策展開や人員配置をしていないことで、無駄がたくさん出てしまいます。

今回は、成長期の企業で起きるマーケティングの間違いについてお話しします。

この時期の企業は、立ち上げ期に比べてマーケティングに使えるお金ができている分、大きく失敗しがちです。

成長期の企業で起きている問題について、問題を起こさないためのチームや施策の考え方について学んでいきましょう。

 

事業成長期のマーケターの仕事

成長期は、マーケターがディレクターの役割を担う段階です。

ディレクターとは、決められた方針の通りに業務が進められているかを管理監督する役割です。

社内外で実務を担うメンバーが増えて、彼らの力を借りながら事業を前に進めている段階になります。

立ち上げ期に自らやっていた施策実務を、他の誰かにやってもらえるので、同時に複数の実行ができるようになります。

力を寄せ集めることで、より大きな力を発揮して、事業を大きく育てていくのが成長期ステージのマーケターの仕事です。

これまでのように自分がペダルを漕いでいてはいけません。

すでに自転車から自動車へ乗り換えている状態なので、あなたが自分でペダルを漕ぐのではなく、ペダルを踏むだけで前に進む仕組みを最大限活用してください

仕組みを最大活用するとは、マーケティングにおける各役割を自分以外の誰かに任せるということです。

例えば

  • より売れるための商品改良
  • より顧客を深く知るためのリサーチ
  • より多くの顧客に届けるための広告運用
  • より顧客に理解してもらうためのコンテンツ作り
  • より買いやすい売り場作り

など。

立ち上げ期のマーケターが1人でやっていたことを仕事に分けて、それを担う役割をおいて、同時に実行できる状態を作ることが、成長期のマーケターの役割です。

実務をするのではなく、実務をする人の力を引き出し、実行がスムーズに進められるようにメンバーをサポートをしてください。

間違えても、あなたが実務に一生懸命になったり、誰かを雇ってあなたの役割を任せようとしたりしないように。

はむ師匠
実務に没頭して安心しがちだよね〜

 

事業成長期の企業で起こりがちな人材活用の間違い

多くの企業には、より成長を加速させるための人材が必要です。

ですが、適切な人材をチームに招き入れられていないため、うまくいっていない企業が多いです。

多くの経営者や人事担当は、マーケティングのためにこういう人材が必要だと考えています。

必要な人材

  • 市場を読み解くためのリサー チ力がある
  • 生活者の行動心理に詳しい
  • 見込客を振り向かせるためのコミュニケーション設計力がある
  • プロモーションへの幅広い理解を持っている
  • コンテンツを作る力がある
  • 各分野の専門家の力を発揮させ るためのディレクション力がある
  • 結果を正しく読み解く分析力がある
  • データやテクノロジーへの理解がある
  • 最新のツールを使いこなせる
  • 業界の専門家との繋がりを持っている

など、高い専門性と経験が必要だと。

ですが、これらの能力やスキルを高いレベルで手に入れられるのは大企業です。

レーシングカーに乗っている大企業でなければ、扱えない人材だと言えます。

中小企業は乗用車に乗っている状態です。

乗用車で出せるスピードには限界があるので、レーシングカーを操縦できる人を加えても意味がありません。

さらに言えば、ハイレベルでできる人の報酬は高額です。中小企業であれば、役員レベルの報酬が必要になることもあります。

なので、そもそもそこまでの報酬を支払うつもりがないのに、そういうレベルの人を探すことに時間を使ってしまっているのが実情です。

仮に雇えたとしても、その人のスキルを発揮させられる環境を整えるところから始めなければいけません。

ハイスペック人材と現場人材との差がありすぎると、ハイスペック人材のスキルを発揮できず、宝の持ち腐れにしてしまいます。

はむ師匠
鎖の強度は1番弱い鎖で決まるんだよ〜

 

事業成長期の企業で採用すべき人材

この事業ステージで採用した方が良いのは、自社でリソースの不足している実務を担える人材です。

例えば

  • 広告運用を拡大させたいなら、広告運用経験者
  • 制作物のクオリティを高めたいなら、制作経験者
  • 顧客フォローを強化したいなら、カスタマー対応経験者

など。

成長期の中小企業では、そもそもやれることが限られています。

まずは今の仕組みのボトルネックを外すためのリソースを確保するのが先決です。

足りないピースを埋めてくれる人が最適な人材になります。

ポイント

今、40点のところを60点にするくらいのイメージで採用をするとうまくいきます。

企業は1人の力で作られるものではありません。そこに関わる全ての人によって作られるものです。

なので、他の企業で素晴らしい実績を出した人も、全てがその人自身によって手に入れた実績ではないということです。

経営の考え方、働く他の社員やパートナーの違いによって、取り組む課題は変わっていきます。

つまり、80点のスキルがある人も、あなたの会社で80点を出せるかどうかはわからないということです。

なので、実務スキルがある程度あれば、あとは実務を経験しながらその環境でより良くなっていってもらえれば良いだけだと考えて、60点レベルのスキルの人の中から、一緒に働きたいと感じれる相手を探すのが大事です。

そうすれば、「良い人がいないんだよね〜」なんて愚痴を言う必要はなくなります。

はむ師匠
身の丈にあった相手を見つけるってことだね〜

 

事業成長期のマーケティング施策の考え方

施策選びの間違いが起こる構造は、基本的には立ち上げ期と同じです。

自分たちのステージではない他の企業の真似をしてしまうことです。資本力も知名度も実績もまだまだ少ない、成長期の中小企業が大企業の真似をしてしまうと失敗します

例えば

  • TVCMを放映したり
  • 大規模なプレゼントキャンペーンをやったり
  • 超有名人をイメージモデルに起用したり
  • 有名マーケターを高額な報酬で雇い入れたり
  • 月数十万円もするようなツールを導入したり

など。

高額なシステムやツールを導入して、たいして使いこなせていない中小企業がよくあります。

例えるなら

  • エンジンを変えればスピードが上がると考えて、普通車に1,000 馬力のエンジンを積んだり
  • レーシングカー用のパーツを装着していたり
  • 大した点検が必要ないのに、プロの整備士を常駐させたり
  • 300km/hで走るスキルがあるから言ってレーシングドライバーを雇って、普通車を運転させていたり
  • ブランディングと称して、普通車に派手なペイントを施したり

そんなあり得ない状況になりがちです。

馬力の大きなエンジン、カスタマイズ化されたパーツ、プロのドライバー、走行を支えるプロのサポート役など、早く走るためにそれらが必要なのは、あくまでレーシングカーに乗っている大企業です。

「大企業がやっていること=成功のために必要なこと」ではないということを肝に命じてください。

はむ師匠
大企業は大企業だからうまくいってるんだよ〜

 

事業成長期の企業がマーケティングに失敗する理由 まとめ

多くの失敗する企業は、今やれること・やるべきこと に目を向けず、導入すればスピードが上がるという幻想を元に、ハイスペックな人材やパー ツを求めてしまっています。

そういった人材やシステムを手に入れたとしても、かけているコストに見合う価値が手に入ることは少ないです。

なぜなら、成長期の企業はそれを使いこなす状態になれていないからです。

成長期のマーケターの仕事は、マーケティングを前に進めるためのリソースの最適化です。

実務を担えるメンバーを確保し、そのメンバーの力を最大化し、目指す方向へと差し向けることが仕事です。

なので、自社にあったリソースの確保をするのが、成長期の企業には必要になります。

100点を目指すのではなく、40点を60点にするためのスキルと労働力の確保を目指して、メンバーの確保やチーム運営をするようにしてください。

そうすれば、マーケティングは着実に加速し、事業は成長の踊り場から抜け出していきます。

はむ師匠
高望みしても叶えるのは難しいんだよ〜

こちらも参考にしてみてください⬇︎

事業立ち上げ期の企業がマーケティングに失敗する理由

  • この記事を書いた人
はむ師匠

はむ師匠

マーケティングの力でハッピーになれる人を増やすために、マーケティングの知識を発信しているマーケティン熊。 「マーケティングを使える人が増えれば、今よりも世の中は良くなる!」と信じて、大企業からスタートアップ企業まで、今まで100社以上のマーケターにマーケティングの使い方を指導してきている。

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