商品が売れない…
顧客が増えない…
売上が上がらないから利益も増えない…
これらが多くの企業の悩みです。
商品が売れるためには条件があります。
顧客が商品を買うために必要な条件
- 課題が解決する
- 商品と売り手を信用できる
- お買い得である
この3つの条件をターゲットが納得するレベルで提供することで、商品は売れていきます。
顧客が商品を買う3つの条件を揃えていくことが、私たちマーケターの仕事です。
マーケターの仕事について詳しく知りたい方は、この記事も読んでみてください⬇︎
ターゲットを顧客に変えていくためには、「顧客化プロセス」が必要です。
何も知らない人が、売り手のアプローチによって商品を知り、納得して、購入するための道筋です。
今回は、顧客化プロセスの作り方についてお伝えします。
「顧客化プロセスって何なの?」という方は、こちらの記事をまずご覧ください⬇︎
目次
顧客化プロセスの作り方<全体像>
顧客化プロセスは、ターゲットが商品を手に入れるゴール地点と、ターゲットが今いるスタート地点を結ぶ道筋です。
ターゲットは、認知→興味→理解→検討→購入の5つのプロセスを進むことで、顧客になります。
なので、私たちマーケターは、スタート地点にいるターゲットの意識と行動を変化させることで、5つのプロセスを進んでもらい、顧客になってもらうように促します。
そのために、ターゲットの意識を変化させるための「情報提供」と、ターゲットがアクションを取るための「接点作り」を行わなければいけません。
このターゲットをゴールへと連れていくための、「情報」と「接点」が顧客化プロセスの構成要素です。
顧客化プロセスの作り方
- ゴールの具体化
- スタートの具体化
- 意識と行動のリストアップ(課題)
- 情報と接点のリストアップ(解決策)
- 情報を用意し、接点を作る
それぞれ解説していきます。
顧客化プロセスの作り方① ゴールの具体化
まず、ターゲットをどこに連れていくのかを具体的にします。
そのために、ゴール地点にいる状態を具体的にしていきます。
ゴール地点にいる状態、つまり商品を手に入れた時の買い手の「意識」と「行動」を書き出していきます。
例えば
- この「洗顔せっけん」を使えば肌の調子が良くなると思ったので、webで注文をした
- 駅前でとんこつラーメンを食べたかったので、とんこつラーメンを推しているラーメン屋に入った
- 営業担当の説明がわかりやすく良いパートナーになれると持ったので、契約書にサインをした
など。買い手が最終的な購入をするのには、その行動をとる理由が必ずあります。
気がついたら財布からお金を出して買っていた…なんてことはないですよね。
買い手は必ず、買おうと意識して買っています。
ここでいう意識とは、「この商品は私に取って必要なものだと信じていること」だと言えます。
先ほどの例の場合だと
- この「洗顔せっけん」を使えば肌の調子が良くなると信じたから、webで注文した
- 今食べたい物を食べれば幸せな食事タイムになると信じたから、とんこつラーメン推しのラーメン屋に入った
- 良いパートナーと仕事をすればうまくいくと信じたから、契約書にサインをした
という感じです。
なので、ターゲットがどんな意識を持てば、つまり商品の何を信じれば、その商品を手に入れようと思うのか?を考えてください。
顧客化プロセスの作り方② スタートの具体化
次に、ターゲットが今いる地点を具体的にします。
お店の目の前にいる人と、ブラジルにいる人では、ゴールまでの導き方が変わりますよね。
なので、商品を手に入れていない現時点の「意識」と「行動」を書き出します。
例えば
- 加齢と共に肌が衰えてきたなと感じているので、対策についてwebで検索している
- 美味しいランチを食べたいと思っているので、駅前の口コミをGoogleMapで見ている
- 売上upに繋がる施策を探していて、集客代行の会社に相談を持ちかけている
など。
ターゲットには何か解決したい課題があり、その解決策を探すための行動を取っています。
ターゲットの課題や状態によって、持っている意識や取っている行動が変わります。
なので、リサーチで整理したターゲットの情報を元に、どういうスタート地点にいるのかを、できるだけたくさん書き出してください。
1人として同じ人はいません。なのでゴールは1つですが、スタートは複数あります。
どのスタート地点からでもゴールへとたどり着ける道を作れれば、たくさんの顧客を集めることができます。
ターゲットについて詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてください⬇︎
顧客化プロセスの作り方③ 意識と行動のリストアップ
ゴールとスタートが具体的になったら、ゴールとスタートの間にある差を洗い出します。
ゴール地点にいないのは、ゴールにたどり着くまでの行動が足りていないからです。
どんな行動があれば、ゴールへ行けるのか?その行動のために、どんな意識の変化が必要になるのか?それらを書き出します。
例えば「洗顔せっけん」を販売している場合
ゴール
意識:この商品を買えば、自分の悩みが解消されると信じる
行動:申込フォームから商品を注文してもらう
スタート
意識:肌の衰えに悩んでいる。どういうスキンケアが良いのかわからない。
行動:webでクチコミを色々と調べている
このターゲットに「洗顔せっけん」を買ってもらうためには、このような「意識」「行動」が必要です。
課題
意識:スキンケアは保湿の前の洗顔が大事
行動:ECサイトへ訪問して商品の情報を手に入れる
顧客化プロセスの作り方④ 情報と接点のリストアップ
課題が整理できたら、その課題の解決のために必要な「情報」と、その情報を届けるための「接点」を書き出します。
情報を届けるための接点
顧客化プロセスは、認知→興味→理解→検討→購入の流れで進みます。
この5つの接点で以下の変化を作ることで、ゴールへと導きます。
何も知らない人→商品に気づいている人
商品に気づいている人→商品に興味を持っている人
商品に興味を持っている人→商品に納得している人
商品に納得している人→商品を買うかどうか検討している人
商品を買うかどうか検討している人→商品を買った人
情報を届ける接点の例
- webの検索結果面に表示されるwebサイト
- SNSの検索結果面に表示されるアカウント
- SNSでフォローしている美容アカウントの投稿
- 美容系Youtuberの動画
- ランディングページ
- 美容メディア、ブログ
など。
行動を変えるための情報
それぞれの接点で届ける情報は決まっているので覚えてください。
認知プロセスでは、相手の目をひく情報(知らないこと/好きなものや人/派手なものなど)
興味プロセスでは、相手が手に入れたい結果(ベネフィット)
理解プロセスでは、相手が納得する情報(商品の特徴/実績/評価など)
検討プロセスでは、相手が購入を決める情報(価格/買い方など)
行動を買えるための情報の例
- ただ高い美容液を使っていても、ヨレヨレの肌はよくならない
- 美容液が浸透するお肌の状態を作ることが大切
- しっかりとメイク汚れを落とす洗顔が大事
- 強い洗浄成分はお肌へのダメージがある
- そこで、優しい洗浄成分で汚れを落として、肌に潤いを与えるために開発された「洗顔せっけん」を使うのが効果的
- 「洗顔せっけん」は100万個売れていて、自分と同じようにヨレヨレ肌に悩んでいた人も綺麗な肌で喜んでいる
- 今なら50%offで買えるキャンペーン中で、肌に合わなければ返金できる。
など。
顧客化プロセスの作り方⑤ 情報を用意し、接点を作る
そして最後に、整理した「情報」を伝わる形へと変化させ、届けるための「接点」を作ります。
ターゲットが商品を買うまでに通る接点で、商品を買うために必要な情報を届けることで、ターゲットは自分の足でゴールへと向かっていきます。
このスタート地点からゴール地点までのプロセスを作ることを、導線作りとも言います。
商品を買ってもらう時の導線の基礎は、どんなビジネスでも同じです。
- 売り場に来てもらう
- 商品を見てもらう
- 買ってもらう
全てこの3STEPです。
ビジネスモデルによって、売り場の作り方、売り場への誘導の仕方は変わりますが、売り場に来てもらってからやることは同じです。
具体的な例があるとわかりやすいので、いくつかモデルケースを紹介します。
接点作りのモデルケース① web中心のビジネス
web中心のビジネスの場合は、スタート地点からゴール地点まで全てweb上で完結します。
基本プロセス
ランディングページ訪問→申し込みフォーム入力→購入完了
この基本プロセスに肉付けしていく形で、顧客化プロセスを大きなものにしていきます。
例えば
広告→ランディングページ
広告→記事ページ→ランディングページ
SNSアカウント→ランディングページ
SNSアカウント→記事ページ→ランディングページ
Youtubeチャンネル→LINEアカウント→ランディングページ
など。
売り場への導き方は無限にあります。
ランディングページを全てチャットで対応するようなやり方も今後は増えてくると思います。
接点作りのモデルケース② リアル中心のビジネス
街のパン屋さんとか飲食店とかの場合は、スタート地点からゴール地点まで基本的にはリアルで展開します。
基本プロセス
来店→レジ支払い→購入完了
この基本の導線に肉付けしていく形で、顧客化プロセスを大きなものにしていきます。
例えば
駅前でビラ配り→店頭
店舗の2km圏内にポスティング→店頭
店頭での声かけ→店頭
GoogleMap→店頭
SNS投稿→店頭
など。
顧客がお店に訪れるまでに通る道は無数にあります。
接点作りのモデルケース③ web集客をしている店舗ビジネス
英会話スクールやエステなど、web上で申し込みが完了しないビジネスモデルは、プロセスが長くなります。
基本プロセス
ランディングページ訪問→申し込みフォーム入力→申し込み完了→来店→契約完了
ランディングページで伝える情報、来店時に伝える情報が変わります。
比較的高い商品や長期に渡って利用する商品の場合、webでサクッと申し込む人は多くありません。
なので、webで申し込みがしやすい体験スクールや無料モニターなどの商品の申し込みを受け付けて、実際に店舗に来てもらってからより詳しい説明や体験をしてもらうことで、ターゲットの納得を引き出して、購入へと導く導線作りが効果的です。
ターゲットを顧客に変える「顧客化プロセス」の作り方 まとめ
マーケティングは売れる仕組みづくりです。
スタート地点にいる買い手を、ゴール地点まで自動的に連れてくる活動です。
そのためには、ゴール地点にいる時の「意識」と「行動」と、スタート地点にいる時の「意識」と「行動」との差を埋める必要があります。
そのために、ターゲットの5つの変化「認知・興味・理解・検討・購入」それぞれの接点で、買い手が「この商品を買うことが自分にとってベストな選択だ」と思えるような情報を提供します。
顧客化プロセスは、ビジネスモデルや事業規模の応じて、自由自在かつ無限に広がります。
全てをやろうとすると、リソース不足の壁にぶち当たります。
なので、まずは基礎となるプロセスを構築して、徐々に導線を増やすようにしてください。
マーケティングが関わる領域はとても広いです。新しい施策や考え方もどんどんと出てきます。
それら全てに対応することはどんなスーパーマーケターでも不可能です。
なので、多くをやろうとせず、今できる1つのことに集中して、売れる仕組みを1歩ずつ作るようにしてください。