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成果に繋がるマーケティング課題の発見法3選

私たちマーケターは、日々たくさんの課題と向き合い、その解決のために奮闘しています。

でも、やってもやっても良い結果が出ないと感じている人は多いです。

その原因は、大きな課題に取り組めていないからです。

小さな課題の解決の積み重ねが、大きな成果に繋がることは間違いありません。

でも、設定した課題がズレてしまっていては、成果が出るまでに余計に時間がかかってしまいます。

目の前の課題に向き合いすぎていると、気づけば迷子になってしっていたりします。

目の前の道に沿って歩いていると、目標地点を見失ってしまうような感じです。

なので、やってもやっても状況が変わらないようなら、大きな課題に取り組む必要があります。

今回は、大きな課題を見つけるための3つの問いについてお伝えします。

はむ師匠
簡単にできる方法なので是非やってみてね〜

ダメな課題の発見方法

課題は理想的な状態と現状との間にあるギャップです。

それを解決すれば、理想的な状態に近づけるという具体的な問題です。

課題を見つけるための基礎的な方法については、こちらの記事で詳しく解説しているのでチェックしてみてください⬇︎

こんな事業計画は失敗する!課題設定のコツ「ギャップ抽出法」とは

場当たり的な決め方をしている

どういう条件や状況があれば、理想的な状態になれるのか?という仮説のない課題を立ててしまっているとうまくいきません。

例えば

  • 100個の商品を売りたいけど、50個しか売れなかった時、もっと売るためにたくさん集客しようとする
  • 獲得単価を抑えるために、安く出稿できる広告媒体を探す
  • リピート率を高めたいので、初めて買う人によく理解してから買ってもらように商品の説明を詳しく紹介する

など。

目の前の出来事に対して、「なぜ、そういう状況になったのか?」を深く考えずに、課題を設定してしまっているマーケターは多いです。

もちろんこれらの課題設定が間違っているわけではなく、他の課題も含めて何が一番の解決策になるのかをもっと検討すべきということです。

他社の成功事例を元に課題設定をしている

もっとダメな課題の見つけ方は、他社がやっていることをそのまま自社にも置き換えて、課題を設定することです。

なぜなら、他社の状況は表面上でしか分からないからです。

マーケティングはいろんな要素が絡み合って結果につながります。

なので、事例紹介として公開されている部分だけを見て、その課題を解決したからうまくいったと思うのは危険です。

また、使っている予算規模も違えば、商品が提供している価値、顧客も違います。企業の知名度や、関わる人たちのスキルも違います。

前提条件が異なる相手の、部分的な課題解決を参考にしても、同じような結果に繋がることはあまりないので、他社事例を鵜呑みにして課題を設定してはいけないのです。

表面的なことだけをマネるだけだと、やることが増えて成果が出ない状況になりがちです。

では、どうすれば大きな課題を発見できるようになるのかについてお話しします。

ここから紹介する3つの問いが、あなたの「課題が見つけられない」という悩みを解決してくれます。

マーケティング課題の発見法① 別の顧客を考える

マーケティング課題の発見法1つ目です。

「今この瞬間、あなたの顧客がいなくなったら誰に売れるか?」を考えてください。

今、商品を買ってくれている顧客がいなくなったら、あなたの商品は誰に売れるでしょうか?

あなたの商品を買ってくれている顧客は、商品を使うことで課題を解決しようとしています。

なので、その課題自体が世の中から消えてしまったと仮定してください。

その時、あなたの商品は他のどんな課題を抱えた人の役に立つことができるでしょうか?

それを考えてみてください。

例えば

カラオケ店でこの問いを立ててみます。

カラオケを楽しみたい人がいなくなったら、誰に売れるか?

その答えが「ビジネスパーソン 」です。

最近、カラオケ店はビジネスパーソン向けにプランを提供しています。

訪問と訪問の間に、作業できる場所を探しているビジネスパーソン はたくさんいます。

多くの人がカフェでお茶をしながら仕事をしています。

でも、カフェだと居れて30分、粘って1時間程度だと思います。

1時間以上、仕事のできる場所を求めている人にとって、お茶代くらいで2~3時間滞在できる場所があるとすれば魅力的ですよね。

日中カラオケを利用するのは学生や働いていない人たちです。なので、料金は安く設定されています。

ビジネスパーソン向けにプランを提供すれば、空き部屋を減らして収益性を高められますし、料金も高めに設定しても利用してもらえます。

リモートワークの場所を、自宅で確保できない人の利用も増えていると思います。

部屋の稼働率を高めて売上を上げるという目標に対して、集客に力をいれるという場当たり的な課題設定ではなく、ビジネスパーソン向けのプランを提供するという大きな課題を設定できています。

マーケティング課題の発見法② 別の商品を考える

マーケティング課題の発見法2つ目です。

「今この瞬間、売っている商品がなくなったら何が売れるか?」を考えてください。

買い手は商品そのものではなく、ベネフィットを買っています。

ベネフィット…利便性、メリット。商品を使うことで手に入るプラスの結果のこと。

でも、売り手は商品を買ってもらっていると思いがちです。

商品をどう売るか?に着目してしまうと、買い手が求めていることを見逃してしまいます。

なので、「商品が無くなったら何が売れるか?」を考えることで、自分たちの提供している価値に着目することができるようになります。

商品という入れ物がなくなった時、何を顧客に買ってもらえるのか?を考えるということです。

例えば

  • ネジを作っていた工場が、加工技術を活かして日用品を作る
  • ケーキ屋さんが、スイーツ作りのスキルを生かして教室を開く
  • アパレルショップの店員さんが、コーディネートアドバイスサービスを行う

など。

自分たちが提供している価値を再認識できるので、今売っている商品にサービスを追加して価値を積み上げることも、別の商品を作って価値を提供することもできます。

ケーキ屋さんとアパレル店員さんの例は、商品への付加価値として提供することもできれば、それ自体を商品化して買ってもらうこともできます。

マーケティング課題の発見法③ 価格を変える

マーケティング課題の発見法3つ目です。

「より高く売る方法はないか?より安く売る方法はないか?」を考えてください。

より高く売る方法の考え方

今の商品をそのまま高くしても誰も買ってくれません。

金額が高いということは、その分価値が高いということです。

なので、高く売るのに見合う付加価値を考える必要が出てきます

例えば

2万円で売っているディナーコースを、20万円で売るためにはどうすれば良いか?と考えた時、料理の質を高めるだけでは不十分です。

同じお店で、10倍の価値を料理だけで提供するのは難しいからです。

顧客の満足度が変わらなければ、価格に見合わない商品となります。

なので、料理の価値を高めることに加えて、他の付加価値も必要になります。

例えば

  • ゲストを自宅まで運転手付きの高級車が出迎えに行く
  • 特別な生演奏を用意する
  • お店を貸切にする
  • お土産に10万円の価値がある

など。

高く売るために出てきたアイデアが課題です。

より安く売る方法の考え方

同じように、安く売れないか考えます。

商品の提供価値を変えずに価格だけを落とすことになるので、利益を出すためには費用を減らすしかありません。

利益=売上-費用

無駄なコストがかかっていないか、顧客が価値に感じていない機能やサービスは無いかを考えます

駅前のお蕎麦屋さんが安い理由は、立ち食いにして回転率を高めて、薄利多売をしているからというビジネスモデル上の理由もありますが、配膳をセルフサービスにしていることで人件費を削減しているという理由もあります。

普通の飲食店なら、注文をとって配膳をする係の人がいます。

出てくる料理の美味しさは、素材と厨房のスタッフの腕前で決まります。

なので、注文をとって配膳をしてくれる人が居ても居なくても、料理の味は変わりません。

そこで、この商品価値に貢献していないスタッフの人件費を削減し、その削減分を商品代金に還元することで、同じ商品をより安く提供することができると考えます。

もちろんお客さんに注文と配膳の手間をかけさせることになりますが、その分安いことにメリットを感じる人たちが、このビジネスの顧客なので問題はありません。

逆に、高いのにセルフサービスになっているようなお店は嫌われます。

高いお金を支払う人は、商品以外の価値に対してもお金を支払っている感覚を持っているからです。

そう考えると、ビュッフェはよくできた仕組みだと思います。

そこそこ高いのに、全部自分でやらされるので(笑)

「より安く売るにはどうすれば良いか?」という考え方をすれば、社内でかかっている経費の見直しに加えて、顧客に過度に提供してしまっている価値を見直し、安くても利益を出せる状態を目指すことができます。

はむ師匠
顧客が重要に感じていない価値を見直すのは大事だよ〜

成果に繋がるマーケティング課題の発見法3選 まとめ

課題とは、理想と現実との間にあるギャップのことです。

そのギャップを埋めることができれば、理想的な状態になれるというアイデアとも言えます。

解決する課題が大きな課題であればあるほど、成果へのインパクトは大きくなります。

やってもやっても成果が出ないとすると、取り組んでいる課題が小さいものの可能性があります。

なので、より大きな課題を設定することが、私たちマーケターには必要になります。

大きな課題を発見する3つの問い

  1. 別の顧客を考える
  2. 別の商品を考える
  3. 価格を変える

あなたの商品を買ってくれる人が世の中から消えたとしたら、誰に対して商品を売れるかを考えてみてください。

あなたの商品が解決する課題が世の中から消えたら?と考えてください。

あなたの商品が消えてしまったら、あなたは何を売ることができるかを考えてみてください。

あなたが商品を通して顧客に提供していた価値は?と考えてください。

あなたの商品をより高く売るために必要なプラスの価値について考えてみてください。

あなたの商品をより安く売るために不要な経費や価値について考えてみてください。

これらの問いによって考えられた課題は、とてもハードルの高いものになりがちです。

なので、「そんなのできないよ…」と感じるものもあるかもしれません。

でも、それをどう乗り越えるかを考えて実行することが、現状を打破するための方法となります。

今うまくいっていないということは、今やっていること、今のやり方が正しくないということです。

なので、今のやり方をただ続けていても、大きな成果には繋がりません。

今できないことをどうにかやることで、大きな成果へとつながっていきます

はむ師匠
大きな課題に取り組めるかが重要だね〜
  • この記事を書いた人
はむ師匠

はむ師匠

マーケティングの力でハッピーになれる人を増やすために、マーケティングの知識を発信しているマーケティン熊。 「マーケティングを使える人が増えれば、今よりも世の中は良くなる!」と信じて、大企業からスタートアップ企業まで、今まで100社以上のマーケターにマーケティングの使い方を指導してきている。

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